2004年12月07日

高い空、つかめそうな星

 今日は何だか空が一段と高かった。冬の澄んだ青空。いくら眺めていても飽きることがないし、どう考えても飛び越せそうにない。季節によって色々な空が見られる僕らは、とても幸運だと思う。
 研究室の外にある踊り場の窓からは、今日のような天気の良い日だと富士山が見える。でも完全な形じゃない。富士山に覆い被さるように、二本の建物が邪魔をしている。僕が研究室に配属されたとき、既にその建物はあった。なんでも、一昨年ぐらいに建ったらしい。そのことを残念そうに語っていた先輩がやけに印象的だった。僕らは、便利な生活の代償として、知らないうちにもっと大切なものを失っている。
 そんな景色を眺めながら、これなら夜は星が綺麗だろうなと思ってた。22時過ぎ、帰宅道、やっぱり星が綺麗だった。宮古で見た星空ほど圧倒的ではないけれど、あれはなんだか凄すぎて、僕がその場に属していないような感覚みたいなものがあった。でも、僕の街から見える星空には親しみがある。昼間とは打って変わって、空が近い。星の一つぐらい手に取れそうな気がした。
 星を眺めながらとぼとぼと歩いていると、必ず去年のことを思い出す。卒業論文にさえ取り組んでいればよかったあの頃。失望感でいっぱいだったあの頃。一つのことだけを大切に考え、心の支えにし、そんな負のエネルギーだけで生きていた。そして家まであと5分くらいという距離で、僕は必ずある曲を最後に聴いていた。まるでそれが当たり前であるかのように、やらなければいけない一つの儀式のように。今はもうそんなことはしない。僕は、いつまでも記憶だけで生きていけるほど強くはない。

Posted by take at 00:15 | TrackBack(0)
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