
TOSHIKI KADOMATSU 1993・1・27 FINAL TOUR
あるがままに
角松敏生が音楽活動を凍結させる前の最後のライブを収録したビデオ。これは凄いなんてもんじゃない。何しろ、観客の野次に本気でキレるし、泣きながら歌ってるし、最後はもう全然声が出なくて歌えない。でも、僕はこれを見て角松という人間をますます好きになったのだと思う。
彼が歌うのを辞めたのは女性にフラれたからだという。それまでもくどくどと未練たらたらの歌を歌ってるし、解凍後もそれを引きずっているような感じがしないでもない。彼は自らの血を流し、骨を削って曲を作る。きっとこんなの聴くに堪えないと感じる人もいるのだろう。でも僕は彼の音楽が大好きだし、尊敬さえする。潔いというか本当に自分に正直な姿に、人として惹かれるのである。
心から愛した人が、大切だと思う人が、例え自分の手の届かないところにいってしまったとしても、そう簡単にその想いが消えるわけじゃない。どれだけの時が経とうとも、どんなことがあったとしても。角松はそんな当たり前のことを教えてくれる。
自分勝手かもしれないし、情けなく見えるかもしれないし、滑稽かもしれない。でもね、そんなのどうだっていい。たった一人の人に、この想いのほんの一欠片でも伝えることができればと思う。伝えることができないとしても、どうしようもない想いを消し去ることなんてできない。
今、この瞬間を生きている自分の、精一杯の正直さを、想いを。そのことだけには絶対に嘘をつけない。
相手にとっては甚だ迷惑なだけなのかもしれないし、思いっきり不器用なのかもしれないけど、そんな風にしか生きていくことができないんだ。そういう運命を背負っていくしかないんだ。
この心の痛みがいつか癒えて
望みも予感も消えて
僕が君を忘れる日がきたなら
きっと君をこえていける
I'll be over you
君をこえる日なんて絶対にこないことを、僕は誰よりも知っている。