Players Presents TOSHIKI KADOMATSU Ballad Collection/角松敏生


ppballad.jpgPlayers Presents TOSHIKI KADOMATSU Ballad Collection/角松敏生

 真っ黄色のジャケット。レコード会社からアルバムを出して欲しいと言われ、でも新アルバムのネタはなく(というかツアー続きでそんな余裕はなかった)、かと言ってベストアルバム的なものが心底嫌いな角松。そこで思いついたのが、ミュージシャン達に自分の楽曲をアレンジ(プロデュース)してもらい、あと自分は声を入れるだけという手法だとか。まあ、そんなことでおとなしくしている角松でないことは容易に想像できますが・・・。

 パッケージの帯(裏ジャケ)には、音楽ライター金澤さんの歯が浮くような紹介が載ってますが、僕は僕で全曲紹介。

1. You're My Only Shinin' Star (Produced by 小林信吾)

 これはバージョンを変えても特に変わらず。その昔シングルで出た<花瓶>の"hangover take with piano"に似てるかな。コーラスがないのでちょっとボーカルが浮き気味かなあという感じも。もっと盛大に、フルコーラス・フルオーケストラアレンジとかを期待したかった(そんな予算はない・・・?)。

2. 海 ?THE SEA? (Produced by 森俊之)

 出ました、森俊之の変態アレンジ。変態アレンジなんて呼んで申し訳ないけれど、その昔「Groove Dynasty」で限定発売されたThree's Co.&Big Horns Beeの企画アルバムで、完全に自分の世界をフィーチャーしてしまった彼に敬意を表し、僕はそれ以来あえて変態アレンジと呼ばせて頂いてます。でも今回はアレンジャーとしての才能が開花(というかうまくマッチ)したと言っていい。サウンド的にはああやっぱりなという感じだけれど、フォーリズム+森俊之が原曲の雰囲気を殺してない。殊勲賞は今剛。森さんは今後の角松にとってキーマンになると思う。

3. LIVE (Produced by 江口信夫)

 フォーリズム。バラードの重たい雰囲気が一掃されてしまい、それが良かったかというと、僕はそうでもないと思ってる。25周年ライブDVDで青木智仁に捧げられた曲となったし(実際のライブでは違ったのだけど)、知らないうちに自分の中で何かとリンクしてしまったからなのかもしれない。江口さんが選んでしまったのだからしょうがないけれど、できればいじらないで欲しかった。

4. もどり道 (Produced by 友成好宏)

 これはそれほど変わらず。曲調よりもコーラスの変化の方がインパクトがありました。安心して聴ける曲。

5. 5000マイルのカウンター (Produced by 今剛)
 今剛が角松のバックで弾いていることは驚きだけれど、むかしむかし、80年代も一緒にやっているのだから、自身が参加した<Dreamin' Walikin'>や<It's Too Late>を選んでくれたら、全ての角松ファンは泣いて喜んだに違いない。今さんの多才さはよくわかったけれど、曲自体が最近なのでどうにも新鮮味がなく、そんなに違う感じがしない。

6. SINGLE GIRL (Produced by 田中倫明&大儀見元)
 タンゴ調とでもいうのですかね。アレンジをするということは、こういうことを言うのでしょう。よくぞここまで変えたよなと思う。梶原順がいなかったら成立しなかったでしょう。

7. RAIN MAN (Produced by 森俊之)

 再び森俊之。これまた曲の魅力をうまく引き出した。原曲の雰囲気は変えずに別の聴かせ方をするとでもいうのかな。このアルバムに収録されている曲の中で唯一オリジナルよりも好きかもしれません。なぜかフルートは本田雅人(この人の多才さには本当に驚かされる)。

8. 月のように星のように (Produced by 千秋、凡子&上地一成)

 これはプロデュースメンバーを見た瞬間から、何となく想像できた。てっきり沖縄テイストを入れてくるのかと思いきや、そこは正攻法ア・カペラ。ただしこれなら角松の一人多重録音でも良かったのではないかと思う。好き嫌い別れるかもしれないが、僕は角松のコーラスが大好きです。この水のようなブルーの透明感は角松に与えられた天賦の才能の1つだと思う。

9. WHAT IS WOMAN (Produced by MAOCHICA)

 ピアノ2台でいくのかと思いきや、やはり最後は盛り上がってフィニッシュ。角松史上最も壮大な曲は、こうしなければいけないのでしょう。もっともっと激しく暴れても良かったと思う。本来ならこの曲順にいるべき曲ではないはずで、1曲聴いたら全てが終わるような感じの方が良かったかな。

10. これからもずっと (Produced by 松原秀樹)

 元々打ち込みの曲だったから、初めてバンド演奏になったのかな。森俊之チックなアレンジ。なかなか良いです。特に最後の沖縄組のコーラスが素晴らしい。

11. 崩壊の前日 (Produced by 山内薫)

 これは凄い。後ろを振り返る曲から、見事前を向く曲に変わった。#6や#7とはまた別の意味で、アレンジ1つでここまで変わるとはと思わされる曲。このアルバムのハイライトでしょう。オリジナルのドラムはポンタさんなので、これからは、江口さんが叩くときはこのバージョンでやれば良いかと思われます。ライブではかなり盛り上がりました。

12. NEW YEAR'S EVE (Produced by 梶原順)

 これはどうしても原曲の打ち込みバージョンが耳に残っていて(それだけよく聴いたということです)、大好きな梶原順のギターのはずなのに、なんていうか、しんみりできない。最後のコーラス部分は好きですが…。

13. We're Together

 唯一のオリジナル曲で、最近スポンサーをしてくれているTDKのCM用に作られた角松の新曲。<君という名の僕におしえたい>に似てる…。ただこういう新曲がお蔵入りになるのではなく、アルバムに収録してもらえるというのは嬉しい。<Jumper>も何かのタイミングで出してくれませんかねえ。


 実は最初数回聴いたときはそんなに良く思えなく、やはりコンピレーションの域を出ないと感じていたのだけれど、このアルバムのライブに行った後は、これはこれで良いかもと思えるようになった。音楽というのは、聴く側も選ぶのだろう。不満点を言うとするなら、ミュージシャンがほぼ固定してしまっていること。限られたリソースでやらなければいけなかったのかもしれないけれど、ミュージシャンの選択肢が限られるということは、音楽の選択肢も限られるということに他ならない。どうせやるなら徹底的にやって欲しかった。

 僕の勝手な想像だけれど、"Player's Prayer"で着々と身の回りを固め続けている角松。きっと次は彼らを十二分に活かした音楽作りができるはずで、来年か再来年には出るであろうオリジナルアルバムに期待します。


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