ホンダのF1撤退


 今日、キオスクの新聞コーナーにかかってる見出しで、F1のチームが撤退するという文字を見かけた(多分トーチュウ)。チーム名までは見られなくて、どこだろう、どうせどっかのプライベートチームだろうと思ってたら、なんとホンダだった。

 確かに去年今年とふがいない成績で、なんかやる気があるのかないのかわからなかった。でも今年ロス・ブラウンも入って、間違いなくこれからチームが軌道にのると思ってた。そんな中での撤退。

 F1参戦を経営的な観点から見た場合、はっきり言って企業のイメージ戦略面しかメリットがない。完全に赤字垂れ流しだし、昔は技術革新を実証する舞台のような感じもあったけど、今は年間数百億が損なわれる場所でしかない。それでも、F1参戦っていうのは1つのステータスであり、世界で選ばれし自動車メーカーであることの証。いかに速いマシンを作るか、トラックをコンマ1秒でも速く走るか、それは男の本能に訴えかける、たまらなく魅力的な欲望の象徴だった。

 それが、ここ最近のF1はとにもかくにも経費削減。金かけたチームが独走したらF1はつまらなくなるってことで、開発を抑制、コストも抑制。安全性確保のため、毎年厳しくなる規制でがんじがらめ。新マシン開発は、いつしか規制の抜け穴探しへと変わった。その抜け穴も次々とふさがれ、もはや全チーム同じマシンで走るんじゃないかと思ってもおかしくないところまでいこうとしている。何が正しいのかはわからない。確かにF1で死亡事故というのはほぼ皆無になったし、選手権争いもシーズン最後までもつれることが多くなった。その代わり、純粋な速さを追求していたF1の姿はもはやない。僕が心底惚れたF1は全く別のものとなってしまった。

 僕は中学生のとき、ミハエル・シューマッハの走りに惹かれF1ファンになった。勝負に勝つためには手段を選ばない、最終戦でマシンを故意(?)にぶつけてまで勝とうとする人間くささや、セナの記録に並んで涙を流した姿が大好きだった。そしてもはや誰も手の届かない記録を残してF1を去った。彼が引退したとき、確かに1つの時代が終わったのだと思う。そこからF1はつまらなくなっていった。そして、BARのサプライヤーとしてF1に参戦したホンダも撤退。多分、無縁じゃないと思う。

 ホンダは、日本メーカーとして大好きなチームだった。昔は日本GPのために、鈴鹿スペシャルエンジンを作ってきたりしてね。回転数多めで予選アタックにのぞんでたな。今は予選と決勝同じエンジンで走らなければいけないし、複数GPを1基のエンジンで走らなければいけない。琢磨の入賞に涙したし、HONDAと赤い文字で書かれたリアウィングを見たときは震えるほど感動した。バトン・バリチェロ体制になってから興味を失いつつあったけど、いつの日かレギュラードライバーとして起用される琢磨のための布石だと思い込んでた。世界中のF1ファンに認められたホンダ。セナが伝説を残したホンダ。そのホンダが撤退。またいつか参戦するのかな。ホンダに負けたくなくて参戦してきたトヨタはどうするんだろう。ホンダの決断は非常に機敏なものだし、勇気あるものだし、財務的には歓迎されることなのだろう。でもやっぱり寂しい。日本GPなんてトヨタにくれてやればいいけど、F1にはホンダがいなければいけない。ホンダはF1で走る責任がある。

 つまらない、そこそこのヒット車を量産するだけの自動車メーカーに成り下がって欲しくないなと思う。ホンダは僕が憧れるものづくりのお手本のような企業。本田宗一郎のDNAを忘れてはいけない。奇麗ごとじゃないのはわかるけど、技術者が技術を忘れて利益に走ったら終わりだと思う。そこに未来はないだろう。

 複雑な、やりきれない思いでいっぱいです。


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