角松敏生 Performance 2009 “NO TURNS”


tk20091120.jpgTOSHIKI KADOMATSU
Performance 2009 “NO TURNS”

神奈川県民ホール
2009.11.20

角松敏生(vo, g)
今剛(g)
梶原順(g)
江口信夫(ds)
松原秀樹(b)
森俊之(key)
小林信吾(key)
田中倫明(per)
千秋(cho)
凡子(cho)

 今年の3月に発売された角松敏生『NO TURNS』を引っさげたツアーに行ってきました。いつもなら1ツアー2,3公演参戦するのだけど、DVD収録するというNHKホールは音響がよろしくないため(あの山下達郎も苦戦したほど)、今回千秋楽の県民ホールに全力投球!

 一度音楽活動をやめた角松が再度復帰したのが、そして僕が角松の音楽と出会ったのが1998年。あれから11年が経つ。角松は11年間毎年何らかのCDを出し、ライブをやり、僕に無限の広がりを持つ音楽の世界を教え、そして導き続けてくれた。当時高校生だった僕はコンサート会場で圧倒的に(若すぎて)浮いていたけれど、今ではそんなに違和感もなくなった。その代わりとして、自分の好きな音楽の方向性を、かなりの部分において確立できた自信がある。これが年を重ねるという意味、そして続けることの強さなのだと思う。

 2005年の「Tripod」から始まった、新生角松メンバーの音作り。解凍後、角松は色々な音探しをやってきたけれど、その中で最も充実しているのは間違いない。愛すべき仲間、青木智仁と浅野祥之を失って、5年間かけてたどり着いた場所。アルバム『NO TURNS』、そしてこのツアーで1つの終着点だろう。

 千秋楽ということで、全部書きます。

 ステージが暗転し、SEで流れ始めたのが、なんと角松のインストアルバム名盤『Legacy Of You』から<Premonition of Summer>。そのまま何もなかったかのようにエレキギターを弾いてくれたら面白かったものの、角松が手にしたのはアコギで、<REMINISCING>。まあね、そういうツアーだからね。

 そこから<What Do You Think>、<もっと>、<You Can Go Your Own Way>。と一気にMCなしで。バンドメンバーを紹介しながら<美しいつながり>、そして凡子とのデュエット曲<鏡の中の二人>。こういうデュエット曲で、低音部をさらりとこなす角松はやはり凄いと思う。

 角松自身がセルフプロデュースした『On The City Shore』から2曲。まずは、英語が間違っている<Beach's Widow(Widow On The Beach)>。確かに浜辺の未亡人を直訳したらこうなるわけで、角松は気にしていたけれど、僕はそれはそれでいいんじゃないかと思う。なんか文学的な感じで。それよりも歌詞を変えて歌っていたことの方が気になった。「Beach, Beach's Widow」のところを、「On the beach, like a widow」と("like"は、僕にはそう聞こえただけで実は間違っているかもしれない)。ちょっとリズムに合ってない気がして、何より今まで聴き慣れたものと違うといことに、かなりの違和感を覚えた。<Let Me Say>は良かったです。

 そして<君をこえる日>。これはもういつ聴いてもじんわりきてしまう。誰にでも忘れられないことの1つや2つ、忘れられない人の1人や2人はいるのだろう。歌詞には「君を許すことがもしもできたら」とあるけれど、本当は誰かを許したいのではなくて、誰かに許されたい。最後のギターソロが、いつ聞いても泣かせる。時代を越えた名曲。

 記憶があいまいです。たしか<君をこえる日>の干渉に浸っている間もなく、松原秀樹フィーチャリングバージョンの<Tokyo Tower>、同じ感じで<PANSY>。MCがあって<Fallin in Love>。

 最初のMCの後からここまでずっと座りっぱなしで、体も限界。<Love Junky>が導火線となり、4拍子ノリの<木漏れ日>。ここからは年末に聞いた、今のミュージシャン仕様にアレンジした過去の曲の数々。でも少しアレンジは違っていたかな。まずは、<I Must Change My Love & Love For Me>。これも歌詞を変えて歌ってたと思う。サビの「I must be change my life...」のところを、「I have to change?」に。もうこの期に及んで、そんなチマチマしたことしなくてもいいと思うのだけど。煌く<Galaxy Girl>が続き、そして今回一番良かった<Rush Hour>!終盤のコーラスをさらに強調してくれればさらに良かったものの、これは本当に良かったです。<This Is My Truth>、<All Is Vanity>に<Girl In The Box>で本編終了。<All Is Vanity>は梶原順と今剛のかけ合いがかっこよすぎでした。それにしても<Girl In The Box>は飛ばせてくれてもいいだろう。これで引っかかったの3度目です。

 アンコールは<Cat Walk>のSEと共にメンバー登場。ニャー。今の角松バンド十八番の音作りという感じがしました。そしてお馴染み紙飛行機が代名詞<Take You To The Sky High>。紙飛行機を飛ばすことに色々な意見があるけれど、別に自分からやってくれと言ったわけでもないし(昔、酔っ払った客が飛ばしたことから始まるという伝説を持つ)、お客さんが勝手にやってるだけだしと、とにかく続けるという方向で。昔、こういうアンコール恒例曲はしばらくやりたくないと言っていた気がするが、何かに吹っ切れたのだろう。最後は季節的にぴったりの<No End Summer>。この曲は、ドラムありのフルバージョンがやっぱりいい。江口信夫のフィルインが絶品だった。今回、ミュージシャンの中で一番光っていたのが江口さん。彼独自のスタイルと、余裕たっぷりで刻むビート。ずいぶん貫禄が出てきたなと思う。

 モアアンコールは<夜の蝉>。蝉は7年地中で生きて、わずか1週間を地上で鳴きながら謳歌する。それを儚いととるか、力強いととるか。僕は今まで前者の見方をしてきたけれど、言われてみれば後者でもいいのかなと。自分が地上で歌うのはいつなのだろう。あまりにも感動的なラストだった。5年間、28年間の集大成。これこそが音楽そのもの。それをリアルタイムで見られることの幸せ。

 モアモアアンコールを要求してた人もいたけれど、僕の中ではこのステージは完全に幕を閉じていたので、もし仮に角松が出てきたとしても僕は帰っていただろう(結局出てこなかったみたいだけど)。まあ、時計を見たら22時40分だったのだけどね。3時間40分・・・。

 本当に本当に本当にありがとう、角松。ぜひ30周年、横浜アリーナを実現させて下さい。

(セットリスト)
1.REMINISCING
2.What Do You Think
3.もっと
4.You Can Go Your Own Way
5.美しいつながり
6.鏡の中の二人
7.Beach's Widow(Widow On The Beach)
8.Let Me Say
9.君をこえる日
10.Tokyo Tower
11.PANSY
12.Fallin in Love
13.Love Junky
14.木漏れ日
15.I Must Change My Love & Love For Me
16.Galaxy Girl
17.Rush Hour
18.This Is My Truth
19.All Is Vanity
20.Girl In The Box
Encore
21.Cat Walk
22.Take You To The Sky High
23.No End Summer
More Encore
24.夜の蝉


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コメント(4)

私も神奈川行きました?♪
2階席の右端だったせいでしょうか。。音響がいまいちだった気がするのですが、それでも盛り上がったいいライブでしたよね。。

角松も紆余曲折を経て、今は意欲的だし、楽しいMCもあり、「これから10年はがんばります!」なんて宣言も聞けてファンとしてはうれしい限りです。

凍結前の辛そうな頃はMCもない、曲だけ歌って終わり。。なんていうライブもありました。。
あの頃の身を切るように作り出した音楽もそれはそれでとても魅力的ではありますけどね。。

でも、やっばり、ファンとしては元気で精力的な角松がいいです。そして益々いい音楽を作り続けてほしいです!

はじめまして。
私は1階8列30番の席でした。

偶然こちらのブログを拝見しまして、席も近くて、ちょっと嬉しくなりコメントさせていただきました。

仕事・家事・育児やらでライヴから3年ほど足が遠のいていたのですが、今回は角松から元気をもらったというか・・・。
高校生の頃からもう25年のお付き合い(歳がバレますね)で、多分100本近いライブに行っているはずですが、こんな風に思ったのは初めてです。

終演後、小雨を避けながら駅に向かう時も、心はなんとなく温かくて。

来年の角松生誕50周年、再来年の横浜アリーナ、今から待ち遠しいですね。

>naoさん

こんにちは。
今回の県民ホールは、円熟という言葉が似合うライブだったと思います。
曲自体は大部分が昨年末と同じでしたが、
これだけの年数をやってきたからこそ出せる味みたいなのが
存分に感じられるライブでした。

恒例の年末中野3daysが今年はなくて残念ですが、
来年、再来年とさらに期待してしまいます。
解凍後ずっと突っ走ってきたイメージがあるので、
少しぐらい休んだっていいのではないかとも思うのですが…。
(思わず心配してしまいます)

>tomiさん

はじめまして。
同じ列だったなんて奇遇ですね!
僕はスピーカーまん前でしたが、
30番というとかなり良い席でしたね。

今回のライブは、約1年ぶりということもあって、
行く前は心地よい緊張感を感じてましたし、
終演後は圧倒的なステージがいつまでも頭から離れませんでした。
なんとなくですが、
解凍後11年の集大成みたいな印象も受けました。
角松さん自身は"Beginning of the Season III"と言ってましたが、
むしろSeason IIの締めのような音楽じゃないかなと。
これからさらに新たな方向性に行くのか、
もっともっと深いところに行くのかはわかりませんが、
非常に楽しみなことに変わりはないです。
来年、再来年と、ますます期待してしまいます。

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take(take@blue-jam.com)
1981年12月23日生まれ
横浜市の端に在住
音楽と夏と海をこよなく愛してます。
強く、やさしく、フェアに

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