The Royal Scam/Steely Dan


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 クラシックは芸術として認識される。伝統があり、格調が高く、どこか崇高なイメージがある。もしこの世に完璧な音楽があるとしたら、それはクラシックの楽曲にある、と言ってもおそらく差し支えないだろう。ではポップスは芸術なのか、という議論はさておき、ポップスでこのクラシックに肩を並べられるとしたら、スティーリー・ダン以外にないだろうと僕は本気で思っている。

 これはスティーリー・ダン1976年発表のアルバム。彼らはこの後歴史に残る名盤『Aja』と『Gaucho』を残して事実上活動休止に入る(2000年に『 Two Against Nature』を発表し20年ぶりに復帰する)。どうしてもその2作品に隠れてしまうせいか、本作はそこまでの評価はされていない。

 しかし彼らの音楽性が最もよく表れたアルバムが、この『The Royal Scam』だと思っている。なんていうかその後の2枚は"完璧すぎる"。その完璧の領域に行ってしまう前の最後の作品がこれ。個人的には一番好きな作品。ドナルド・フェイゲンの歌の下手さと(味はあるけど)、バックの音楽の素晴らしさが絶妙な味を出している。

 チャック・レイニーとバーナード・パーディのリズム隊、そしてそれに絡むラリー・カールトンのソロ。1曲目の<Kid Charlemagne>は格好良すぎるし、圧倒的。<The Fez>は一説によればジェフ・ポーカロが叩いているとのことだが、アルバムに彼の名前のクレジットはない。僕は残念ながらバーナード・パーディとポーカロのドラムを聞き分けるほどの耳を持っていないのだけど、いずれにしろすごい。続く<Green Earrings>ではパーディーのリズムとデニー・ダイアスのギターが光る。アルバム全体がなんだか不安定な雰囲気で支配されているが、なんでこの時代にこれほどまでの音が出るのか、このことを考えるだけで、僕は身震いがして止まらない。

 ちなみに日本盤だとアルバム名は『幻想の摩天楼』。しかも全ての収録曲に邦題がついている。


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