TOTO IV/TOTO
タイトル通りTOTOの4作目、グラミー賞を総ナメ(6部門受賞)にした彼らの代表作。こういうアルバムがきちんと評価されるところが、アメリカの良さである。元々かなりレベルの高いミュージシャン集団だったグループが、それぞれの良さを惜しみなく発揮させ、さらにそれを圧倒的な完成度に仕上げた。最高傑作と呼ぶにふさわしい。
僕が一番最初にAORと呼ぶべき音楽をきちんと聴いたのがこのTOTOだったと思う。当時17,18だった僕は"ミュージシャン買い"みたいなことをしてて、ジェフ・ポーカロが参加しているバンドということでTOTOに興味を持った。世界トップレベルのドラマーと言ったらポーカロだよな、じゃあTOTOを聴かないわけにはいかないでしょう、みたいな感じで。
ただ、このアルバムに限らず、TOTOでのポーカロは何となくおとなしい。あくまでもセッションメンバーの一員というか、"TOTOのドラマー"に徹しているような印象を受ける。もともと彼のドラムには、例えばスティーブ・ガッドやヴィニー・カリウタみたいに一発で本人とわかる特徴がないんだけど、とにかくポーカロだけを取り出すことができなくて、全体としてのTOTOサウンドに貢献しているだけなのである。
じゃあTOTOのドラムはポーカロ以外でも務まるのかと言われれば、多分そうではない。ポーカロは92年に亡くなり代わりのドラマーが入ったんだけど、本当に同じグループなのかとあぜんとした。それ以外にもメンバーが変わりまくっているという事情もあるんだけど、決定的な違いは間違いなくポーカロの存在だった。ポーカロのいないTOTOはもはやTOTOではなかった。デビッド・ペイチ、スティーブ・ルカサー、デビッド・ハンゲイト、スティーブ・ポーカロ、ボビー・キンボル、ジェフ・ポーカロ、この6人が揃って初めてTOTOなのである。
そしてオリジナルメンバー最後のアルバムがこの作品。これがきっかけで流れが誤った方向にいってしまったのかどうかはわからないけど、とりあえず<africa>は誰が何と言おうと歴史に残る名曲だし、キャッチーな<Rosana>や<Afraid Of Love>なんかもいい。TOTOのアルバムは他に3枚持っているんだけど、やっぱり一番多く聴くのはこれかな。名盤という言葉が実によく似合う。