THE HITS -CORNERSTONES 3-


THE HITS -CORNERSTONES 3-/佐藤竹善

 Sing Like Talkingのボーカル、佐藤竹善が取り組むカバー集の第3段。これまではAORナンバー中心だったものの、今回タイトルの“THE HITS”が示す通りヒット曲中心のナンバーとなっている。あまり詳しくは知らないが、どうやらリクエスト投票によって決められたらしい。

 正直に言って、日本語の曲は全然良くない。選曲こそまずまずのセンスを感じさせるが(スターダスト・レビューについては疑問が残るが)、これらの曲は不本意だったのではないか?と思えるほど。アレンジも全体的に野暮ったいし、どれも打ち込み中心で、せっかくSLTや自身のソロ活動で素晴らしいミュージシャンとの親交があるのに、全く登場しない。やっつけ仕事の感が否めない。
 しかしながら、7曲目にInterludeが入って一息つくところがミソである(そこから洋楽曲のカバーになる)。多分じゃなくて、日本語曲は間違いなく不本意だったはずだと思わせる。次の"Last Christmas"はサービス、その次の"トーキョー・シティ・セレナーデ"はタイアップの関係だろう。ワムのようにお気楽ムードの中の切なさというものが全くないし、何度聞いても「TOKYO CITY」は格好悪い(原曲は「NEW YORK CITY」)。
 このアルバムの本番は10曲目から。12曲入りのアルバムで、そのうち9曲が聴くに値しないというのは相当問題があると思うけど。
 10曲目はRichard Marxの"Right Here Waiting(for you)"。オリジナルはどうも綺麗すぎて収まりが悪いものの、彼は見事にこの曲の良さを引き出している。佐藤竹善の歌声は、決して綺麗ではない。しかし、聴くものに訴えかける何かがある。それが見事に活かされている。
 そしてア・カペラで歌い上げた11曲目、Chicagoの"Hard To Say I'm Sorry"。佐藤竹善はこれができるアーティストなんだなと改めて感心させられた。こちらも原曲だとデビッド・フォスターの味が強すぎるけど、見事ものにしている。
 最後にNat King Coleの"THE CONTINENTAL"。昔からバックを務めてるピアニストの塩谷哲経由で、小曽根真と知り合ってアレンジをしてもらったとか。少々無理があるのは百も承知。日本人がナット・キング・コールを歌って、様になるはずがない。しかし、あえてその挑戦を評価したいと思う。全然及ばないんだけど、それでも彼だからこそここまでまとまったという感じが確かに存在する。
 とりあえず、次のCORNERSTONEには“THE HITS”がつかないことを願うしかない。ちなみにこれを聴いた後に、SLTや彼のソロを聴くと、改めてその良さを発見することができると思う。


| コメント(0) | トラックバック(0)

コメントする

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.blue-jam.com/mt/mt-tb.cgi/581

Profile

take(take@blue-jam.com)
1981年12月23日生まれ
横浜市の端に在住
音楽と夏と海をこよなく愛してます。
強く、やさしく、フェアに

2015年11月

Sun Mon Tue Wed Thu  Fri   Sat
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

アーカイブ

最近のコメント

BlogPeople

Powered by Movable Type 4.292