REBIRTH1 ?re-make best?/角松敏生


rebirth1.jpgREBIRTH1 ?re-make best?/角松敏生

 タイトル通り過去の楽曲をリメイクしたベストアルバム。収録曲はデビューから数年の80年代の曲に集中しており、細かい演奏だとかアレンジだとか角松自身納得のいかなかったところを、今の彼なりの技量で録り直したい(残したい)というところなのだろう。そのうちのいくつかは、ライブでも披露されており、ライブアレンジバージョンといってもいいかもしれない。ジャケットは、ボズ・スキャッグスを彷彿させる赤いハイヒールと、白のスーパーカーはランボルギーニ・ガヤルドか。背景はおそらく横浜のランドマークタワーで、そういったチョイスをするところも、なんとなく80年代の角松に戻ったと言えなくもない。さすがに時代錯誤感が否めないが、これも狙っているのだろう。

1. Do you wanna dance?
 僕にとって<Do you wanna dance>は、ビーチボーイズではなくて、角松のこの聴いているだけでワクワクさせてくれる曲。この曲をかけながら首都高湾岸線をぶっ飛ばしたら絶対気持ちいい。『T's 12 INCHES』という12インチシングルを集め、ディスコチューン(エディット)にしたCDでしか知らなかったので、20周年リベンジライブで聴いたときは心底感動した。少々くどいぐらいにピコピコいってた曲が、ポンタさんのドラムとホーンセクションで本当に見違えた。間奏の最後で故浅野祥之とやったギターハーモニーを入れているところが泣かせる(ライブのサンプリングを使ってたりしてね)。トランペットの数原晋は1983年のオリジナル版にも参加してるし、2003年の20周年ライブも出てるし、このアルバムの収録にも参加しているということで、30年近くこの曲を吹いてるところが面白い。「今はもうステップも忘れてしまった 時よあの頃に戻れ」。
Do you wanna dance?(20周年リベンジライブ)?YouTube

2. Tokyo Tower
 こちらは最近のライブでお馴染みのスローファンクテイク。ドラムス玉田豊夢、ベース山内薫。ファンクラブ用に販売されたCDにドラムとエレキギターを入れた感じかな。オリジナルからサンプリングしたという、ラップが効果的に入っていて、これぞTokyo Tower。ただしこの曲はオリジナルのインパクトが大きすぎるから、やっぱりもっとアップテンポでスカっといって欲しいなという気持ちもある。間奏の鈴木英俊のギターソロは、NO TURNSツアーで今剛が弾いたのとほぼ同じ。ドラムス、玉田豊夢。
Tokyo Tower(NO TURNSツアー)?YouTube

3. Girl In The Box
 角松は1993年、音楽活動を凍結した後にも『1981?1987』というリテイクベストアルバムを出しているのだけど、その時この曲は確かオリジナルテイクのままだった。ということで、ずっと歌われてきたけど今回初めてのリテイク。この曲は1にも2にもシンセで、今回は森俊之のソロ。途中、ライブでお馴染みのジャンプ用ギターソロが入るのはファンサービスかな。これまたドラムス、玉田豊夢。
Girl In The Box(NO TURNSツアー)?YouTube

4. RUSH HOUR
 これも最近のライブではお馴染みのナンバー。分厚いサウンドがすごく格好良いし気持ちいい。ライブではシンセだったところがちゃんとホーン4本の豪華構成、シンセのソロは森俊之。今回彼はキーボードプレーヤーとして全ての曲に参加しており、いい味を出してます。バックバンドメンバーの入れ替えが続いているけど、唯一2005年の『The Past&Then』から残っている名奏者(角松曰く浪速のジョー・サンプル)。
RUSH HOUR(NO TURNSツアー)?YouTube

5. A Widow on the Shore
 原曲は<Beach’s Widow>。英文法的にダメだこりゃってことで、曲のタイトルと歌詞の一部が変わってしまった。間違ってようが音の響きでそれでいいと思うし、前にも書いた気がするけど、浜辺が所有している未亡人って、文学的でいいじゃないですか。どうしても原曲が抜けなくてあれっと違和感が漂ってしまう。それだけ愛されてきた曲だということを、角松さんは考えた方が良いと思うのです。恥ずかしいのかもしれないけどさ。曲自体はすごくメロウに仕上がっていて、流れるような打ち込みのリズムに、角松の綺麗なコーラスと本田雅人のサックスが映える。夕暮れの海辺のイメージそのもの。
A Widow on the Shore?YouTube

6. SUMMER EMOTIONS
 <A Widow on the Shore>のイメージそのままで、引き続き海(伊豆白浜の海を歌った曲とのこと)。これはライブでも聴いたことがなく、おそらく本アルバム唯一と言ってもいい初出。ホーンセクションが追加になったところをのぞけば、オリジナルテイクと比べてそんなに変わらない。ただ、オリジナルに比べて高音を歌わないのは何かしらの意図があるのか、それともただ苦しくなってきたのか。20そこそこで歌うのと、50を越えて歌うのとでは色々と思うところに違いがあるのだろう。もちろんそれを聴く僕も、高校生だったときと30を迎えた今では違うのと同じように。
SUMMER EMOTIONS(オリジナル)?YouTube

7. WAVE
 1stアルバム収録の名バラード。当時はまだ色々な面で「幼さ」が見えており、たしか
2003年のSummer 4 Rhythmツアーで演奏されたのだけど、それ以来、どこかでリテイクされないかな(あるいはライブ映像として記録sれないかな)と待ち望んでいた。森俊之のピアノのバックと、波の音でしっとりと。これまでだったら絶対ピアノは小林伸吾だったのに、それだけ森さんの存在が大きいのだろう。これからも一緒に音楽を作っていって欲しいなと思います。

8. NO END SUMMER
 ずっとずっと愛されてきた、ライブではアンコール定番の曲。ホールで何十回と聴いたし歌ってきた。自身も言及しているが『1981?1987』のリメイク版ではアレンジがくどすぎたため、ようやくきっちりとした4リズムを基本としたバージョンが記録されたのはファンとして本当に嬉しい。個人的に思い入れが一番あるのは20周年ライブの時の、ポンタさんと沼澤さんのツインドラムバージョン。あれは二十歳の時だったかな。あの時の光景はくっきりと目に焼き付いている。気になるのは、歌詞がやっぱり変わっているところ。「冬が街を包みだしたね」というところを「包みだしたら」と歌っている。ライブだとたまに前者で歌っているんだけど、角松自身は後者でいきたいのかなあ。NO ENDの発音を変えてきたのもきになるが、どうしても気になってしまう。それでもやっぱりずっと愛していきたい曲。
NO END SUMMER(20周年記念ライブ)?YouTube

9. After 5 Crash
 こちらも少しテンポを落とした1や2に近いアレンジのチューン。これはちょっとやりすぎかなと思います。オリジナルのメロディが崩れかかっている。ホーンセクションをいれてきたのはいいが、リズムは打ち込みというのがわからない。ミュージシャンシップ(という言葉があるのかどうかわからないが、要は技量)の見せ場、みたいな曲のイメージだったのだけどな。それこそ玉田豊夢ならきっちり叩き切ってくれるはず。ベースは故青木智仁のイメージが強すぎてね、なんか寂しいです。これはこれでありだと思うが、それ以上のものをライブでもらったということだろう。
After 5 Crash(20周年リベンジ)?YouTube

10. あるがままに
 唯一90年代の曲。打って変わってアコースティックアレンジバージョン。これは『あがままに』に収録されてるオリジナルバージョンの方がストリングスによる透明感・壮大感があって好きです。「夢, 時, 人, 星, 愛の真実, いつまでも 君にも届けて Love you forever」という歌詞もないし。最後、ラララというコーラスは、昨年末のコンサートで収録しました。自分の声も1/4000として入っているはず。すごく思い入れのある曲で、涙なしには聞けない。「たとえ別れのときにも 出会いの時と同じだけの愛を忘れないように」。本当にね。
あるがままに(Player's Prayerツアー)

 以上、全曲紹介です。こうして過去の楽曲を今の技術で蘇らせてくれるっていうのはすごく嬉しいし、タイトルに1がついていることから、否が応でも2,3を期待してしまう。こんな世の中だし、残せるうちに1曲でも多く、というのが切なる願いです。あなたの音楽に僕は一体どれだけのものをもらったことか。


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take(take@blue-jam.com)
1981年12月23日生まれ
横浜市の端に在住
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