F-1初心者講座


 今週末に2004年のF1選手権が始まります。一部のモータースポーツファンにとってはたまらないものだけど、一般人にとっては“F-1?ああ、深夜にグルグル回ってるレースね”と、それぐらいの認識しかありません。ヨーロッパではサッカーのワールドカップ・オリンピックに並ぶ一大イベントだというのに、日本では地上波放送で生中継すらしない始末(ただし、実際のレースが日本時間でも深夜になる南北アメリカに関しては生放送)。まあ視聴率がとれないんだから、無料で見られるだけでもありがたいと思わないといけないのかもしれませんが。

初心者向けF-1のQ&A(筆者の狭い知識範囲内のものですので、間違ってたらすみません)

Q.そもそもF-1って?

A.F-1とはFormula Oneの略です。Formulaというのはオープンホイールマシン、簡単に言うと屋根なしのレースマシンです。それの最高峰であるので、Formula Oneという名前がつけられてます。あの独特な形のマシンは、空力面などを考慮し改良に改良を重ねた結果です。ちなみにヨーロッパなどではF-3, F3000, 日本でもFormula Nipponなどがあります。質・興奮ともに、F-1に遠く及ばないのは言うまでもありません。アメリカのレース、CART, IRLなども同じような形状のマシンをしており、最高速度だけみればあちらの方が上ですが、全体としてみればやはりF-1には及びません。

Q.レースまでにどんな流れがあるの?

A.各グランプリは、金・土・日の3日間で構成されてます。金曜日はマシンのチェックを行うフリー走行、土曜日は予選を行い、日曜に決勝レースが行われます。かつては予選を通過しないと決勝に進めなかったのですが、昨年からこの制度もなくなりました。土曜日に予選を行い、その結果で決勝のスタート順位が決まります。いわゆるスターティンググリッドです。規定によりグリッドは2列、前後のマシンの間隔は16m以上、奇数列と偶数列との間隔は8m以上と定められています。今年は全20台のマシンが参戦しますので、マシンの全長を約4.5mとすると1位のマシンと最下位(20位)のマシンの間は約200mもあります。予選でいい結果を残すことが、優勝への近道でしょう。

Q.予選ってどうやるの?

A.予選は土曜日の午後に2回行われ、それぞれ1人1周ずつタイムアタックを行います。1回目は、2回目を走行する順位のみを決めます。1回目の予選でトップタイムを出した人が、2回目の予選を最後に走り、2回目の予選結果で決勝スターティンググリッドを決めます。では1回目の予選はどういう順番で走るのかというと、前レースの結果の良い順で走ります。ちなみに開幕戦はたしか昨年の通算成績順だったと思います。
なぜタイムアタックをする順番のためにタイムアタックをするのかというと、タイムアタックでは走るのが後であればあるほど、トラックにタイヤのゴムが付着するのでグリップが良くなり有利になるからです。ただし予選中に雨が降り出した場合、気温が変わった場合等、コンディションの変化があった場合はこの限りではありません。例えば晴天用のタイヤと雨天用のタイヤでは速さが全然違いますので、途中から雨が降り出した場合、それ以降の人が前の人よりいいタイムを出すという望みはかなり薄くなります(昨年は万年最下位のチームのドライバーが、これで予選1位を獲ったことがありました)。もちろん、逆の場合もあります。またそれぞれタイヤには力を発揮できる適正温度というものがあるので、路面が冷たすぎるとタイヤが暖まらなくて本来のスピードが出ないし、熱すぎても消耗が激しくなり同じくスピードがでません。コンディションを予測して1回目の予選でわざと遅く走る、なんていう作戦をとるチームもあるかもしれませんが、基本的にはセオリー通りに行われます。

Q.決勝って、ただグルグル回ってるだけでしょ?何が面白いの?

A.たしかに合計300キロ以上になるよう、大体1時間半ぐらい同じサーキットをグルグルと回り続けます。でもそれだけではありません。レース中は様々なアクシデントがありますし、また最低1回以上のピットストップが義務づけられてます。ピットストップで何をするかというと、消耗したタイヤの交換、そして給油です。また途中でマシンのパーツが壊れたりした場合も、ピットに入って修理したりします。最近は各チーム、マシンの能力にそれほど大きな差がなくなってきたので、順位の入れ替わりはこのピットストップが絡むことが多いのです。レースにあまり展開がないと、ピットストップだけが唯一の見せ場、なんてことも残念ながらあり得ます。

<ちょっと難しい話>
例えばレース中盤2台のマシンA,Bがほとんど差がない状態で走ってて、後ろのマシンBの方が少し速いんだけど、前のマシンAを抜くことができないという状況があったとします。こんなとき、Bは早めにピットストップを行うという作戦に出ます。もちろんピットストップを行うとそれなりのタイムロスはあるのですが、その代わり消耗したタイヤをグリップ力の優れた新品のタイヤに交換できます。このときピットストップによるタイムロスを30秒としましょう。グリップ力のあるタイヤを履いてトラックに出て、Aとの30秒差を少しでも縮めることができたら、Aもピットストップを行わなければいけないので、うまくすればAがピットストップを行うときに順位の入れ替わりを期待できます。
ただしそう簡単にはいきません。Bはタイヤ交換と同時に、給油も行います。当然重いマシンと軽いマシンとでは、重いマシンの方がタイムは落ちます。この給油の影響と新品タイヤの影響、どちらが勝るかが勝負の分かれ目です。さらに言うとAが積んでた燃料が減ってマシンが軽い状態だった場合、タイヤは消耗してるけどいいタイムを出せることがあります。しかし当然ながら長く走るには最初にたくさんの燃料を積んでおかなければならず、軽くなるまではかなり大変でしょう。
ですのでこの作戦は、例えばトップチームが何らかの理由で下位を走る遅いマシンに引っかかってしまったときなどに使ったりします。これ以外にも周回遅れや天気、ピットストップのタイミングには様々な要因が絡んできます。
<余談>
ちなみに、僕が今までで一番この作戦の攻防で感動したのは、数年前のハンガリーGPです。当時圧倒的な力を誇るマクラーレンに全く歯の立たないフェラーリ。しかしフェラーリは当時としては異例だった3ストップ(ピットストップを3回)を行い、見事優勝を果たします。ピットストップの回数が多いとういことは、その分1回に搭載する燃料も少なくてすむ。この燃料差で、フェラーリはマクラーレンに挑んだのです。もちろんピットストップではタイムロスがあるので、余計にピットストップを行った分のロスをカバーしなければいけません。ドライバー、ミハエル・シューマッハの腕があってこそ実現できた作戦と言えるでしょう。


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