高校物理のこと


 ふと突然、会社のPCに向かって仕事をしていると、高校2年のときに放課後クラスに残り、皆で物理の授業内容について教え合ったことを思い出した。本当に何の脈絡もなく、クラスの10人ぐらいが放課後教室に残り、黒板を使って、よくわからない物理についてあーでもないこーでもないと言い合ったことを。

 高2の物理の先生は、名前が全然出てこないほど印象が薄く、これは多くの名物教師が在籍している僕の通っていた高校からすれば珍しいこと。たしか大学院博士後期課程に通っていた学生が先生で、決して使い勝手が良いとは言えない教科書を淡々と進めるだけだった(物理の教科書はどういうわけか高校オリジナルだった)。理系を志す自分たちにとっては、おそらく直感的にだけど、高校物理がわからないとヤバい!と思ったのだろう。内容は覚えてないけどおそらく電磁気学っぽいこと。全体をまずまず理解しているやつ、なんとなくわかった気になってるやつ、さっぱりついていけないやつ。何がきっかけだったか忘れたが、放課後クラスに残って日が暮れるまで自分たちで補講をした。その後自分の進んだ道を考えると、ここで挫折せずに頑張って本当によかったと思う。たまたま当たった物理教師が理由で、自分の将来の選択肢が狭まってしまったらそれは悲劇としかいいようがない。

 高1の物理も、僕の記憶が確かならば大学院の学生が教師で、板書しながら「まっいいか」と途中で説明を諦めてしまう、僕らにしてみればダメダメな先生だった。僕らは先生のことを親しみを込め皆"さん付け"で読んでいたが、唯一呼び捨てにしてしまいたいぐらいダメだった。立派な物理教員が揃っている中、こうして2年連続大学院生の面白みのない授業を受けるハメになった僕らは、まあこういっては何だが、ハズレだった。そして、そのダメな彼は僕らが通う高校の正教員となり、高3の物理もめでたくこの人が担当となった。まさに最後まで運がない・・・ように思われた。

 正教員となったことが変化をもたらしたのか、あるいは結婚したことが(したはず)良かったのか。「こんなこと説明しなくても分かれよ」というような授業スタイルだった彼は、いつの間にか、理解のある皆のお兄さん的な存在となり、授業そのものも高1の時とは雲泥の差だった(と思う)。もちろん僕らは彼のことを"さん付け"で呼んだ。本当に親しみを込めて。高3の3学期ぐらいからは、大学で習う物理(微分が出てくる力学)を先取りしてやってくれたおかげで、大学1年の物理は楽勝だった。これは本当に感謝したい。大学の物理の先生は当たりだったけどね。ニュートン力学からハミルトン力学、そして相対性理論まで面白く学べました。惜しむらくは選択だった量子力学をとらなかったことぐらい。

 物理の成績は、高校時代は平均程度で特別良くもなかったけれど、嫌いではなかったし、前述の通りやらなければいけないとも思ってた。そのときの直感とも運命的とも言うべき意思は、紛れも無く今の自分を作った。そう考えると、今なんとなくやっているこの仕事も、10年後, 20年後、何らかの意味を持ってくるのかもしれない。とか考えたのが、おそらく高2の時に物理がわからなくてクラスに残り皆で教え合った理由だろう。


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