The KEANE Brothers


thekeanebroth.jpgThe KEAN Brothers

 毎年、何だかんだでとびっきりの1枚に出会える。2011年は本作です。

 76年に制作された本アルバムは、デビッド・フォスターがプロデュースを行い、名うてのミュージシャンでバックを固めた正統派AORとも言うべき音作り。しかも歌い手は64, 65年生まれ(つまり12歳と11歳!)の兄弟と、これだけ見れば企画色があまりにも強すぎるものの、そんな不安とは裏腹に、とびっきりの音がつまっていた。遺影みたいな暗いジャケットだけど、音楽は正反対。

 当然ながらボーカルは幼い。音も年代を表しているというか、全体的に若い。でも60?70年代のロックンロールからの流れみたいなものをとてもうまく汲んでいる一方で、時代を越えた洗練さをきちんと兼ね備えている。同年代の『Jay P.Morgan』といい、この後にリリースされる『AIRPLAY』といい、80年前後のデビッド・フォスターは神がかっている。今ではバート・バカラック的な、ポップスの王様みたいな位置づけになってしまっているけれど(それはそれで悪くないのだろうね)。

 ミュージシャンも凄いです。ドラムにエド・グリーン、ハービー・メーソン、若かりしジェフ・ポーカロ(TOTOの前)、キーボードはもちろんデビッド・フォスター、ベースはデビッド・ハンゲイト、マイク・ポーカロら、ギターにジェイ・グレイドン、ラリー・カールトン、バックコーラスはビル・チャップリンが既にいるし、ホーンにタワー・オブ・パワー!各曲のクレジットが載っていないため想像で聴くしかないけど、名前を見るだけで興奮が抑えられないメンバー。

 このアルバムの良いところは、なんといってもメロディ。しかも全10曲中、1曲を除く9曲が兄トム・キーンの作詞・作曲。弱冠12歳(残る1曲がドウェイン・フォード作詞・作曲)。これはもう驚くしかない。冒頭のキャッチーな<HELP!HELP!>は、完璧です。まさに王道ともいうべき音楽の展開で、徐々にヒートアップしてバーンとサビに。Bメロ後のサビに入るところのフィルインがたまらなく格好良い。12歳にして夏への別れを歌う<Goodbye Summer>、若さが気持ちいい<Sherry>、大統領の娘に捧げた<Amy>、ストリングスが美しい<Goodbye Momma And Poppa>、他も全て良くて、隙が見当たらない。ボーカルだけじゃなくて、1つ1つの音に耳を済ませてみると、この年代にしてはそれぞれが驚くべき完成度でまとまっている。

 唯一残念なのはマスターテープの保管状態が良くなかったのか、音が良くないところ。でもそれを十分に補って余るぐらいの良さがあり、むしろよくぞCD化されたと喜ぶべきだろう。

HELP!HELP!(youtube)
Sherry(youtube)


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1981年12月23日生まれ
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