僕の中の少年


bokunonakano.jpg僕の中の少年/山下達郎

 数ある山下達郎のオリジナルアルバムの中で、一枚突出している作品。これと『Pocket Music』が、彼の最高傑作だと僕は評価したい。彼の世界観がつまりにつまっている。実はこのアルバムが彼の作品の中で唯一、タイトル名が日本語。このアルバムだけは日本語にしなければいけなかったのだろう。

 時代がそういう流れだったのか、コンピュータによるプログラミングが使われ始めてきているが、要所はきちんとミュージシャンを起用し、うまい具合に使い分けを見せている。そしてサウンドが変わってきた分、今まで以上に歌に力を入れたのではないか。そんな風に感じる。何て言うか、詞がこれまでにはなかった命を持っている。

 山下達郎は少年時代を歌うのを得意としていて、それは僕のそれと重なるところはあまりないのだけど、なぜか懐かしい気持ちにさせる。もしかしたら誰しもが心の中に持っているものなのかもしれない。実際に経験したことのある人なんてほとんどいないのだけど、皆が心の中に描いている。そんなもの。

 果てしなく厳かな<蒼氓>。生というものに対する答え、この世の全て、世界の果て。このテーマをメロディにのせたのは実に見事だと思う。1つの完成形。もしこれを越える曲があるとするなら、The Beach Boysの<God Only Knows>ぐらいだろう。永遠の名曲。
 そしてこのアルバムのすごいところは、この曲で終わらないところ。最後タイトル曲の<僕の中の少年>で締める。もし<蒼氓>で終わってしまっていたら、おそらくこのアルバムはこの1曲だけで終わってしまう。でもそうではなくて、彼はきちんとアルバムとして仕上げてきた。

 いつまでも色褪せないものが、ここにある。


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コメント(2)

はじめまして。
多分(結構前過ぎて覚えてません、すみません!)小田さんかSLTのMLから来て、ずっとROMしておりました(笑)。

達郎さんのアルバムの中で、ワタシもこのアルバムと「Pocket Music」大好きです。
中でも「蒼氓」はワタシの邦楽でのALL TIME FAVORITEのベスト10に入るくらい、宝物的な曲です。
もう2年前でしょうか、SLTが縁で知り合った友人カップルの結婚式にて、新郎の挨拶のところで流れた曲がこれだったのです!もちろん泣かされました・・・。

こんなきっかけで書き込みさせていただきましたが、毎日楽しみに読ませていただいてます。
これからも素敵な文章を発信してくださることを願って止みません。

>himariさん

はじめまして。
コメントありがとうございます。

<蒼氓>は僕も邦楽で"ALL TIME FAVORITE"の10曲に入ると思います。
大好きな曲だし、思い入れのあるすごく特別な曲です。
「憧れや名誉はいらない」のところの歌詞が何とも言えません。

拙い文章ですが、少しでも気に入っていただければ何よりです。
心から嬉しく思います。

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take(take@blue-jam.com)
1981年12月23日生まれ
横浜市の端に在住
音楽と夏と海をこよなく愛してます。
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