Masato Honda B.B.Station/David Sanborn


kwmrx2012.jpgMotreux Jazz Festival Japan in KAWASAKI
2012.11.23 昭和音大テアトロ・ジーリオ・ショウワ

Masato Honda B.B.Station Guest守屋純子
本田雅人(sax)
守屋純子(p)
竹中俊二(g)
櫻井哲夫(b)
田中英二(ds)

鍬田修一(sax), 吉田治(sax), 鈴木圭(sax)
近藤和彦(sax), 小林正弘(tp),高荒海(tp)
岡崎好朗(tp), Luis Valle(tp), 中野英二郎(tb)
片岡雄三(tb), 半田信英(tb), 山城純子(tb)

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David Sanborn(sax)
Gene Lake(ds)
Nicky Moroch(g)
Ricky Peterson(key)
Richard Patterson(b)

 モントルー・ジャズ・フェスティバルというのはスイスで行われているその名の通りジャズ祭りで、日本の川崎でやるのになぜか名前がそのまま、これはいかがなものだろうと思う。言うなれば、フジロック・フェスティバル in Switzerland, Geneveと同じ。変ですよね。変だと思う。普通にカワサキ・ジャズ・フェスティバルでいいじゃないかと思うけど、色々な事情があるのだろう。そんな事情はさておき、こういうフェスだからこそ実現した、本田雅人のビッグバンドとデビッド・サンボーンが同じステージのくくりという感涙の企画。過去どちらもブルーノートで観たことがあるけれど、それぞれ1ステージ7000円ずつしますよ。なのにS席で6000円という非常にお得な祭典。今までたいして気にもかけてなかったけれど、日本のジャズ・フェスティバルも捨てたもんじゃないということで、これからはチェックしていこうと思います。

 小田急線新百合ヶ丘駅を降りてすぐに見えてくる昭和音大、キャパシティ1000人強程度だろうか。用途が全然違うけど、渋谷AXホールと同じぐらいの規模かな。ホールとしては小さめだけれど、一大学が保有しているのだから凄いものです。これまでブルーノートという客席とステージの距離が非常に短い環境で観てきたので、ホールで同じ体験ができるのだろうかと疑問に感じたけれど、幸いにも席が前から5列目だったので問題なしでした。後ろの方や2階席だとちょっとつまらないかも。音楽との距離というのは、非常に大事です。昔、東京JAZZに行きたいなと思っていて、ホールが国際フォーラムA(キャパ5000人)だと知ってそれはちょっと・・・と断念した覚えがあります。

 さて、まずは本田雅人B.B.Station。音楽では食べて行けない音大生のために設立したんじゃないかと勘ぐるところあるけれど、天賦の才を持つ本田雅人に不可能はない。今回はピアニストの守屋純子さんを迎えてのB.B.ステーション。前にも書いたけれど、本田雅人の良いところは自分はフュージョンの人間だとわかりきっていて、あくまでもフュージョンサックスプレーヤーとして振る舞うところ。決してジャズがどうとか言い出さない、それが逆に音楽の幅を広げているし、聴いている方も構えずにすっと入っていける。

 ステージ中央にはマイクが設置されており、ソロパートを吹く人がその都度前に出てきて吹くというパフォーマンス。ステージより高いところから観る人は問題なかっただろうけど、見上げるような形だった僕らは微妙に邪魔だったけれどね…。大体1人1回以上は前に出て見せ場を作ってあげてた。曲は守屋さん描き下ろしの曲、B.B.Stationの曲、バードランド、そして世界一格好良いルパンのテーマ。自分たちはサンボーンの前座だと卑下していたけれど、決してそんなことはなく、本場のMontreux Jazz Festivalにも胸を張って出場できる演奏でした。

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 続いてデビッド・サンボーン。余談だけれど、本田雅人のステージ後30分ぐらい休憩時間があって、その間ビッグバンド仕様になっていたステージをばらしてサンボーン仕様にしていくのが観られたのは面白かったです。時間もないからか、各個人の立ち位置に台を運び、その上でごちゃごちゃとやってました。

 ずいぶん久しぶりのデビッド・サンボーン、およそ7年ぶり。多分好みは分かれるのだろうけど、フュージョン界においては名実共に世界一のプレーヤーとして君臨し続けてきた。アルト・サックス1本で勝負してきた彼の音色には特徴があって、一瞬でサンボーンだなとわかる。陳腐な表現になってしまうのだけど、シンセ・サックスのような独特の音色。むせび泣くようなブロウをする人はこの人以外いないのですぐにわかる。

 サンボーンのステージもこれまた良かったです。バックも安定していて、きっちり見せ場を作って、良い意味で王道中の王道というフュージョンステージだった。もう随分年をとったはずだと思っていたら、1945年生まれらしいので、なんと67歳!本当かよ。貫禄たっぷりというよりは、逆に全くそんな年齢を感じさせない演奏だった。あのエネルギッシュなプレイ、疲れを微塵も感じさせないステージ。若すぎるだろう。毎年変わらずにBlue Noteにやってきて吹くし、CDもそれなりにリリースしているから、てっきり50ぐらいかと思ってた。この人は90年代から頂点に居続けてきているから、なんだか大御所という言葉は似合わない。

 そしてあるだろうなと思っていて、やっぱりあった本田雅人のゲスト出演。1曲の途中からで、わずかなパートだったけれど、世界一と日本一が同じステージに並び、そして掛け合いをした歴史的瞬間だった。本田雅人は心なしかやや緊張気味、もっとはっちゃければ良いのにと思うほど生真面目に吹いてました。負けてはなかったかな、それがとても嬉しい。

 誰かの弔いだったのか、綺麗なサックスがステージ中央にポツンと置かれていた。最初持ち変えるのかと思っていたけど、やっぱりこの人は最初から最後までややくすんだ色のアルト・サックス1本だった。音楽はたまらなく格好良かったし、多分最後の<The Dream>はファンサービス。彼の代名詞的存在のこの曲も、25年の月日を経て今なお人々の心を掴む。無限の美を有限の音で表現しきる、唯一無二の存在、デビッド・サンボーン。


 両ステージともに1時間半弱ずつ、非常に充実した音楽の時間でした。2012年のこのジャズ・フェスティバルでは、佐山雅弘さんやリー・リトナーもライブをしており(予定があって行けなかった)、今年もチェックしていきたいと思います。

 ちなみに本家Montreux Jazz Festivalは映像作品をBlu-ray, DVDで出していて、その中でも1997年の"LEGENDS"という作品がとんでもない。デビッド・サンボーン、マーカス・ミラー、ジョー・サンプル、エリック・クラプトン、スティーブ・ガッドという、「!」マークがいくらあっても足りない最高に贅沢な布陣。音も映像も非常にクリア、世界のスーパープレーヤー達を十二分に堪能できます。マーカス・ミラーがバス・クラリネットを吹いているレアな映像も。これでアマゾンさんで2000円しません。オススメです。Legends: Live at Montreux 1997

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