
一応前もって言っておくと、3月から6月の間、受験したのはわずか3社のみ。危機感なさすぎだろう…。でも、それ以上に、どうすることもできない状態だった。そのことについてはこちらを参照下さい。
ということでほとんど動きはないのだけど、なぜか文章は長い。僕の就職活動の「核」となった3月、4月のお話。
・2005年3月
2月の終わりあたりから、やっぱり僕はエンジニアを目指すしかないんだなというか、そういえば研究者になりたかったんだよなと考え始めた。じゃあどうしようってことで、とりあえず自分なりの価値観で企業を判断した。これは僕が個人的にそう考えただけであって、特定の企業を非難する意図は全くないし、人それぞれの考えがあって然るべきだから、あまり気にしないでもらいたい。一応僕が考えたのは、実業と虚業という点。
まず、僕はおそらく何らかの形になるものを望んでるのかなと考えた。実際に形として存在しないものは、これはかなり危険な思想だけど、全て虚業だと思いこんだ。例えば金融や保険、そしてITなど。これら全部虚業だろう、と。あと、おそらく就活する人がほとんど出会うことになる「ソリューション」。これなんて虚業の最たるものだと、コンサルを志望していたにも関わらず、手のひらを返したようにそう考えるようになった。
世の中にそういうビジネスが必要なのは理解できる。でも、自分の責任が持てない、形にならないものを、仕事にはしたくないという思いが強かった。そんな形にならないもの、虚業なんて、10年後に一体何が残るのだろうか。実態のないものに価値をつけて商売にする、それに何の意味がある?僕はそんなことできないと思った。価値基準が曖昧すぎる世界で生きるのは嫌だと感じた。その考えは今も変わってない。
そういうわけで、僕は実業というか、実際にモノを作っている製造業に照準を絞った。上記の理由から、ソリューションにかなり手を出しているところは排除し、かつ、自分の専門を活かせるメーカーを探した。答えは身近なところにあって、そこのセミナーに行き、懇親会に行き、会社見学に行き、OB訪問をした。その都度志望度が上がっていったと思う。
あとは、メーカーに意志を固める前に、通信系企業を2社受けた。一応無線通信が専門なので移動体通信会社、これも実名出しちゃおう、NTTドコモやKDDIも考えた。でも、残念ながら携帯に未来は期待できない。第4世代とか言われてるけど、そんなの実現するかどうか甚だ疑問だし、そのうちADSLみたいに価格競争が起こって(既に起こりつつある)収益率が悪化するのは時間の問題だと思う。
利益をドコモに頼っているNTTも、auに頼り切っているKDDIも、多分そのうちまずいことになる。ちなみにNTTは再編成されると思う。かなり勝手な予想だけど。
ということでその2社以外、残った通信会社が、これも開き直って実名出しちゃおう、日本テレコム。ここを受けた。Vodafoneが切り離れたところに好感を持っていたし、きちんと自前のインフラを持っていることに惹かれた。
日本テレコムには無線通信の業界では有名な人がいて、かなりレベルの高い研究が行われている。自分もそんな環境でやってみたいという思いがあった。が、しかし、ご存知の通りソフトバンク傘下となり、しかも携帯事業参入に向け動いているということで、無線部門はYahoo!の子会社に出向状態とのこと。まあこの際無線じゃなくても、通信に関われればいいかなとも思っていた。
エントリーシートは通ったものの、まさかの筆記試験落ち。正直試験自体は余裕だったので、これはショックだった。一番ショックだったと言っても過言ではないかも。筆記試験の後にまたエントリーシートとトータルで見られるらしいので、エントリーシートに原因があったのかもしれない。あるいは、第一志望を研究開発にして応募したのが良くなかったのかも。無線部門はBBモバイルに出向だし。いずれにしろ、残念ながら縁がなかった。
もう1つは衛星事業を手がけているところ。日本でほぼ独占状態なので、かなり給料が高い。しかも場所は東京丸の内パシフィックセンチュリーと文句なし!ちなみに友人の税理士のお兄さんがここのビルに入ってる企業に勤めていて、その友人の就職先も入っており、もし僕が入ったら3人で・・・なんて話もあったけど、結局友人は別の営業所勤務となり、僕も選考に落ちた。
敗因は企業研究不足。これに尽きる。まさか自分達で技術開発しないなんて思いもしなかった。面接で初めてそのことが明らかとなり、面接官との意見が食い違い始め、ボロボロに。OB訪問などをしなかった僕が悪い。
・2005年4月
何も進展がないまま、新年度に突入。幸いにも僕の行きたいと思った企業は学科推薦に枠があり、うまくその推薦資格を手にすることができた。推薦といえども内定が保証されるわけでもないし、しかも推薦書の問題から、複数の企業にアプローチできないという欠点もある。当然内定が出た後は(原則として)絶対に蹴れない。学生にとってある程度優遇された制度であるものの、完全に企業優位。良いのか悪いのかわからない。
そしてその企業との配属面談。僕らみたいな理系の(特に)院生は、マッチング面談と言って、自分の専門と相手が求める専門とが合えば、じゃあうちの部署にきてくださいよ、なんていう形で選考を行うことが多い。メーカー系はほとんどこの形式。
この配属面談が、今回の就職活動で一番収穫があったというか、唯一就職活動をして良かったと思えた面談だった。
僕が行きたいなと思っている部署の人達と4対1(途中人事の人が抜けたので3対1になったときもあった)の面談を、1時間半行った。さすがにこれだけ長時間だと自分というものを出すことができ、言いたかったことを伝えられたし、聞きたい話も色々と聞けた。向こうも様々な話をしてくれたので、1時間半という時間だけ見ると長く思えるかもしれないが、実際はあっという間だった。
その時ひしひしと感じたのが、僕がそう思いこんでるだけなのかもしれないけど、自分は大切にされているというか、必要とされているなということ。プライベートで色々なことが立て続けにあったので、その姿勢に強く惹かれた。ちなみにこの会社は社員を大事にすることで有名。僕は自分が必要とされているところにいきたいし、何かに貢献したいし、そして誰かに喜んでもらいたい。そんな思いでいっぱいになった。
この配属面談(マッチング面談)は、面談を終えた後に僕がここの部署を希望するという意思表示をし、かつ相手の部署も僕を欲しいとしてくれれば、無事マッチング成立となる。そして別れる際、あっちの部長さんに「良い返事お待ちしていますんで」と声をかけられた。凄く嬉しかった。単純に考えたら、良い返事を待ってる、つまり相手は既に僕を欲しいと言ってくれてるようなもの。部長さん自らそんなことを言ってくれるなんて。帰り道、僕は絶対この企業に入りたいと思った。
一応リクルーターの人から1週間後に通過したみたいという連絡をもらったものの、正式に決まったのは2週間以上あと。長すぎだ。そしてそのままゴールデンウィークに。
そういえばブライアン・アダムスの来日公演にも行った。就活や何やらで色々とあったし、たしかまだ結果待ち状態だったから、僕の気持ち全てをぶつけたライブだった。本当に楽しかった。今でも当時の光景、興奮をくっきりと思い出すことができる。とても特別なものになった。
次はいよいよラスト。