CD Reviewの最近のブログ記事


junk_drive.jpg風街ドライブ/ジャンクフジヤマ

 去年、バックバンドの豪華さにつられて初めて行ったShibuya-AXのライブで衝撃を受けて以来、すっかりファンになってしまったジャンクフジヤマのメジャーデビューセカンドアルバムにしてベストアルバム。

 セカンドアルバムでいきなりベスト的な要素を詰め込むってどうよという気もするが、インディーズ時代に4枚(1枚はライブ盤だが)出しており、昨年満を持してのメジャーデビューのアルバム発売ということでそれなりに曲はたまっている。最近は精力的に新曲も発表している。どういった経緯でコンセプトアルバムになったのかはわからないけれど、オリジナルアルバムとしてまとめるより新規ファン開拓のためにもベストにしたのかもしれない。

 アルバムタイトルの通り、軽快なアップテンポ中心のナンバーでまとまっており、まさに夏のドライブに持っていくのにぴったり。これを聴きながら高速を疾走したら絶対気持ちいい。新曲もすごく良くて、随所にセンスの塊が感じられ、こういう音楽をこの時代に新曲として聴けるのは本当に嬉しい。"シティポップ"なんていうちんけな言葉が世に蔓延っているけれど、夏・海・都会を連想させる音楽として語られたとしてもおかしくない。海と都会って背反関係にある気がするけれど。でもこの人の場合、海ではなくて空です。それもすっごく気持ちのいい空。下手したら成層圏まで行ってしまうかもしれない。

 それにしても「風街」というのは否が応でもはっぴいえんどを思い出させられます。あの頃の音楽が40年以上という月日を越え、幾度の波風が通り過ぎ、その間にすべてが幻だったかのように変わってしまったけれど、それでも1つの形としてこの音楽が残りました。大瀧詠一さん、佐藤博さん、青山純さん、rest in peace。願わくば次は全曲新曲のオリジナルサードアルバムを期待したい。


sunken_condos.jpgSunken Condos/Donald Fagen

 ドナルド・フェイゲンの6年ぶりソロアルバム。Steely Danとして『Gaucho』で頂点を極めて以来活動が大人しくなったイメージがあるけれど、Steely Danでその後2作出してるし、ソロもこれで4枚目。30年で6枚と、多いのか少ないのかさっぱり分からないのだけど、Steely Danの絶頂期に生まれてなかった自分としてはこうしてリアルタイムで、フェイゲンの音楽に触れられることを喜びたい。

 そして願望ではなく、こう確信したい。これは『The Nightfly』以降、ここ30年の彼の最高傑作ではないか、と。


rebirth1.jpgREBIRTH1 ?re-make best?/角松敏生

 タイトル通り過去の楽曲をリメイクしたベストアルバム。収録曲はデビューから数年の80年代の曲に集中しており、細かい演奏だとかアレンジだとか角松自身納得のいかなかったところを、今の彼なりの技量で録り直したい(残したい)というところなのだろう。そのうちのいくつかは、ライブでも披露されており、ライブアレンジバージョンといってもいいかもしれない。ジャケットは、ボズ・スキャッグスを彷彿させる赤いハイヒールと、白のスーパーカーはランボルギーニ・ガヤルドか。背景はおそらく横浜のランドマークタワーで、そういったチョイスをするところも、なんとなく80年代の角松に戻ったと言えなくもない。さすがに時代錯誤感が否めないが、これも狙っているのだろう。


middleman.jpgMiddle man/Boz Scaggs

 Boz Scaggs1980年発表の作品、『Silk Degrees』、『Down Two Then Left』に続くいわゆるAOR3部作のラスト1枚。Silk Degrees1枚でいいんだよ、と言ってはいけない(自分)。サウンド・テクニック・構成、どれをとっても完成度は遥かにSilk Degreesを凌ぐ。

 バックバンドは当然TOTOのメンバーが中心で、今作ではそれにDavid FosterとRay Parker Jr.が加わるという、もはやこれ以上は望めない超強力布陣。デビッド・ハンゲイトとジェフ・ポーカロのリズム隊は、ボズのボーカルを邪魔することなく、しかし全体の音をぐっと引き締める。スティーブ・ルカサーも、TOTOより自由に弾いているという印象。ちなみにレイ・パーカーJrやリック・マロッタ、さらにはカルロス・サンタナまで参加しており、70年代後半から80年代初頭の音楽とはこういうものだということを如実に表している。もう二度とこういう時代はこない。

 誰が何と言おうと1発目の<JOJO>は圧倒的。AORというより80年代のポップスに残る名曲だろう。条件を挙げていくとキリがないので省くけど、もうすべての条件を満たしている。若干ロックテイストの強くなった曲が後半(LP時代はB面だったのだろう)少し混ざるところがやや気になるが、<Breakdown Dead Ahead>といい<Simone>といい前半A面は完璧です。特徴のある歌声は好き嫌いが別れると思うが、このTOTOサウンドとの融合は1つの奇跡と言っていいと思う。

 ちなみにこのアルバムを買ったきっかけは、タワレコで888円フェアをやっていたから。Amazonさんだとさらにそこから2枚で10%引きという破格です。


thekeanebroth.jpgThe KEAN Brothers

 毎年、何だかんだでとびっきりの1枚に出会える。2011年は本作です。

 76年に制作された本アルバムは、デビッド・フォスターがプロデュースを行い、名うてのミュージシャンでバックを固めた正統派AORとも言うべき音作り。しかも歌い手は64, 65年生まれ(つまり12歳と11歳!)の兄弟と、これだけ見れば企画色があまりにも強すぎるものの、そんな不安とは裏腹に、とびっきりの音がつまっていた。遺影みたいな暗いジャケットだけど、音楽は正反対。

 当然ながらボーカルは幼い。音も年代を表しているというか、全体的に若い。でも60?70年代のロックンロールからの流れみたいなものをとてもうまく汲んでいる一方で、時代を越えた洗練さをきちんと兼ね備えている。同年代の『Jay P.Morgan』といい、この後にリリースされる『AIRPLAY』といい、80年前後のデビッド・フォスターは神がかっている。今ではバート・バカラック的な、ポップスの王様みたいな位置づけになってしまっているけれど(それはそれで悪くないのだろうね)。

 ミュージシャンも凄いです。ドラムにエド・グリーン、ハービー・メーソン、若かりしジェフ・ポーカロ(TOTOの前)、キーボードはもちろんデビッド・フォスター、ベースはデビッド・ハンゲイト、マイク・ポーカロら、ギターにジェイ・グレイドン、ラリー・カールトン、バックコーラスはビル・チャップリンが既にいるし、ホーンにタワー・オブ・パワー!各曲のクレジットが載っていないため想像で聴くしかないけど、名前を見るだけで興奮が抑えられないメンバー。

 このアルバムの良いところは、なんといってもメロディ。しかも全10曲中、1曲を除く9曲が兄トム・キーンの作詞・作曲。弱冠12歳(残る1曲がドウェイン・フォード作詞・作曲)。これはもう驚くしかない。冒頭のキャッチーな<HELP!HELP!>は、完璧です。まさに王道ともいうべき音楽の展開で、徐々にヒートアップしてバーンとサビに。Bメロ後のサビに入るところのフィルインがたまらなく格好良い。12歳にして夏への別れを歌う<Goodbye Summer>、若さが気持ちいい<Sherry>、大統領の娘に捧げた<Amy>、ストリングスが美しい<Goodbye Momma And Poppa>、他も全て良くて、隙が見当たらない。ボーカルだけじゃなくて、1つ1つの音に耳を済ませてみると、この年代にしてはそれぞれが驚くべき完成度でまとまっている。

 唯一残念なのはマスターテープの保管状態が良くなかったのか、音が良くないところ。でもそれを十分に補って余るぐらいの良さがあり、むしろよくぞCD化されたと喜ぶべきだろう。

HELP!HELP!(youtube)
Sherry(youtube)


rayofhope.jpgRay Of Hope/山下達郎

 山下達郎が新譜を出すと朝のニュースになる。およそ6年振りの新作ということもあるのだろうが、そもそもアルバムを出してニュース番組に取り上げられる歌手なんて、あとは小田和正ぐらいじゃないだろうか。それだけプロモーションに力を入れてるのか、それとも達郎さんはメディアと良好な関係を持っているのかわからないけど(功労を讃えているのかもしれない)、前回のSONORITEといい、この人がアルバム出すとニュースになるなあと思った次第です。

 初回限定版は嬉しいJOY1.5付き。JOYというのはライブアルバムで、過去のベストテイクを集めたということもあり、ポップスでここまでの完成度を誇るライブアルバムを僕は他に知らない。これまで過去シングルのカップリングにちょくちょくライブ音源を付けていて、このJOY1.5ではそれらを(おそらく)リマスタリングして収録。

 まずは本編から。全14曲中9曲がタイアップ曲、うち2曲はPreludeとPostludeという位置づけなので、実質3/4がどこかで耳にしたことのある曲。最初からフルに作られた楽曲もあれば、CM用にサビを中心とした一部が作られ、それにメロディを加えていった曲もあるはず(違ってたらすみません)。なので、なんとなく小田和正の『どーも』と同じく、寄せ集め的な印象は拭えない。

 本作はもともと1年ぐらい前に『Woo Hoo』として発売予定だったのだけど、収録が遅れていくうちに自身のライブが始まってしまったり、奥さんの竹内まりやの収録が入ったりして延期された。そこにきて東日本大震災があり、タイトルを変え、楽曲も少し手直しをしたところがあるとのこと。歌で世界を救えないというスタンスを持つ(と勝手に解釈している)角松敏生とは対照的に、タイトルのとおり、達郎さんは本作が少しでも希望の光となってくれればという願いを込めているのだろう。

 第一印象は全然良くなかった。何せ、近年は2年連続でツアーを実施するほどバンド活動に精力的で(そして今年も!)、てっきりかっちりと固まった新山下達郎バンドでの収録なのだろうと思ってた。が、フルバンドの楽曲は一曲もなし(佐橋さんがいないよ)。ドラムの小笠原拓海やストリングスなど、コンピュータでは表現しきれないところを要所要所で起用するのは流石だと思うが、それにしても打ち込みが多すぎる。僕は、プロのミュージシャンというのは、CDと同じクオリティをライブでも見せられるものだという角松の音楽で育ってきたし、達郎さんだって90年代の『COZY』まではそのスタンスだったはず。ライブでの圧倒的なパフォーマンスを知ってしまったら、このアルバムでは到底満足できない。やっぱり、音楽は生、人間が演ってなんぼだと思うんですよ。

 もちろん曲のクオリティは高く、中でも<希望という名の光>や<街物語>、<MY MORNING PRAYER>は一つ抜けてる。それでも、得体のしれない残念感が漂う。ライブはライブ、CDは曲作りの場と割り切ったのかもしれない。あるいは単純にコスト的な問題なのか。ポップスに精巧さと完璧さを追求するドナルド・フェイゲン(スティーリー・ダン)だって打ち込みはないからなあ。そこいくと、金銭面では圧倒的に不利な状態にある角松が、それでも人の奏でる音楽にこだわり続けてるっていうのは本当に凄いことだと思う。

 あとは細かいことだけど、たぶんこのジャケットは幻に終わった「Woo Hoo」からそう変わってないのではないだろうか。「希望の光」と荘厳なタイトルからはかけ離れている。『僕の中の少年』とかね、ああいったイメージだった。CDというパッケージを買うのだから、ジャケットや歌詞カード、そういうところまで考えて欲しい。また、収録時間に余裕があるので、シングルのカップリングだった<ANGEL OF THE LIGHT>や<ミューズ>が収録されてもよかったのではと思う。詞のイメージからもアルバムからそう離れてはないはずだし(『RARITIES2』行きかなあ)。

 打って変わって、JOY1.5はやや物足りなさがかなりあるが、やっぱり凄い。<二人の夏>や<砂の女>、<こぬか雨>と自身の楽曲ではないのを7曲中3曲もいれるところが達郎さんっぽいし、BIG WAVEからの2曲も嬉しい。当時ライブの始まりに歌われた<アトムの子>が最後の曲というのは、JOY2.0を否が応でも期待してしまう。こんな世界がね、ライブで3時間以上も繰り広げられているんですよ。本当に。7曲という曲数がちょっと中途半端だけど、間違いなく本編よりこっちの方が聴く頻度は高いと思う。

 次はJOY2.0を期待したい。そしてまた、80年代のような傑作アルバムをもう一度。


legacyofyou.jpgLegacy of You/角松敏生

 夏のマストアイテム。僕の夏はいつからかこのアルバムと共にあり、夏の日差しを感じ始めると自然と“Sunrise, Daylight...”とアルバムのイントロが頭の中に流れる。90年発売の本作品は全編インストで、世界広しと言えども、シンガーソングライターでインストアルバムを製作し(しかも2作品も!)、さらにインストツアーまでやっちゃうのは角松ぐらいじゃないだろうか。なぜギターの音色が夏を想像させるのかわからないけれど、この音楽を聴いたら夏を連想しない人はいないっていぐらい夏全開の1枚。

 インスト作品としては87年にも『SEA IS A LADY』を発表していて、こっちもこっちでメロディの良い佳曲が満載なのだけど、どうも気合の入りすぎている感がところどころにあって、聴く方もそれなりに体力を要する(色々と凄いので興奮してしまうので)。対して本アルバムは、どことなくゆったりと構えた雰囲気があり、連続リピートでもなんでもござれ。とにかく気持ちいい。目を閉じれば海の前まで誘ってくれ、そしてミュージシャン達の本気のプレイが手に取るように感じられる。

 フュージョンというジャンルとして考えたときこのアルバムが一般的にどう扱われるのかはわからないが、角松敏生というエクスキューズ抜きにしても、このアルバムの完成度は異様に高い。インスト作品と言えど角松は決してギタリストなんかではなく、どこまでいってもシンガーソングライターだと僕は思っていて、そのことがいい味を出しているのだと考えている。あらゆる意味で正当なフュージョン系ではなく、ポップスに準じたフュージョンであって、だからこそシンセサウンドもさらりと扱うし、特徴のコーラスワークを綺麗に入れ、さらには三味線を取り入れるなど今でこそ珍しくもないが当時にしては相当斬新なこともこなしてしまう。

 そしてこのアルバムでは本当にいいミュージシャンに恵まれている。村上“ポンタ”秀一や斎藤ノブ、鈴木茂、数原晋といった当時既に大御所だったミュージシャンと、若手と言うべき角松バンド(青木智仁、浅野祥之、小林信吾、友成好宏)そして多分そんなに世に出てなかったはずの本田雅人(T-SQUARE加入前)や梶原順が、フュージョンという言葉通り面白いぐらいうまく融合している。驚くべきは彼らが今も皆第一線で活躍しているということ。ちなみにこの共演がきっかけでNOBU CAINEが結成されてたりもする。本田雅人なんて音が全然変わってなくて思わずにんまりとしてしまう。

 ベースの青木智仁が他界したとき、角松はもうインストアルバムを作ることはないと言ったらしい。少し寂しい気もするが、でもこういうアルバムは、それ相応の若さの勢いみたいなのがないと作れないだろうなとも思う。今の角松が作ったら、相当凝ってしまいそうだし(ただしビルボードでインストライブはやるとのこと。行きたい…)。

 夏というのは過ぎ去ってしまった良い時代を懐かしむようなものであるとするならば、このアルバムは夏そのもの。


tokyoenlab.jpgBreath from the Season/Tokyo Ensemble Lab

 とびっきり夏の1枚を。数原晋率いるビッグバンドにシンセサウンドの融合。こんなことする人は角松ぐらいしかいない。ってことで1988年の角松敏生プロデュース作品であり、一歩間違えると非常に危険なこの組み合わせを、夏をテーマに絞り込むことで、見事に成し遂げた傑作。このゴージャスなフルバンドはきっと二度とない、忘れかけられた80年代の煌きそのもの。

 ポンタさん参加のナンバーは忠実なビッグバンドっぽい一面もあるが、本作はあくまでもフュージョンというカテゴリーの中で、ビッグバンドを活用したものと言ってしまっていいだろう。なので決してジャズとしてのそれではないのだけど、これはこれで良いという音楽もある。梶原順、難波弘之、山木秀夫、佐藤博、島健、ジェリー・ヘイ(!)といった豪華メンバーも参加してます。この辺の変わらなさがいい。

 頭から最後まであっという間に駆け抜けてしまうけど、やはり出だしの<Lady Ocean>と最後のボーカル曲<Morning After Lady>が秀逸。夏独特の焦燥感と切なさが見事に曲に表れている。角松自身の『SEA IS A LADY』や『Legacy of You』にも繋がる本作、もうほとんど市場に残っていないので、もし少しでも曲を気に入ったのであれば即買をお勧めします。


tk19982010.jpg1998?2010/角松敏生

 ベストアルバム嫌いを公言する角松の、デビュー30周年記念ベストアルバム。アルバムタイトルのとおり、彼の1998年から2010年までの作品を集めたものであり、それはすなわち、音楽活動を再開した「解凍」後から昨年までを意味する。ただしベストアルバムを出せるほど(しかも2枚組)シングル曲をリリースしていないので、その多くはアルバム収録曲。まぁ、解凍後10枚以上もオリジナルアルバムを出してるからね。

 角松はこれまでも『1981-1988』、『1989-1993』と自身のキャリアを振り返るようなベストをだしてきたけれど、上述の通りアルバム収録曲中心なのでやや異質。しかも彼のオリジナルアルバムは1つの世界として完結しているので、その中から曲を持ってくるというのは、どうも馴染めない。これだったら、時系列にシングル曲だけ並べてもらった方が、聞き手としてはすんなりといく。まあ角松を知らない人に聞かせるには良いかもしれないけど(それでも秩序のなさが目立つけど)、全アルバムを持っている人はいらないかなとも思う。

 とは言え、せっかく30周年ということなので、『1981-1988』のようなリテイクを出してくれないかなと思わず期待してしまう。ちなみにこの『1981-1988』は、シングル<Realize>で一気に惹かれた僕が最初に買ったアルバム、すなわち角松入門アルバムでもあります。いつの日か、この『1998-2010』が誰かが角松を知るきっかけになるのかもしれない。

 そして何より、山下達郎みたいなライブのベストテイクをまとめた『JOY』を出してくれないかと心待ちにしています。ともあれ30周年おめでとう!来月の30周年記念ライブ@横浜アリーナは死んでも行きます。


domo.oda.jpgどーも/小田和正

 待望の小田和正6年ぶりのオリジナルアルバム。『そうかな』(レビュー)の完成度が非常に高かったので、非常に期待していたものの、オリジナルアルバムにしては「寄せ集め」色がかなり強い。これは好みの問題だが、僕はアルバム1枚で1つの作品だと考えるので、やや残念だった。

 憶測の域は出ないけれど、本作はアルバムを制作するために曲が作られたのではなく、タイアップ曲を作ってたらアルバム出せるぐらい曲がたまったので、それらをまとめてリリースしました、というようなもの。いわゆるベストアルバム的な、統一感のなさが非常に気になる。残念ながら、と言わざるを得ないのが残念でならない。

 昔、何かのインタビューで、小田和正はアルバム作っても売れないと嘆いてたことを記憶している。どれだけ魂を込めてアルバムを制作したとしても、注目されるのはミリオンヒットを出せるずば抜けた1曲だったりする。さらにこの人にはオフコースの呪縛がつきまとい、やることなすこと、旧来のファンからは当時と比較され、そしてたいていは懐古主義になびく。そういう背景があることを考えれば、今のようなアルバム作りはそれなりに納得もできるのだけど、なんとなく寂しい。

 曲作りも、『そうかな』に比べてだいぶ落ち着いてしまった印象。メロディよりは詞に重きを置いているのか、これが経験と円熟のなせる業なのかもしれないけれど、地味という印象は拭えない。<今日も どこかで>なんかは、まさに小田さんらしくて良いと思うけどね。

 ただし、音楽に対するこだわりは揺るがない。60を越えても、歌い手としてなおこのクォリティーというのは称賛に値する。ボズ・スキャッグスやビル・チャンプリンなんかもそうだけど、普通年をとったらこんなハイトーンボイス出ない。ミュージシャンにも、相変わらずベースはネーザン・イースト、ギターに佐橋佳幸、バックボーカルに佐藤竹善。さらにスキマスイッチ、MONGOL800、JUJUなど若いアーティストの参加も、次の世代を育てようという心意気が感じられて良い。

 それだけに、本作が本当の意味でのオリジナルアルバムではないことが残念。小田さんは、真のオリジナルアルバムが作れる数少ないアーティストの1人のはずだから。


citylights.jpgCitylights Dandy/角松敏生

 夏が大好きな角松による、夏の夜のためのアルバム。本人が言うように、アダルトだとか、都会だとか、80年代には間違いなく煌いていた世界観がたっぷり。もちろん2010年の今でも、都会の夜の良さと言うのはあるけれど、20年前とは何かが決定的に違う。その何かを僕は知らないので、多分実物以上に良いものとして、いつまでも憧れるのだろう。

 簡単に全曲紹介。角松のアルバムはオープニングから最後までで1つの世界なので、全曲通して聴くのが基本。


brianGarsh1.jpgReimagines Gershwin/Brian Wilson

 今年も残すところあと2ヶ月弱となりましたが、自分のアルバム・オブ・ザ・イヤー2010が決定しました。ビーチボーイズのブライアン・ウィルソンが、ジョージ・ガーシュウィンのトリビュートアルバムを出したとなれば、もはやそれだけで音楽史に残る。

 正直なところ、ガーシュウィンの音楽はそんなに好きではない。その偉大さは誰もが知るところだし、様々な場面で耳にするけれど、なんとなく陰鬱な感じが漂っていて、どちらかというと敬遠するタイプだった。でもメロディーだけは知ってる。そんな感じ。

 ブライアン・ウィルソンがやるんだから自ずとビーチボーイズ的サウンドを期待してしまうのだけど、期待を裏切らない最高のサウンド、そしてメロディー。ポップスと呼ぶにはあまりに美しい、しかしポップス以外のなにものでもない。まさに『Pet Sounds』の現代版。5年以上前に、ブライアン・ウィルソンはもういないと思い込んでいたものの、まだまだこれだけのものを生み出す力を持っていたとは。

 1曲目<Rhapsody in Blue (Intro) >のア・カペラで泣きそうになります。2つの音楽が、そして世界観が、なんでこんなに綺麗に、ピタリと合ってしまうのだろう。そして続く<The Like in I Love You>、これはもはやビーチボーイズのアルバム。<Nothing But Love>なんか文句なしに最高。40分弱とあっさり終わってしまうけど、いつまでも心に残る。それは終わってしまった夏のように。

 今年、間違いなく一番のアルバムです。


jmayer.jpgRoom For Squares/John Mayer

 ジョン・メイヤー2002年のデビュー作。1曲目<No Such Things>の、最初の出だしでやられました。この衝撃は5年前にノラ・ジョーンズを初めて耳にしたとき以来。まだまだ若いなと思わせる一方で、その才能がひしひしと伝わってくる。シンプルなメッセージにシンプルな音楽。適切な例えではないかもしれないが、ジャック・ジョンソンがハワイじゃなくてアメリカ本土に住んでいたら、あるいはブライアン・アダムスがブルースに傾倒していたら、こんな音楽が出てきたのではないかと思う。

 ずっと待っていた音楽に久々に、あるいはようやく、出会えた感覚。どこまでもシンプルで、音楽が持つ本来の良さを存分に引き出したかのような。メロディもフレーズもご機嫌に口ずさめるような。もうね、こういう音楽は大好きです。

 挨拶代わりの<No Such Things>はセンスの塊。<Your Body Is A Wonderland>なんていうこっ恥ずかしい歌も歌ってしまうし、<Love Songs For No One>では一瞬の疾走感がたまらなく気持ちいい。<Back To You>や<Not Myself>は打って変わって貫禄たっぷり。何かの信仰なのか、13曲目はなく、ボーカルとしての力を見せ付ける14曲目の<St. Patrick's Day>でアルバムは終わる。すごいの一言。

 音楽としてはロックベースだけど、本人が演奏するギターはどこまでもブルースっぽい(そしてやたらうまい)。クレジットを見ると、ボーカル・ギター以外にもキーボードやパーカッションもいけるみたいで、こういうマルチタレントを持つアーティストは大歓迎。

 この後彼は、ジョン・メイヤー・トリオを結成したり、スティーブ・ジョーダンのプロデュースで何枚かCDをリリースしており、さらなる飛躍を遂げている。少し音楽性も変わり、それはそれで良いのだけど、この瑞々しさはデビューアルバムならではなのだろう。2000年以降、こういう音楽が出てきたこと自体をすごく嬉しく思う。'00年代を代表する名盤の1枚として挙げたい。


graceland.jpgGraceland/Paul Simon

 冬になるとポール・サイモンが聴きたくなる。低気圧の陰鬱な気候だったり、肌を刺すような寒さの中でスカッと晴れた青空だったり、彼の音楽はなんだかそういう冬の特徴的な日々によく合う。そして冬は寒いだけじゃないんだよと、素敵な春がくるよと、時折温かさを教えてくれる。

 本作品は、ご存知サイモン&ガーファンクルのポール・サイモンのソロ作品8枚目であり、いわゆる「一家に一枚」のアルバム。南アフリカの音楽をふんだんに取り入れ、政治的な事情も重なって当時は物議をかもしたらしいが、とにかく歴史に残るアルバムの1枚であることに変わりはなく、アメリカでは1986年、1987年と2年連続でグラミー賞の評価を得ている(それぞれ最優秀アルバム、最優勝レコード)。

 例えばスティーリー・ダンが、人はどこまで完璧な音楽(ポップス)を作り上げることができるのかを目指したとすれば、ポール・サイモンの本作は、どこまで音楽本来の意味に迫れるかを求めたものだと言える。そもそも人はどうして音を奏でるようになったのか、日々の暮らしに必要なものとなったのか、そしてなぜたまらなく魅了されるのか。

 その1つの答えを、近代ポップスで示したのが間違いなくこのグレースランド。アフリカのグルーヴをルート(根)とし、近代的な言葉で、昔も今も変わらない普遍的なことを高々と歌い上げる。それも直接的ではなく、比喩を用いて、大事に大事に言葉を発するところがまたいい。ポール・サイモンはミュージシャンであると同時に、詩人といっても差し支えないだろう。

 こんなにも究極的で、温かさに満ちた、そして愛すべきアルバムを、僕は他に知らない。


rodsoulbook.jpgSOULBOOK/Rod Stewart

 ロッド・スチュワートのカバー集です。まだ発売されて1ヶ月経ってないけど、一度聴いた瞬間に大のお気に入りとなり、最近のヘビーローテーション。すごくいいアルバムです。

 もはやスタンダードナンバーと言ってもいい、ソウルとカテゴライズされる曲(しかし僕にとっては完全なるポップス以外のなにものでもない)を、あの特徴ある声でカバー。これがピタリとハマっていて、すごくいいアルバムに仕上がってます。何年経とうとも、いい音楽はいいということを認識させてくれる作品。

 プロデューサーにスティーブ・ジョーダンとスティーヴ・タイレル(知らない)という人を迎え、それぞれが曲をプロデュース。スティーブ・ジョーダンはドラマーとしても有名で、前々回のクラプトンワールドツアーに同行している(はず)。なので、彼がプロデュースする曲は、ギターにレイ・パーカーJr.にディーン・パークス、キーボードにグレッグ・フィリンゲンスやデビッド・ペイチ、サックスにトム・スコット、ドラムはもちろん本人という超強力布陣。スティーブ・タイレルも、ギターはマイケル・ランドーやポール・ジャクソンJr.、ベースにネーザン・イースト、ドラムはラス・カンクル等といったこれまた豪華なメンバーを起用。これだけ条件が揃えば、いいアルバムにならないはずがない。

 多分これはロッド・スチュワートがリスペクトする音楽を自分で歌ったもので、これらの音楽をいかに大切に思っているか、自分にとってどういう存在なのか、そして今自分が歌える喜び、みたいなものがひしひしと伝わってくれる。

 それにしてもいいアルバムです。特にジェニファー・ハドソンとの<Let It Be Me>は絶品。<Tracks Of My Tears>、<Rainy Night In Georgia>なんかは、彼のオリジナルでは?と錯覚するほど。<If You Don't Know Me By Now>も言ってることはシンプルなのに、すごく壮大で、わけもわからず感動してしまう。こう振り返ると、スティーブ・タイレルがプロデュースした曲の方が、自分は気に入っているのかも…。でもスティーブ・ジョーダンもいいですよ。<Wonderful World>はちょっとポップにし過ぎじゃないかと思うけど。

 秋の夜長のお供に。


noturns.jpgNO TURNS/角松敏生

 2年8ヶ月ぶりの新アルバム。前作『Prayer』では、技術的な、ある意味職人的なこだわりを見せていたのに対して、本作ではもう少し肩の力が抜けたというか、自由な色合いが強いように感じる。この3年弱の間に色々なことがあって、その中で命を与えられてきた全12曲。ファンクラブ用CDには、先行する形でこの中から5曲アコースティックバージョンが収録されていて、その聴き比べをするのも楽しみだった。

 例によって全曲紹介。ちなみに初回限定版はBlu-spec CDとして音の良さが謳われているものの、我が家の環境ではそこまで言うほどのものでもないと思った。音の分解能が高くなって、深みが増したような気もするけど、そういう解像度の進歩を必ずしも「音がいい」と呼べるかどうかは別問題だろう。これぐらいなら、Steely Danの方(当然ノーマルCD)が上だろう。何がいけないのかは知らないけど、日本のCDは総じて音が悪い。もう少し頑張ってもらいたいものです。


tk_I.jpgI/角松敏生

 ファンクラブ限定CD。そのうち通信販売などで買えるようになるのかもしれないけど、とりあえず今は一般入手不可なので、ここで紹介するのもどうかと思ったのだけど、最新アルバムの情報もだんだん出てきたので、そろそろいいかなと。位置づけとしてはこの新アルバムのプレ版(ドラムレスバージョン)、そしてファンへの感謝の気持ちを表してくれた。実はかなり貴重な1枚。


cafecaryle.jpgThe Cafe Carlyle Sessions/Christopher Cross

 待望のクリストファー・クロス新譜。去年の10月に来日してビルボードで公演を行った際に売られていたらしく、それから待つこと3ヶ月、ようやく手に入りました。なんか見るからにインディーズっぽいので、CD売れてないのかな?大丈夫なのかな?と余計なお世話が浮かんでしまうものの、音楽を聴く限りは全然大丈夫でした。相変わらず素敵な音楽です。

 ジャケットを読むと、2008年4月、NYの"The Carlyle A Rosewood Hotel"内にある"The Cafe Carlyle"で行ったライブの雰囲気をそのままCDにしたものらしい。AORの代名詞とも言うべきクリストファー・クロスだけれど、本作はアコースティックギターにグランドピアノ、ウッドベース、パーカッション(ドラムもある)にサックスとジャズっぽく。でもよくある、ジャズ調にアレンジしてみました、みたいな安っぽいものではなくて、あくまでも原曲はそのまま、楽器を持ち替えたのでそれに合ったプレイをしている印象。これがすごく今の彼にハマっている。

 3年前、ブルーノートに彼のライブを観にいったとき、女性キーボードプレーヤーのGuiGuiと前に出て、アコギセッションで何曲かやってくれて、それがすごく良かったのを記憶しているけど、その雰囲気。クリストファー・クロスの声はそれほど声量のあるものでもないし、音圧がないというか太くない。だから、時にアンプで増幅されたサウンドに負けてしまうような気さえする。それはそれで悪くないというか僕は好きなのだけど、でもこういうアコースティックスタイルだと本当にその良さが際立つ。

 全曲コーラスなしで、いかにも一発録音でとりましたというシンプルな音。すごく温かくて、やさしくて、美しい。毎日聴きたい作品ではないけど、ちょっとした時にとびっきりの1枚です。

 もし今年も来日してくれたら、観にいきたいなと思います。


colorskw2.jpgcolors/Kirk Whalum

 久しぶりに素敵な音楽を紹介したいと思います。音楽で何かを表現できる人を、音楽を通して誰かに何かを伝えられる人を、僕は心の底から尊敬する。

 テナーサックス奏者であるカーク・ウェイラム7作目、1997年のアルバム。僕がこの人を知ったのはもっともっと後で、よもや我らが角松の楽曲でも吹いていることを知ったのはそのさらに後のことだった。

 もうサイト名は忘れてしまったけど、アーティスト名(曲名もかな?)を入れると、それと同じような雰囲気の曲を勝手に選んで流してくれるという、今のappleがやっているgeniusの著作権無視版みたいなサービスがあって、確かトム・スコットを入れたら流れてきたのがこのアルバムに収録されている曲。サックスが歌ってる、この言葉が本当に意味することを初めて教えてくれたのが彼だった。

 正確に言えば、歌っているのかどうかはわからない(そもそも何を持って「歌っている」と定義するのかもわからない)。でも間違いなく、その音の持つ表現を超えた何かを感じる。僕らは色々なことを「言葉」を通じて理解する。そういう意味で、人は自分の感情を「言葉」で理解するから、その感情が伝わってくることを、「歌っている」と表現するのかもしれない。彼よりも前にデビッド・サンボーンやトム・スコット、ウェイン・ショーターなんかに出会っているのだけど、単なるメロディを超えた何かをサックスで僕に伝えてくれたのは、このアルバムだった。

 例えばデイヴ・コズやケニー・Gと比べたらずっと泥臭いのだけど、音楽に対するリスペクトと音楽を楽しんでいる気持ちがひしひしと伝わってくる。今の季節にピッタリの1枚です。


totototo.jpgTOTO/TOTO

 最近再びかなりの頻度で聞くようになったTOTOのファーストアルバム。TOTOと言えば『TOTO IV』があまりに有名だけれど、AORという観点においてはこのデビューアルバム『TOTO』が圧倒的。デヴィッド・ペイチ、ボビー・キンボル、デヴィッド・ハンゲイト、スティーブ・ルカサー、スティーブ・ポーカロ、ジェフ・ポーカロ、このオリジナルメンバーのTOTOはAOR史上最高のロックバンドだろう。

 いきなりインストの<Child's Anthem>から始まり、Airplayっぽい<I'll Supply The Love>と続き、今なおTOTOの最高傑作と名高い<Georgy Porgy>。1978年にこれだけの音楽をやったのは賞賛に値する。雰囲気を壊さないまま<Manuela Run>、<You Are The Flower>、ロックバンドであることの証明<Girl Goodbye>。ジェフ・ポーカロが完璧。一息ついた<Rockmaker>ではメロディの美しさを見せつけてくれる。<Rockmaker>(ルカサーのギターが鳥肌もの)で元に戻り、そして<Hold The Line>。最もTOTOらしさが出ている曲だろう。これを聞いてポーカロすごい!何この音楽!と思える人はどっぷりと浸かってもらえばいいし、そうでない人は無理に聞くことはない。最後の<Angela>は無理矢理締めにきたという感じかな。でも最後まで守備範囲の広さを見せつけてくれる。あっという間に全曲が終わってしまう珠玉の1枚。

 最近のロックは、どうも音が軽すぎて好きじゃない。音(音楽)の表情が全然見えない。好みの違いだろうけど、音が音として成立してないような音楽は音楽ではないと僕は思ってる。1つ1つのベース音、きちんとフレーズを弾くギター、分厚い音のシンセ、手足の動きが見えてくるドラム。そういうのがAORと言われる所以なのかもしれない。

 AOR好きなら絶対に1家に1枚。


heroes.jpgHeroes/David Benoit

 僕の大好きなピアニスト、デビッド・ベノワが敬愛する音楽のカバーアルバム。つい最近、日本ではポップスの名曲をカバーするのが流行ったけれど、オリジナルアルバムが売れないから曲の力を借りて何とかしようという商業主義の塊とは主旨もレベルも桁違いに異なる。確かにジャンルはバラバラだ。ビル・エヴァンスやオスカー・ピーターソンがある一方、ドアーズやマイケル・ジャクソン、それにエルトン・ジョンやビートルズまで。でもそれらは彼が音楽家になった理由。きっかけと、成長と、現在が全てこの1枚につまってる。このアルバムは、デビッド・ベノワそのものなのだろう。

 最初、デビッド・ベノワが<Waltz For Debbie>をやるのはどうだろうと疑問に感じてた。ポップスのアレンジ曲とはわけが違う。でも聴いてみたら、なるほどこの人らしいなと思った。すごく実直。彼はビル・エヴァンスを敬愛していて、プレイスタイルも少し通じるところがあると思うのだけど、多分自分でも同じことをやるのは無理だとわかってるし、自分は自分の道を行くしかないこともわかってる。そのことが本当にストレートに、曲に出ている。こざっぱりした真面目なワルツ。そして、<Your Song>がすごく素敵。

 彼は数少ない、音楽に対して本当に真っ直ぐに向き合うピアニスト。だから聴いていてすごく気持ちいい。リリカルという言葉がよく似合う。聴く人に情景を浮かばせるテクニックと、音楽への愛に溢れている。

 ライナーノーツに面白い言葉が載ってるので、ぜひともこれを紹介したい。

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 チャーリー・ブラウンがシュローダーの部屋に入ると、彼は厚いコートをかぶりながらステレオから流れる音楽を聴いていた。 「シュローダー、なんでコートなんか着てるんだい?」

 シュローダーはこう答える。「ベートーベンを聴いていると震えがとまらないんだよ!」

 これが音楽の力だ。
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 ちなみにデビッド・ベノワはアルバムを出してしまうほどチャーリー・ブラウンのファン。シュローダーは、いつもおもちゃっぽいピアノを弾いている人です。ベートーベンに心酔しているらしい。

 今年の夏も、コットンクラブで聴いてくる予定です。


playlistkbe.jpgplaylist/kenny "babyface" edmonds

 ご存知、超有名プロデューサーのベイビーフェイス。ボビー・ブラウン、ホイットニー・ヒューストン、エリック・クラプトン、Boyz II Men、マライア・キャリー、彼が手がけた作品は数知れず。そんな彼の2007年発表のソロ作品。去年の10月に六本木のBillboard Liveに来たけれど、チケット代がふざけてたので生で聴くことはできませんでした。ベビーフェースって言うだけのことはあって、全然知らなかったんだけど、この人今年で50歳なんですね。

 僕とベイビーフェイスの出会いは、超名盤の『MTV Unplugged NYC 1997』(これは1家に1枚)。高校1年生の僕にとって本当に衝撃的な音楽だった。ここから全てが始まったといってもいいかもしれない。透明感のあるみずみずしい声と、上質なバックグラウンド。別世界だった。

 このアルバムは、オリジナル2曲にカバー8曲という構成。有名どころとしてはクラプトンの<wonderful tonight>にボブ・ディランの<knockin' on heaven's door>。この2曲は、世界一美しく仕上がったと言っても過言ではない。もちろんオリジナルの良さというものはあるけれど、完全に自分の世界の音楽にしてしまっている。ここまでやられてしまうと、オリジナルがかわいそうというぐらい、良い感じに仕上がってる。あとは未発表曲らしいオリジナルの2曲も良いです。戦場の兵士に捧げた<the soldier song>に、想像だけど離婚して離ればなれになった子供に捧げた<not going nowhere>。

 いわゆるブラックのテイストは全くなくて、僕の慣れ親しんできたベイビーフェイスの音楽がつまった1枚。どことなく懐かしくて、でもいつも新鮮で、温かくて。

 音楽が色んな表情を見せてくれる。きっとこの人は音楽への愛に溢れているのだろうと思う。


soulspeak.jpgSoul Speak/Michael McDonald

 "unforgettable voice"の持ち主、マイケル・マクドナルドのニューアルバム。『motown』、『motown2』に続いて、今回もソウルカバーが中心の作品。前2作も素晴らしかったけれど、これまた素晴らしいアルバムです。名プロデューサー、サイモン・クライミーが全編プロデュース。

 とにかく1曲目から7曲目の流れが秀逸。これで1枚のアルバムとしても良いと思う。オリジナルはアレサ・フランクリン&ジョージ・マイケル、<I knew You Were Waiting(For Me)>はいきなりガツン。続いてスティービー・ワンダーの名曲<Living For The City>。これは誰が歌っても変わらない。山下達郎で知ったテディー・ペンダーグラスの<Love T.K.O.>(リンク先はyoutube)。本当に名曲です。ディオンヌ・ワーウィックの<Walk On By>。当然バカラック先生。そして次にオリジナルの<Still Not Over You(Getting Over Me)>。アップテンポで気持ちいい曲です。スティービー・ワンダーも歌った<For Once In My Life>。ハーモニカでスティービー自身も参加。これがとんでもなく素晴らしい。ラストは(ラストじゃないけど)ヴァン・モリソンの<Into The Mystic>。ドラムはヴィニー・カリウタ。残りは割愛させて頂くけど、ボブ・マーリーの<Redemption Song>は聴く価値ありでしょう。絶品。

 ミュージシャンは、ドラムにエイブラハム・ラボリエルJr.、ギターがマイケル・トンプソン、ベースにネーザン・イーストという超強力布陣。これにマイケルの神様ボイスが加わるのだから、自ずと出る答えは決まっているようなものです。

 この人の声に包まれると、やさしい気持ちになれる。目を閉じても色々なことが見えてくる。そういうアルバムは世の中にそんなに数多くはないと思う。


tensummoner.jpgTEN SUMMONER'S TALES/STING

 僕にはポリスを語る資格はないと思うけれど、STINGはギリギリ大丈夫だろうと思う。何しろポリスなんて<Every Breath You Take>しか知らないし(それでも当時は良かったのだろうね)、STINGを知ったのも1999年のニューアルバムから。正直に言うと最初STINGもドラムのヴィニー・カリウタというイメージしかなかったのだけど、もちろんそんなわけはなく、歳を取れば取るほど良いなあと思えるようになってきた。

 85年に出したファーストソロから数えると6枚目の本作、間違いなく彼の歴代ベストアルバムではないだろうか。珠玉の名曲の宝庫。


uware.jpgUNDERWEAR/槙原敬之

 僕が中2の時に買った、素敵な素敵なアルバム。当時はまだCDなんて数えるほどしか持っていなかったし、時期が時期だけに思いでたっぷりなので、多少のバイアスがかかってしまう点についてはご了承下さい。とにかく素敵な素敵なアルバム。

 この頃のマッキーの音楽は、もうほとんど打ち込み中心のスタイルが確立されていて、たまにベースの小倉さんや時の人になったギターの佐橋さんが登場する程度。まあ、この人ほどピコピコ人工音のバックが合う人もいないのだけどね。


ppballad.jpgPlayers Presents TOSHIKI KADOMATSU Ballad Collection/角松敏生

 真っ黄色のジャケット。レコード会社からアルバムを出して欲しいと言われ、でも新アルバムのネタはなく(というかツアー続きでそんな余裕はなかった)、かと言ってベストアルバム的なものが心底嫌いな角松。そこで思いついたのが、ミュージシャン達に自分の楽曲をアレンジ(プロデュース)してもらい、あと自分は声を入れるだけという手法だとか。まあ、そんなことでおとなしくしている角松でないことは容易に想像できますが・・・。

 パッケージの帯(裏ジャケ)には、音楽ライター金澤さんの歯が浮くような紹介が載ってますが、僕は僕で全曲紹介。


jikobest2.jpg自己ベスト2/小田和正

 5年前に発売された『自己ベスト』に続く、ベストアルバム。小田和正はソロになってから22年が経つというのに、実は7枚しかオリジナルアルバムを出してない(しかもそのうち2枚はオフコース時代に作られたものとのこと)。その理由を僕が知るよしもないけれど、どこかの記事で、オリジナルアルバムを作っても売れないと漏らしていると読んだことがある。これが本当かどうか知らないけど、ベストアルバムは本作を含めてこれまでに4枚、オフコースのカバーを2枚出していることを考えると、本当なのかもしれないと思えてくる。

 もし小田和正にオフコースの歴史はなく、そのままソロデビューしてたら、また違ったのだろうなと思う。オフコースをリアルタイムで知らない僕が言うのはおこがましいにもほどがあるけれど、あえて言うと、本人も周りも、オフコースを意識し続けているのがかわいそうに思える。アマゾンさんのレビューを見てみるとそれが顕著で、オフコースは絶対神聖のような扱いで、時に、ボーカル担当の彼をけなしさえする。それならそれで小田さんもオフコース時代の曲はやらなければいいのに未だにカバーするし、コンサートで歌うし、そして客は<YES-YES-YES>を合唱する。

 売れなくたって未だに精力的にアルバムを作り続けている、我らが角松とは、根本的に思想が違うのだろう。できればオリジナルアルバムの方がいいけど、本人が作りたくないっていうのだから仕方ない。彼の音楽を聴きたければベストだろうがカバーだろうがCDを買えばいいし、そうでないなら買わなければいいだけのこと。聞き手はそのことを勘違いしてはいけないと思う。

 何だかんだ言っても、頑なに、ベースにネーザン・イースト、コーラスに佐藤竹善を起用し続ける小田さんが僕は好きです。日本の音楽史に残る奇跡の歌声とやさしい歌。もう還暦を迎えたというのにはびっくりだけど、また『そうかな』みたいな素敵なアルバムを作って欲しい。

 最後になってしまったけれど、このアルバムのジャケットは横浜がイメージ。生まれ育った横浜をいつまでも大切にし続ける小田さん。同じ横浜育ちとして嬉しい限り。


after5clash.jpgAFTER 5 CLASH/角松敏生

 1984年に発売された、角松4枚目のアルバム。たまたま引っ張り出して聴いてみたら、改めて佳曲の宝庫だと感じた。そのことは、度々ツアーで歌われることからも、角松自身も認識しているのではないだろうか。ちなみにタイトルの"CLASH"は、"CRASH"の誤りと聞いたことがあるのだけど、真相はわかりません。タイトル曲はキッチリと<AFTER 5 CRASH>になっております。

 青木智仁が炸裂の<IF YOU...>、佐藤準のシンセが響く<MIDNIGHT GIRL>、全てのスッチーに捧げたブラスアレンジがとんでもなく格好良い<AIRPORT LADY>、江口信夫と青木智仁のリズム隊が聞かせる<MAYBE IT'S LOVE AFFAIR>。バラードなんだけどサラッとしている<WILL YOU WAIT FOR ME>、80年代の角松の象徴的なナンバーでもある<STEP INTO THE LIGHT>から<AFTER 5 CRASH>への流れ。<AFTER 5 CRASH>は解凍後のツアーでラストに持ってきていたと記憶しているけど、まさにAORとも言えるこのナンバーは、本当にあらゆる要素がつまっている傑作。後の『GOLD DIGGER』を予感させる<NEVER TOUCH AGAIN>、そして至極のバラードである<I NEED YOU>。『1981?1987』のセルフカバーバージョンの方がテンポが低くて好きかな。たしかそっちのテイクは、山下達郎の<Monday Blue>を意識して似たようなメンバーを集めたとか。最後に、いつか角松が「ふざけた曲」と言ってた気がする<HEART DANCING(あいらびゅ音頭)>。個人的には結構好きです。いつかコンサートでやってくれたら、絶対盛り上がると思う。

 いやもう、本当、今の時代でも色褪せない名曲のオンパレード。音楽も歌詞も、80年代そのもので、何だか怪しい感じがするのは確かなのだけど、そういう時代は間違いなく存在していたのだろう。そしてこのアルバムはそのことをいつまでも証言し続けていくのだろう。 


waitingforspring.jpgWaiting for Spring/David Benoit

 デビッド・ベノワ1989年の作品。ちょっと季節的に早いかな・・・。邦題には「ビル・エヴァンスに捧ぐ」なんて付けられてしまっているけど、フュージョン方面のピアニストと知られている彼が、正面からジャズと向き合った春を待つアルバム。すごく温かくて、キラキラと輝く、素敵な作品です。

 この作品の中に、ビル・エヴァンスの作品は2曲、<Turn Out The Stars>と<Funkallero>。残念ながら僕はこの2曲のオリジナルを聴いたことがないので、比較してどうかということは言えないけど、確かに、全体を通して、ビル・エヴァンスのプレイスタイルを感じさせられる部分も少なからずある。でもそれぐらいかな。やっぱりデビッド・ベノワはデビッド・ベノワで、ビル・エヴァンスの影響を受けて育ったらしいけれど、第二のビル・エヴァンスを目指しているわけじゃない。彼には彼にしかできない音楽があるし、それをずっとやり続けてきている。

 リアルタイムでビル・エヴァンスを知らない僕らにとって、デビッド・ベノワがいてくれて良かったなと思う。だって自分と同時代のミュージシャンにも、そういう素晴らしいミュージシャンの1人や2人いて欲しいじゃないですか。ビル・エヴァンスの音楽には小さな光が見えた。そしてこの人の音楽にも、光の種類はことなるけれど、温かい光が見える。そういうミュージシャンって数少ないと思う。

 繰り返すけれど、すごく素敵な作品です。本人がジャケットに残しているコメントを借りれば、ホットチョコレートを飲みながら、やさしく降り積もる雪を眺めながら、春を待てばいい。この温かい音楽を聴きながら。


tapestry.jpgTapestry/Carole King

 1971年に発表されたキャロル・キングのセカンドにして最大のヒットアルバム。15周連続1位獲得、その後も300週チャートインし続けたという、名実ともに大名盤。一家に一枚の作品です。間違いなく20世紀最高のアルバムの中の1つ。日本語だと『つづれおり』という、タペストリーを訳しただけなのだろうけど、結果的にすごく素敵なタイトルがつけられてます。もうじき来日するとのことで、ベストアルバムや紙ジャケが出たりして音楽シーンでは少しだけ騒がれているのかな。

 素朴で力強い歌声。やさしさではない絶対的な温かみが根底にあり、いつだって僕はそれに救われ続けてきた。寂しいとき、やりきれないとき、何となく空白なとき、僕の隣には音楽があるんだってことを教えてくれた。

 アルバム通して素晴らしい流れになっているけど、一番好きなのはやっぱり<Will you love me tomorrow?>。もっと早くこの音楽に出会えていたらなと思う。


senkohanabi.jpg線香花火/テリー&フランシスコ

 これまで2枚のミニアルバムを出しているテリー&フランシスコの初シングル。シングルの売れないこのご時世としてはよくわからない行動だけど、もしかしたらフルアルバムに向けて動いているのかな。

 今回もテリー&フランシスコの世界たっぷりというか、良い意味での時代遅れ感がすごく気持ちいい。僕が描く、そして求める(あるいは過去形かもしれない)夏というのは、きっとこういうこと。このメロディラインと世界観は1つの才能だと思う。しかも単調にならない曲展開は、さらなる飛躍を否が応でも期待させてくれる。女性コーラスやホーンが入ったバックにより、特徴的であった素朴さが少し失われてしまった気もするけれど、これはこれでいいのかもしれない。

 カップリングの<夏のブリザード>は慣れてないことしてるよなという印象。無理矢理アップテンポにしなくてもいいでしょう、この人達は。<こぬか雨>のカップリングはなんか残念。多くのカバーもの同様、無難な仕上がり。アコースティック感たっぷりなのが特徴なのに、ピコピコ言ってるのはよろしくない。先代へのリスペクトたっぷりの彼らとしてはやりたかったのかもしれないけど(伊藤銀次と一緒にやるなんて彼らにとっては夢だっただろうことは容易に想像がつく)、それなら生バンド1つでやるべきでしょう。

 ともあれ、これからがますます楽しみなアーティストです。


indigo.jpgINDIGO/佐藤竹善

 Sing Like Talkingのボーカル、佐藤竹善3枚目のソロアルバム。ノーチェックだったのだけど、音楽ライターの金澤さんがあまりに絶賛するので買ってしまいました。ちなみに前作『Okra』は、オクラが好きじゃないので聴いてません(ひどい理由だ)。

 佐藤竹善は、音楽に対して非常に真面目な姿勢を持ってるから好きです。僕の大好きな角松は、僕がこんなこと言うのもよろしくないけど、なんとなく、絶えず何かにコンプレックスを持っていて、それを振り払おうとするのだけど、それでも不完全さが残る。背伸びなんかする必要ないのに、認めてる人はものすごく認めてるのに、それでも満足できなくて、なんかもやもやし続けてる(そこが好きなのだけど)。でも竹善には、等身大というか、自分にできる音楽をやればそれでいいんだ、みたいな良い意味での開き直りがある。そこに圧倒的な世界は広がらないが、居心地のよい空間を約束してくれる。

 このアルバムはすごくやさしいです。ソロ1作目の『Fact Of Life』に比べると、信じられないぐらいやわらかい。小田和正とのユニット"PLUS ONE"の<カオ上げて>や、<届いたらいいな>なんかは、こっちが困ってしまうほど平和すぎて温かい。素敵なアルバムが誕生したのは間違いないだろう。

 ギターのほとんどは浅野祥之。お別れを言うのは、このアルバムなんだろうなと思う。いい音楽を残してくれてありがとうね、ブッチャー。

これからどれだけの涙で ぼくは泣くのだろう 笑うのだろう
ぼくが決めていく景色の色 届いたらいいな ここから
(届いたらいいな ?Gratitude?)

 素敵なミュージシャン達と、重なる時代を生きられる喜びを、心から感じています。


innervisions.jpgInnervisions/Stevie Wonder

 最近はAOR熱が冷め気味で、大御所スティーヴィー・ワンダーなんかに手を出し始めました。このアルバムは1973年の作品で、名盤中の名盤という扱いをされております。とにかく曲の流れが良くて、曲順通りアルバム1枚まるまる通して聴くお手本例でしょう。ミュージシャンとしては、ディーン・パークス、デビッド・T・ウォーカー、ウィリー・ウィークスなどが参加。まあ、ほとんど彼一人でやってしまっているのだけどね。

 スティービー・ワンダーがどれだけ素晴らしいミュージシャンかは今さら語る必要もないだろう。むかしどこかのサイトで読んだ記事には、この人が亡くなったら伝説という言葉では語りきれないだろうなんて書かれていた。音楽への姿勢、そして音楽自体に与えた影響は計り知れない。

 彼の楽曲は、間違えを恐れずに言ってしまえば宗教・哲学・思想の塊であると思う。どれだけ深くとれるかでその扱いが変わる。だから今まで、スティーヴィーの音楽にはあまり手を出してこなかった。表面だけをなぞることはしたくなかったし、かといって深く掘っていく気にはなれなかった。敬遠していたという方が正しいかもしれない。でも音楽という観点からすれば、そこにどういう背景があるにしろ、音楽そのものとして評価するのがフェアなのではないか。と思ったからこのアルバムを聴くに至った次第です。

 関係ないけど、某アイドルグループのTV番組にゲスト出演し、あろうことかスティーヴィーと一緒に歌を歌ったときは、憤りを通り越して悲しい気持ちでいっぱいになった。音楽を冒涜するにもほどがある。


seawind.jpgSeawind/Seawind

 シーウィンド4作目にして、事実上解散前の最後の作品となった1980年発表の1枚。特筆すべきはジョージ・デュークがプロデュース。シーウィンドはハワイ在住のポーリン・ウィルソンとボブ・ウィルソンの夫婦を中心に展開されたバンドで、ハー・ヴィー・メイソンに認められたり、オリジナルメンバーにはジェリー・ヘイがいたり(今作ではゲストとして参加)、本多俊之の作品に参加したりと、何だかすごいです。


royalscam.jpgThe Royal Scam/Steely Dan

 クラシックは芸術として認識される。伝統があり、格調が高く、どこか崇高なイメージがある。もしこの世に完璧な音楽があるとしたら、それはクラシックの楽曲にある、と言ってもおそらく差し支えないだろう。ではポップスは芸術なのか、という議論はさておき、ポップスでこのクラシックに肩を並べられるとしたら、スティーリー・ダン以外にないだろうと僕は本気で思っている。

 これはスティーリー・ダン1976年発表のアルバム。彼らはこの後歴史に残る名盤『Aja』と『Gaucho』を残して事実上活動休止に入る(2000年に『 Two Against Nature』を発表し20年ぶりに復帰する)。どうしてもその2作品に隠れてしまうせいか、本作はそこまでの評価はされていない。

 しかし彼らの音楽性が最もよく表れたアルバムが、この『The Royal Scam』だと思っている。なんていうかその後の2枚は"完璧すぎる"。その完璧の領域に行ってしまう前の最後の作品がこれ。個人的には一番好きな作品。ドナルド・フェイゲンの歌の下手さと(味はあるけど)、バックの音楽の素晴らしさが絶妙な味を出している。

 チャック・レイニーとバーナード・パーディのリズム隊、そしてそれに絡むラリー・カールトンのソロ。1曲目の<Kid Charlemagne>は格好良すぎるし、圧倒的。<The Fez>は一説によればジェフ・ポーカロが叩いているとのことだが、アルバムに彼の名前のクレジットはない。僕は残念ながらバーナード・パーディとポーカロのドラムを聞き分けるほどの耳を持っていないのだけど、いずれにしろすごい。続く<Green Earrings>ではパーディーのリズムとデニー・ダイアスのギターが光る。アルバム全体がなんだか不安定な雰囲気で支配されているが、なんでこの時代にこれほどまでの音が出るのか、このことを考えるだけで、僕は身震いがして止まらない。

 ちなみに日本盤だとアルバム名は『幻想の摩天楼』。しかも全ての収録曲に邦題がついている。


lvandross.jpgGreatest Hits/Luther Vandross

 僕がルーサー・ヴァンドロスの音楽をきちんと知ったのは、彼のトリビュートCDが出た後だった。つまり、彼が亡くなった後(最近はまだ存命なのにトリビュート出たりするけど…)。なんだかやるせない気持ちで、僕は、黙って、彼の残した素晴らしい音楽に耳を傾けるしかなかった。

 ジェイムス・イングラムやマイケル・マクドナルド同様、圧倒的な歌唱力。何を基準にすればいいかわからないけど、歌のうまさは、彼ら以上かもしれないね。この人より歌がうまい人を、僕は知らないと言えるかもしれない。そしてとにかく甘い甘い。バラードを歌わせたら彼の右に出るものは間違いなくいないだろう。

 ミュージシャンとしては、ヴァンドロスにはかかせない存在であったマーカス・ミラーのスラップベースがすごくいい。あとはクレジットがないので、このアルバムにどこまで参加しているのかわからないけど、彼の歴代バックとしては角松がお気に入りだった故ヨギ・ホートン、僕の大好きなサックス奏者カーク・ウェイラム、アンソニー・ジャクソンやバディー・ウィリアムズ、ドク・パウエルなんかが支えていたことを記しておきたい。基本的には彼の歌声で霞んでしまうのだけどさ。

 このCDは僕の嫌いな"ベスト盤"だけど、彼のCDはこの1枚しか持ってない。なんていうか、ヴァンドロスは僕にとってそういう存在。煌びやかなステージで、いつもヒット曲を歌ってくれる人。家ではそんなに頭から通して聴くということはしないけど、ドライブにはこのとんでもなく甘い1枚が似合うシーンがあったりする。<So Amazing>は思い入れのある曲です。


nottoolate.jpgNot Too Late/Norah Jones

 久々に買ったCDが、このノラ・ジョーンズの新譜。ワイワイ騒がれていた時には全くき興味を示さなかったのだけど、発売日に入手しました。でもなあ・・・たしかにノラ・ジョーンズなんだけどさあ・・・と、複雑な心境。なんかジャケットも怖いしさ(特に関係なし)。


carryon.jpgCarry On/Bobby Caldwell

 Carry Onというと「Should we carry on?」とAirplayの名バラードを思い出してしまう僕ですが、そうではなくてボビー・コールドウェル、1982年の作品。地味で、特に目立った曲もなく、話題にもされず、ジャケットだけが一人歩きしてた・・・


livelivelive.jpgLive! Live! Live!/Bryan Adams

 ブライアン・アダムスのライブレコーディングアルバム。1988年ということで、おそらく色々な意味で全盛期だった頃。でも今とちっとも変わってないところがすごい。この時点で既に完成形だったのだろうな・・・。


farcry.jpgFar Cry/The More Things Change...

 夏は終わってしまったけれど、過ぎ去った夏を偲びながら音楽を聴くのも悪くない。というわけで久々のAORな1枚。

 例によってこれまた世界初CD化されたアルバムなのだけど、プロデューサーにエリオット・シャイナー、エグゼクティブ・プロデューサーにフィル・ラモーンというとんでもない布陣。前者は言うまでもなくスティーリー・ダン(この一言で十分ですね)、後者はビリー・ジョエルやポール・サイモンを手がけた、と言えばその凄さを理解してもらえるだろうか。


kicks.jpgKicks

 エロさ全開のこのジャケットから想像できるように、強烈にセクシーかつファンクな1枚。1999年の作品ということで僕が高校生のときに買ったCDなのだけど、17やそこらのガキには早すぎるアルバムなのでした。改めて聴き直すと、今ならこのエロさがちゃんと理解できる・・・ような気がします。


s4rhythm.jpgSummer 4 Rhythm/角松敏生

 夏だ!太陽だ!海だ!と直情的な想いがこめられたアルバム・・・かどうかは知るよしもないけれど、角松の"夏アルバム"。陽射しが強くなり始めた夏の始まりから、秋の気配を感じさせるところまで連れていってくれる。


otsc3.jpgON THE STREET CORNER 3/山下達郎

 久々に引っ張り出して聴いてみたらすごく良かったので。達郎さんの真骨頂、ワンマン・ア・カペラというか、1人ドゥー・ワップというか。日本でこんなことできるの彼しかいなくて、まさに独壇場。ライナーノーツにはコーラス友達がいないから一人でやったと書かれていたけど、あなたと一緒にコーラスできる歌い手なんて日本にいませんよ、達郎さん。

 楽曲の方は<STAND BY ME>や<LOVE T.K.O>しか知らなかったけど、本当に世界には素敵な音楽が溢れているのだなと。オリジナルの<LOVE CAN GO THE DISTANCE>も負けじと存在感を出していて、さすがという感じです。

 とにかく凄いです。音楽への愛、音楽に対するリスペクトに溢れている。なぜそこに音楽が存在しているのか、そして何のために歌うのか。この情報過多の現代では遠く忘れ去られているそういったことを、それはね?、と知らないうちに教えてくれる。まさに原点回帰の1枚。


alldressedup.jpgAll Dressed Up.../David Roberts

 かつて5桁の値段がついていたほどのレアアルバムだが、ついに再発ということで巷で話題の1枚。リマスターされたという割りには音は全然良くないし、TOTOのメンバーで固められたサウンドにも、正直そこまで惹かれなかった。早い話、どうしてそこまで評価されていたのかが全然わからなかった。これに10万出すなら、僕はエアプレイを10枚買うし、スティーリー・ダンをもう1セットコンプリートするよと。


terfrancisco.jpgテリー&フランシスコ

 去年の夏はコレでした。そして今年の夏はこの(ミニ)アルバム!すごくいい!!

 2006年の夏、僕らは海へ向かった?

 そんなお話が始まってしまいそうな1枚です。


prayer.jpgPrayer/角松敏生

 角松のデビュー25周年を飾るアルバム。記念碑的なアルバムを出さず、あくまでもオリジナルアルバムにこだわるというところが角松らしい。色んな意味で彼の真価が出た1枚だと思う。


rendezvous.jpgRendezvous/Christopher Cross

 ずっと欲しかったCD。AOR系のCDでは日本で世界初CD化なんていうのがよくあるが、あれは元々レコードが出ていたのをCDにしただけ。"だけ"と言っても、そこが凄いところなんだけれど(版権、マスタリングの技術など…)、このCDはなんと日本のレコード会社が発売。要は海外のレコード会社との契約が解除となったクリストファー・クロスに、日本が声をかけたということです。


mrlucky.jpgMr. Lucky/Fools Gold

 フールズ・ゴールドのセカンドアルバム、1977年の作品。もうお決まりだけど、これまた日本で世界初CD化。これが1700円ですよ!?つくづく日本のこういう音楽に対する評価は素晴らしいものがあるなと感じさせられる。現代に聞くべき音楽が全然なくて、80年前後に凝縮されているというのはあるべき形なのかどうかはわからないけれど。


nfleaking.jpgNeedless Freaking/Dwayne Ford

 夏はやはりAORな季節。最近は全然CDを買っていないのだけど、そういえばこれを忘れてたなんていうものがいくつかあるので、しばらくはそれらを紹介できたらなと思ってます。

 これは1981年の作品、邦題は『ストレンジャー・イン・パラダイス』。"いかにも"というこのタイトルとジャケットは、やはり多くのAOR名盤がそうであるように、日本オリジナル。80年代前半に量産されたAOR作品が、こうしてCD化・再発されるというのは、81年生まれの僕にとっては嬉しい限り。ライナーノーツによれば初CD化のときは10万を超える値段がついてたとのこと。


sloveplace.jpgSuch A Lovely Place/槙原敬之

 大好きな、大切な1枚。久々に聞き返してみた。高校1年生のときに買ったCD。このアルバムには僕が高校生だったときの思い出がつまりにつまっている。多分多くの人たちにも、そういう音楽があるのと同じように。


smile.jpgSmile/角松敏生with千秋

 角松デビュー25周年記念シングル。デビュー20周年のときは『心配』なんていうシングルを出して周囲を"心配"させたという逸話(?)を持つものの(これはこれで意味があったのだけど)、今回は正攻法できた。久々のデュエットが非常に良い感じです。こういうミディアムスローのバラードはやはり聴き応えがある。

 カップリングの<青い水から>もいいです。じわりじわりとくる。あとは去年の(もはや)伝説のTripodから<Rain Man>。さらには<Smile>の映画バージョン、インスト、メール(男性)バージョン、フィーメール(女性)バージョン、と計7曲。さらにさらに初回限定版にはプロモDVD付き。都会の風景の撮影場所はここです。見た人にしかわからないけど、ほらね

 とにかく、綺麗な歌詞が胸を打ちます。よかったら大切な人と一緒に聴いてみて下さい。


turnback.jpgTurn Back/TOTO

 TOTOのサードアルバム。大ヒットした『TOTO IV』の1つ前の作品で、割と地味な扱い。セールス的にもあまりよろしくなかったらしい。彼らの中で最もロック色の強いアルバムであり、TOTOは色々とスタイル変えてきたのだけど、このアルバムが最高と言う人もいれば、駄作という人もいて、評価が完全に二分している。僕はAORなTOTOから入ってるので、ロック色の強いのはそこまで好きではないものの、オリジナルメンバーの作品はどれも気に入ってます。


timetunnel.jpgTIME TUNNEL/角松敏生
 1993年に音楽活動を"凍結"、そして5年の月日を経て"解凍"した角松の復帰第一作。彼の作品の中では、おそらく今までで一番聴いてきた。アルバムアーティスト角松敏生の真価をいきなり見せられたアルバムであり、僕にとってあまりにも衝撃的な1枚であった。

 新生角松の全てがここにあると言っていいと思う。


china.jpgCHINA/CHINA
 
 カナダ出身の三人組なのになぜかチャイナというバンド名。1981年発売で、ワン&オンリーのアルバム。すなわちこれ1枚残して消えてしまった。でもAORの名盤として名高いのです。20年以上の時を経て、例によって日本で世界初CD化。
 それにしてもジャケットがなんだかあやしげですね(日本オリジナルらしい)。


 たまにはこんなのも。

thesedays.jpgThese Days/Bon Jovi
 僕が中学2年のときに流行ったアルバム。単純にかっこいいと感じたロック、14歳だった僕にとって憧れのような音楽だった。今聴いても全然色褪せていなくて、そういうのが話題になってた時代って結構良かったんじゃないかなと思う。
 1曲目の鮮烈な<Hey God>から始まり、当時至る所で流れていた<Somethin' For The Pain>、涙涙のバラードの<This Ain't Love Song>、光あるタイトル曲の<These Days>・・・と続いていく。
 これがロックだよと僕に教えてくれた1枚。

crossroadbj.jpgCross Road/Bon Jovi
 ベスト盤。1曲目の<Livin' On A Prayer>が聴きたくて、やはり14歳の時に買ったことを記憶している。ベスト盤なだけあって他にも好きな曲はたくさんあるのだけど、ボン・ジョヴィとイコールで結ばれてるといっても過言ではないこの曲は、僕にとってものすごく大きな存在。オープニングを聴くだけで胸が高鳴り、あとはもう、かっこよすぎるサビへ向けてひたすら疾走していく。あとは<Lay Your Hands On Me>に<You Give Love A Bad Name>、<Bad Medicine>と、理屈抜きでかっこいい曲が満載。
 このCDは後追いのような形になったけれど、それでも周りでは騒がれていて、洋楽に目が向いた人なら大体聴いてた。そういう時代だった。

 最近の彼らにはほとんど興味がなくて、なんとなくニュースで新譜が出たことや、来日公演があることを知るだけだけれど、この2枚はたまにむしょうに聴きたくなる。それは僕の音楽のルーツがここにあるからなのかもしれないし、音楽として今なお惹かれるところがあるからなのかもしれない。

 結構いいですよ、ボン・ジョヴィ。


kwpbabyface.jpgKirk Whalum performs the Babyface Songbook

 デビッド・サンボーンは別格として、僕の一番好きなサックス奏者カーク・ウェイラムがベビーフェイスの作品をカバー。ベビーフェイスは今さら取りあげることもない超有名プロデューサーで、誰しもが収録曲のほとんどを今まで耳にしたことがあるはず。ボーカルの代わりに、カークの文字通り唄うようなサックスが絶妙に絡み合っていく。


neverturninb.jpgNever Turnin' Back/Bruce Hibbard

 ここまでくると誰も知らないというか、「いいよねこれー」なんていう反応があると逆に怖い。そんなマイナー路線をひた走りつつあるものの(とは言えこれも割と有名な1枚なのだけどね)、やはり良いものは良いということで取り上げます。ブルース・ヒバードのセカンドアルバム、1980年の作品。例のごとく日本が世界初CD化。


dreammaster.jpgDream Master/Bill Hughes

 ビル・ヒューズ1979年の作品。僕は全く知らないのだけど、フジテレビの「もう誰も愛さない」というドラマのエンディングテーマ「とどかぬ想い」を歌った人(日本でもヒットしたらしい)。そんな彼のソロデビュー作。
 よくわからないが、最初このレコードは関西地区限定で発売され、その後全国に広がったらしい。念願のCD化。


morphthecat.jpgMorph The Cat/Donald Fagen

 スティーリー・ダンの中心的人物であった(と言っても二人組だけど)ドナルド・フェイゲン、実に13年ぶりとなる3枚目のソロアルバム。何度も書き続けているが、僕の中で音楽の頂点を極めているのがスティーリー・ダンであり、フェイゲンは僕にとって神様のような存在。彼の音楽は"黙って正座"して聴きたい。本当に正座するわけじゃないけど、それだけ大好きだということです。全てが究極的。


whosfoolin.jpgWho's Foolin' Who/Frankie Bleu

 記念すべき(?)CDレビュー100エントリー目はこの作品。これまた知る人ぞ知る1枚という感じではあるけれど、僕にとっては原点回帰の1枚。特別思い入れがあるわけでもなく、そして音楽的にもそんなに面白いことをやってるわけではない。でも、何かが僕の心に届いたアルバム。


sweetvendetta.jpgSweet Vendetta/Adrian Gurvitz

 エイドリアン・ガーヴィッツ、1979年の作品でAORど真ん中。当時のボズ・スキャッグの延長線上にあると言ってもいいようなサウンド、そして曲作り。曲良し、バック良し、アレンジ良しの3拍子揃ったアルバム。


tributetojeff.jpgTRIBUTE TO JEFF Revisited/David Garfield & Friends

 故ジェフ・ポーカロに捧げられたアルバム。いかにポーカロが偉大なドラマーであったか、そしていかに彼が皆に愛されていたのかを証明するような作品です。オリジナルは97年に作られたのだけど、インスト曲にボーカルが入ったり、曲が追加されたりと、さらに充実した内容になっている。


nolookinback.jpgNo Lookin' Back/Michael McDonald

 ブルーアイドソウルシンガー、マイケル・マクドナルドのセカンドアルバム。個人的にはファーストの『If That's What It Takes』方が好みだけれど、彼のソロ作品の中で最高傑作と評されることも多い本作。リリースは1985年。80年代の良質なポップスがたっぷりつまっています。


danedonohoue.jpgDane Donohoue

 前にちょこっとミュージカルバトンで取りあげたのだけど、あまりにも素晴らしい作品なので改めて。いやー、もうこれは一家に一枚です。AOR史に残る大名盤。ちなみに昨年発売された紙ジャケ版はリマスタリングがされてます。


ifthats.jpgIf That's What It Takes/Michael McDonald

 先月ジェイムス・イングラムのライブでマイケル・マクドナルドの真似を見てから、どういうわけかマイケル・マクドナルド熱が高まっており、ずっと『Motown』や『Motown2』なんかをヘビーローテーションで聴き続けているのだけど、このアルバムを忘れてはいけない。ドゥービー・ブラザース時代を経て出来上がった、彼のソロ1作目。めちゃくちゃ良いです。


anthology.jpgAnthology/Bryan Adams

 CDの方はリマスタリングされたベスト盤。いつもだったらそんなCDは買わない僕だけど、なんと"おまけ"でリスボンでやったRoom ServiceツアーのライブDVDが付いてくる。これは買うしかないでしょう、ということでついに買いました。


artisan.jpgARTISAN/山下達郎

 1991年の作品。山下達郎の中では比較的"新しい"部類に入る。何たって、この後オリジナルアルバムは2枚しか出していないのだから…。ARTISAN(アルチザン)はたしか職人という意味で、その名の通り、彼が丹念に作り上げたということが十二分に感じられるアルバムです。


bish.jpgBish/Stephen Bishop

 ステファン・ビショップのセカンドアルバム、1978年の作品。僕はファーストの『Careless』の方がいいと思うのだけど、どういうわけか世の中ではステファン・ビショップ=Bish(邦題:水色の手帖)となっている。彼のアルバムの中で最もロマンチックな1枚とのこと。


rkelly.jpgHappy People/U Saved Me / R.Kelly

 窓の外の真っ白に染められた世界を見ていたら聴きたくなったアルバム。たまにはR&Bだって聴くのです。
 <I Believe I Can Fly>などのヒット曲で知られるR.Kelly。スキャンダルまみれの人生を送っているものの、だからといって彼の音楽に対する評価を変えてはいけないと思う。


btooakland.jpgBack To Oakland/Tower Of Power

 1974年の作品、Tower Of Power(TOP)通算4枚目のアルバムとのこと。ジャンル的にはファンク、になるのかなあ・・・。たまにはこんな音楽を大音量で流してスカッとしたりしてます。


incarnatio.jpgINCARNATIO/角松敏生

 トンコリ、和太鼓、三線といった日本の伝統楽器がふんだんに使われたアルバム。ファンの間では物議を醸した(らしい)けれど、僕は、解凍後の角松の最高傑作だと思っている。こんな音楽をやれるアーティスト、日本には一体何人いるのだろうか?


chicago17.jpgChicago17/Chicago

 大ヒットした<素直になれなくて(Hard To Say I'm Sorry)>が収録されてる前作『16』ではなくて、あえてこちら。それほど深い意味はないのだけど、アルバムそのものとしての評価はこっちの方が高いはず。
 前作からボーカルのビル・チャンプリンが加わっており、そして今作もデビッド・フォスターがプロデュース。もう笑っちゃうほど80年代ベタベタの音楽。


somovin.jpgThe Secret Of Movin' On/David Pack

 新年1枚目は、音楽ライター金澤さんが昨年のベストアルバムだと取りあげていた(ので買ってみました)この作品。彼は元アンブロージアのボーカルで、音楽的には当時とあまりにもかけ離れてしまっているのだけど、僕としては断然こっちの方が好み。こんなにもボーカルで聞かせる人だったとはね。


rftlovers.jpgReason For Thousand Lovers/角松敏生

 角松敏生、冬のアルバム。打ち込み中心で最初はあまり好きじゃなかったのだけど、今聴き直してみるとこれがなかなかすごい。参加ミュージシャンも豪華です。


 一度聴いたら、そのメロディが耳を離れなくなる。この人ほど、"唄ってる"サックス奏者はいないと思う。角松のバックでも吹いていたりして、名前だけは知っていたのだけど、一気にファンになってしまった。ケニー・Gともトム・スコットとも、デビッド・サンボーンとも違う。こんなにもメロディアスで、そして心を温かくするサックスを、僕は今まで聴いたことがない。

intomysoul.jpgInto My Soul/Kirk Whalum

colorskw.jpgColors/Kirk Whalum

 あまりにも気持ちいいので、余計な言葉はつけません。全ての"唄うサックス"を聴きたい人に。


ccross.jpgChristohpher Cross

 クリスマスらしいアルバムを紹介しようと思ったのだけど、そんなものありませんでした。ということで大名盤、クリストファー・クロスのデビュー作。いきなりグラミー賞4部門とってしまうというとんでもないアルバム。日本盤だと『南から来た男』なんてタイトルがつけられてる…。


melodies.jpgMelodies/山下達郎
 この時期、山下達郎の代名詞として使われるあの曲が流れまくるわけですが、未だに牧瀬里穂のCMが話題に挙がる一方で、その曲が収録されたこのアルバムは残念ながら全然知られていない(と思う)。あの曲だけだろうと思って聴かないと損するよ、名曲だらけなんだから。


pretzellogic.jpgPretzel Logic/Steely Dan

 スティーリー・ダン3作目、1974年の作品。元々彼らは1つのバンドだったのだけど、この作品からスタジオミュージシャンをふんだんに起用するようになった。そしてここから、伝説が始まった。


leonware.jpg夜の恋人たち/Leon Ware

 ふざけた邦題だけど(オリジナルは『Leon Ware』)、これまた世界初CD化とのこと。このタイトルから容易に連想できる通りロマンチックな1枚。
 ようこそ、大人の夜の世界へ。


sugarbabe30.jpgSONGS/SUGAR BABE

 伝説のバンド、シュガーベイブが唯一残したアルバム。発売から30周年ということで、大瀧詠一がリマスタリングして再び世に出てきた。『A LONG VACATION』といい、『EACH TIME』といい、『NIAGARA TRIANGLE Vol.2』といい、この人はリマスタリングしかすることないのかよ…。


anothernight.jpgAnother Night/Wilson Bros.

 世界初CD化とのこと。1979年の作品。前にも書いたけど、この辺の音楽(AOR系)を評価しているのって世界中で日本人ぐらい。こんな素晴らしい音楽に出会えたのだから、僕はそのことを嬉しく、そして誇りに思う。


ktlalive.jpgKeep This Love Alive/Tom Scott

 先月再発になったトム・スコット1991年の作品。変なジャケットだけど、素晴らしすぎる音楽がつまってます。


room.jpgroom/上田まり

 上田まりのデビューアルバム。今までセカンド、サード(ラスト)と聴いてきて、ようやくファースト。なぜ今まで手を出さなかったのだろうと思う。最後の最後にして、ようやく等身大の彼女に出会うことができた。


aswespeak.jpgAs We Speak/David Sanborn

 もちろんこんなの人によって違うのだろうけど、僕にとってデビッド・サンボーンは世界最高のサックスプレーヤー。1982年の作品。


wandmusic.jpgWords And Music/Randy Goodrum
 
 最近のヘビー・ローテーション。
 ランディ・グッドラムは僕の知る限りこれまでに5枚のアルバムを出していて、これがその5枚目、最後の作品。1994年リリースということで比較的新しいかな。とにかく甘い。甘過ぎてとろけてしまいそう。


dragonfrysummer.jpgdragonfly summer/Michael Franks

 アルバムタイトルからして今の季節に合いそうではないのだけど、なんとなく。かつて僕の天敵(?)であったAOR四天王の一人、マイケル・フランクス1993年の作品。


spellbound.jpgSpellbound/Joe Sample

 なんだか豪華になってしまったジョー・サンプル。89年の作品。ドラムはオマー・ハキム、ギターにマイケル・ランドー、ベースはマーカス・ミラー、さらにマイケル・フランクス、アル・ジャロウ、TAKE6をボーカルとして迎えてる。


winelight.jpgWinelight/Grover Washington Jr.

 フュージョン界の大御所サックスプレーヤー、故グローバー・ワシントンJrの代表的なアルバム。このジャケットからしてお洒落な音楽っぽいが、その期待を存分に上回る内容。いわゆるフュージョンっぽい感じはあまりないと思う。


foolsparadise.jpgFool's Paradise/Randy Goodrum

 いいです、これ。味のあるボーカルと、綺麗なコーラス、バックの確かな演奏。僕の好きな音楽ど真ん中。『Dane Donohoue』に少し"陽"を持ってきた感じかな。


bandwagon.jpgBAND WAGON/鈴木茂

 これは日本の大名盤。今聴くならば、はっぴいえんどやティンパン・アレイよりも、鈴木茂を聴くべきだろうと僕は思う。今から30年以上前、日本にもこんなすごい音楽をやってた人がいたとは驚くばかり。鈴木茂のソロ1作目。


jsample1.jpgVoices In The Rain/Joe Sample

 クルセイダースのピアノを弾いてたジョー・サンプルのソロアルバム。僕が初めて彼のピアノ(キーボード)を聴いたのは、おそらくスティーリー・ダンの『AJA』でだったと思う。それからもバックミュージシャンとして色々なところで名前を見かけていたが、この数年彼のソロ作品も好んで聴くようになってきた。


bokunonakano.jpg僕の中の少年/山下達郎

 数ある山下達郎のオリジナルアルバムの中で、一枚突出している作品。これと『Pocket Music』が、彼の最高傑作だと僕は評価したい。彼の世界観がつまりにつまっている。実はこのアルバムが彼の作品の中で唯一、タイトル名が日本語。このアルバムだけは日本語にしなければいけなかったのだろう。


thegentlesex.jpgThe gentle sex/角松敏生

 角松敏生が綴る11編のラブソング、なんていうのがコピーだったような気がする。過去女性シンガーに提供した10曲のセルフカバー+オリジナル1曲という構成。これらの楽曲で女心が歌われているのかどうか僕には知るよしもないけれど、アルバムとしてのまとまりは素晴らしいと思う。


oneeighty.jpgOne Eighty/Ambrosia

 プログレバンドだったアンブロージアが一転、AOR路線に。アルバム全体を通してAORというか、AORってこういう音楽のことを言うんだよなと感じる1枚。それが良いか悪いか、好きか嫌いかは別として。


boyz2men.jpgballad collection/Boyz II Men

 たまにはこんなのも。おそらく日本ではマライア・キャリーとのデュエットで有名になったボーイズIIメン。ベストアルバム嫌いを公言している僕だけど、Babyface提供の2曲<End Of The Road>と<I'll Make Love To You>をオリジナルで聴きたいという理由で購入した。


welcometomylife.jpgWelcome To My Life/村上"ポンタ"秀一

 70年代からもう30年以上頂点を突っ走ってきた、日本を、いや世界を代表するドラマー、村上"ポンタ"秀一のデビュー25周年記念アルバム。日本のミュージックシーンは彼なしには語れない。本当に。


blackrose.jpgBlack Rose/John David Souther

 埋もれさせてしまうには惜しすぎるアーティストの一人、ジョン・デビッド・サウザー。1976年の作品。このアルバムにはバラエティに富んだ曲が収録されているのだけど、それでも最初から最後まで通して聴きたい。なんとなくだが、月夜の世界に連れていってくれる。銀色の月明かりの下に。


bozbestlive.jpgBoz Scaggs Greatest Hits Live

 サンフランシスコで行われたライブを収録したアルバム。タイトル通りヒット曲が中心の構成になっているのだけど、おそらく1公演まるまるアルバムにしたのだと思う。最初から最後まで一貫性があっていいし、ちょっと手が加わっているような気もするが、それもいい方向にいってる。


doobiebros.jpgMinute By Minute/The Doobie Brothers

 ドゥービー・ブラザースと言えば、誰もが耳にしたことのある<Long Train Runnin'>が有名だと思うけど、アルバムの代表作としてはこの1枚。ブルーアイドソウルシンガーのマイケル・マクドナルドの加入により、ガラリと曲調が変わったのは、あらゆる意味でこのグループに大きな影響を与えた。


careless.jpgCARELESS/Stephen Bishop

 ステファン・ビショップのデビューアルバム。しかしとても1作目とは思えない完成度。本当に素晴らしいアルバムだと思う。甘くささやくような歌声がやさしすぎ。ロマンチックという言葉がぴったり。


thepastandthen.jpgTHE PAST & THEN/角松敏生

これまで愛した曲×これからも愛する曲=ずっと愛せる曲

 前作の『Fankacoustics』及びツアーでやった"Elastic side"が気に入ったらしく、新曲とリアレンジした過去の曲で構成されるアルバムは全編アコースティック。

 正直に言えばちょっと物足りないのだけど、彼はリアルタイムで生きるアーティストとして、新たなスタイルを探し続けているのだろう。きっといつか、何か変わらないものが見つかるまで。


coronet.jpgcoronet/上田まり

 上田まりの最初にして最後のフルアルバム。ようやく買うことができた。これまでに2枚アルバムを出しているものの、収録曲数を考えれば、どれもミニアルバムといった方が正確だろう。そして最後というのは、これをもって音楽活動を休止したから。


anotherpage.jpgAnother Page/Christopher Cross

 僕は声が綺麗な男性ボーカルを好んで聴く。どこまでもやさしくて甘い、素朴な歌声、クリストファー・クロスはその代表格だろう。そんな彼のセカンドアルバム。マイケル・オマーティアンがプロデュースということで、AOR路線ではあるものの、この音楽は彼にしかできないだろうな。


sonorite.jpgSONORITE/山下達郎

 7年ぶりのオリジナルアルバム。これだけ時間が経ってしまうと、その分期待が高まってしまうのは当然なわけで・・・。じゃあこのアルバムがその期待に応えてくれたかというと、正直、僕はノーと言わざるを得ない。残念ながら。


foryou.jpgFOR YOU/山下達郎

 夏だ、海だ、タツローだ!

 世間じゃ<クリスマス・イヴ>のイメージが強すぎるのだけど、実は山下達郎は夏の人。「あの夏、街で海で山で、この音が流れない日はなかった!」とのこと。前作でブレイクした後に、よくここまで安定した作品を出せたよなと思う。


rideontime.jpgRIDE ON TIME/山下達郎

 山下達郎の(多分)出世作にして代表作。1980年発売。これが売れたから、今の山下達郎がいると言っても過言ではないのだろう。逆にこれがなかったら・・・売れるアルバムが世に出て良かった。良かった。


moonglow.jpgMOONGLOW/山下達郎

 1979年の作品、5作目。地味なアルバム。でもいい。前作よりもずっとまとまりがでており、最初から最後まで安心して聴ける。そして音楽そのものに加えて、歌詞でも聴かせる曲作りになってきた気がする。


goahead.jpgGO AHEAD!/山下達郎

 4作目。佳曲がつまっているのに、忘れられがちの1枚。というのも、どうもまとまりに欠いているような気がしてならない。ミュージシャンも安定してないし、曲調もバラバラ。1つの転換期だったのだろうかと思わせる作品。


poppintime.jpgIT'S A POPPIN' TIME/山下達郎

 3作目はライブアルバム。当時六本木ピット・インと上のソニースタジオは繋がっていて、そのままライブレコーディングができたとのこと。その割には、1曲目はスタジオレコーディングの曲と、意味不明なのだけど…。


spacy.jpgSPACY/山下達郎

 1977年発売のセカンドアルバム。ここで早くも今に通じるクォリティを確立する。去年発売したアルバムと言ってもわからない、というのは言い過ぎかもしれないけど、とにかくここで既に飽和点に達していると思う。サウンド的なアプローチはそれなりに変遷があるけど、ポップスとしてはここが多分リミットに近い。


circustown.jpgCIRCUS TOWN/山下達郎

 シュガーベイブ解散、ナイアガラトライアングルを経て、ついにソロアルバム。1976年の作品。彼の原点がつまっていて、今でもなお愛されている曲だらけ。なんでデビュー作でここまでできるの?というのが、初めて僕が耳にしたときの感想。


backhome.jpgBACK HOME/Eric Clapton

 4年ぶりの新作。まだそんなに聴いてないのでファーストインプレッションを簡単に。とりあえず、このアルバムはヘッドフォンではなく、スピーカーで(ちょっと大きめのボリュームで)聴いた方がいいと思う。いつも思うのだけど、この音の広がりはさすが。エンジニアがいい仕事をしているのだろうな。


thewingsoftime.jpgthe wings of time/沼澤尚

Our love doesn't end here. It lives forever on the wings of time.

 1992年8月5日、不世出のドラマがーがこの世を去った。Jeffrey Thomas Porcaro. 享年38歳、あまりにも早すぎる死。上記の言葉は、彼の墓に刻まれている文字だという。


pianizmix.jpgPIANIZMIX/塩谷哲

 あの伝説のサルサバンド、オルケスタ・デ・ラ・ルスのメンバーだった塩谷哲のソロアルバム。6枚目かな。この人はベートーベンの"再構築"に挑むなど、どこか実験的な音楽を好むところがある。とは言えアプローチとしてはクラシックよりではなくフュージョン系。正当なフュージョンピアニストという印象。


marooned.jpgMAROONED/LARRY LEE
 きたきたきたー!この夏の大ヒットアルバム(自分の中で)!!山下達郎のアルバムでおなじみ鈴木英人さんのこのジャケットもたまらない。ウエストコーストの風が一気に心の中を駆け抜けていく。やっぱり夏はこうでないと。
 1982年の作品だけど、先日デジタルリマスタリングされ紙ジャケで再発。完全限定生産らしい。


agharta.jpgAGHARTA
 夏になると聴きたくなるバンド。それがアガルタ!有名な<WAになって踊ろう>が長野オリンピックで演奏されたのは記憶に新しい。単純なメロディとリズムのノリだけで、僕らを"地底"の楽園へと連れていってくれる。
 一応補足しておくと、角松敏生の企画バンド(?)です。


billlabaounty.jpgBill LaBounty
 引き続きビル・ラバウンティ。1982年の作品で、彼は1991年にもアルバムを発表しているのだけど、事実上これが最後と言ってもいいだろう。時代も見事AOR全盛期、極上の完成度に仕上げられている。


thisnight.jpgThis Night Won't Last Forever/Bill LaBounty
 いきなりだけど、僕は完成されたボーカルがあまり好きじゃない。例えば、日本のポップスで山下達郎よりも角松敏生に惹かれたのは、その辺に原因があると思う。決して上手くないと言ってるわけではないが、どこかに未完成の部分がある方が僕はしっくりくる。このビル・ラバウンティもその一人。


dionne.jpgFriends In Love/Dionne Warwick
 良すぎ。非の打ち所がない。いくら賞賛の言葉を用意しても足りないと思う。気に入らなかったら僕が責任持つからぜひ聴いてみて欲しい、と音楽を愛する全ての人に勧めたい一枚。AOR界じゃ有名なアルバムらしいが、多分普通の人はまず知らないだろうから。


longvacation.jpgA LONG VACATION/大瀧詠一
 これはもう大名盤ですね。ちょうど僕の生まれた年(1981年)に出たアルバムで、20周年記念としてリマスタリングされたものを買った。オリジナルの方を聴いたことがないので知らなかったのだけど、どうやらこのリマスタは賛否両論あるらしい。音が良くなることで返って損なわれるものがあるとは。難しいものだね。


pages.jpgPages/Pages

 これもAORの名盤。まばゆく光るものはないかもしれないけど、きちっと磨き上げられた音楽とでもいうか。アルバム最初から最後まで圧倒的な完成度。その完成度の高さは衝撃的。


finis.jpgFINIS/Finis Henderson

 ちょっとマニアックかもしれないけど、つまってる音楽は「夏」ど真ん中ストレート!めちゃくちゃいい。AORが好きな人も、そうでない人も、夏を感じたいのならこれを聴け!と思わず興奮してしまう1枚。


soukana.jpgそうかな/小田和正

 アルバムタイトル『そうかな』は"相対性の彼方"の略。めちゃくちゃかっこいい。僕が知っている日本語のアルバムタイトルで間違いなく一番。
 どうでもいいけど、語尾は下げるのだろうか?


silkdegrees.jpgSilk Degrees/Boz Scaggs

 あまりにも有名なこのジャケット。渋い。ベンチにかかる女性の手は一体何を・・・?ボズ・スキャッグスの出世作であり、AORの最高傑作の1枚だろう。グラミー賞を取ったりもしているので、名実共に歴史的名盤。


billy.jpgGREATEST HITS vol.1&2/Billy Joel

 未だに正体不明のピアノマン。僕はこの"ピアノマン"という言葉を耳にする度に、"It's nine o'clock on a Saturday?"と、ビリー・ジョエルの<Piano Man>を思い出してしまう。今回の騒動のおかげで、彼のアルバムの売り上げが伸びたとかどうとか。ちょっと前にベストアルバムが発売されたが、あれとタイミングば合えばもっと面白いことになっていたのではないかと思う。


dreamwalking.jpgDreamwalkin'/Eric Tagg

 リー・リトナーが発掘してきた(多分)ボーカリスト、エリック・タッグのソロ・アルバム。これからの季節にぴったりの1枚。甘い声と、きっちりと仕事をしているバックミュージシャン達の演奏が何とも心地よい。


brothertob.jpgBrother to Brother/Gino Vannelli
 夏が近づいてきたせいかAOR系のCDを聴くことが多くなってきた。この作品をAORと呼んでいいのかどうかはわからないが、最近よく聴く1枚。ニューヨーク・セッションでもなければ、ウェストコーストでもなく、どことなく南米っぽい。あくまでもイメージだけど。


automaticfp.jpgAutomatic for the People/R.E.M.

 難解な作品だと思う。ポリティカルな部分が見え隠れするR.E.M.はもともと難しいという印象なんだけど、これは群を抜いてる。評価が二分するアルバムだろう。こんなの最低だと評する人もいるだろうし、そして確実に、彼らの最高傑作だとする人もいるはずだ。

RIT


rit.jpgRIT/Lee Ritenour

 芸能ニュースにほとんど興味のない僕だけど、杏里がリトナーとの婚約を発表したというのには驚いた。世の中、何が起こるかわかりませんね。


jamesingram.jpgForever More/James Ingram
 よく耳にする名バラード<Just Once>はプロデューサーであるクインシー・ジョーンズのクレジットしかないんだけど、実は歌っていたのはこのジェームス・イングラム。さすがクインシーが惚れ込むだけあって、歌唱力はハンパじゃない。マイケル・マクドナルドと一緒にやってる曲もあるんだけど、はっきり言ってマイケルすらもかすむ。圧巻。


sometsomew.jpgSometime Somewhere/小田和正
 ふとたまに、小田和正のやさしい歌声が聴きたくなる。綺麗で無責任で、僕のことも世の中のことも何一つわかっていないような歌声を。

 92年の作品。中学1年か2年のときに買った。他の同級生達がミスチルやマイラバを聴いている中、僕は小田和正なんかを聴いていたわけで、音楽的に偏屈になる素質はその頃からあったのかもしれないと今になって思う。


gaucho.jpgGaucho/Steely Dan
 もしあなたが究極の完成された音楽を聴きたいと思うなら、後期のスティーリー・ダンを聴けばいい。好みは分かれるだろうが、少なくとも広い意味でのポップスにおいて、彼らより上の音楽をやったものはいない。
 もしあなたが一流ミュージシャン達の最高のプレイを聴きたいと思うなら、この『Gaucho』を聴けばいい。これほどまでにボーカルがかすむ音楽を、僕は聴いたことがない。


reptile.jpgReptile/Eric Clapton
 彼の音楽人生に大きな影響を与えたという叔父のAdrian(及び彼の妻Sylvia)に捧げられたアルバム。ブルースと言い切ってしまうにはちょっと無理がある気もするんだけど、でもそれと同時に、こういうのがブルースなのかもな、という感じもする。


toto4.jpgTOTO IV/TOTO
 タイトル通りTOTOの4作目、グラミー賞を総ナメ(6部門受賞)にした彼らの代表作。こういうアルバムがきちんと評価されるところが、アメリカの良さである。元々かなりレベルの高いミュージシャン集団だったグループが、それぞれの良さを惜しみなく発揮させ、さらにそれを圧倒的な完成度に仕上げた。最高傑作と呼ぶにふさわしい。


factoflife.jpgFACT OF LIFE/佐藤竹善
 Sing Like Talkingのボーカル、佐藤竹善の初ソロアルバム。かつて山下達郎や小田和正のバックコーラスを務めていたこともあり、歌唱力は抜群。SLTの方はあまり好きじゃなかったんだけど、彼自身には興味を持っていた。

 なぜSLTは好きじゃないかというと、こんなこと言いたくないけど、佐藤竹善以外のメンバーがいらない。はっきり言って、彼がソロの時に起用するミュージシャン達とは格が違う。もちろんルーツがSLTにある以上、彼らを否定することはできないのだけれど。でも佐藤竹善もAORな人だから、何とも皮肉な状態になっていると思う。
 とは言え、SLTでも<Seasons of Change>や<Spirit of Love>なんかはいい曲だなと思うけどね(僕が中学生の時の曲かな。古い…)。


airplay.jpgAIRPLAY/AIRPLAY

 ウェストコースト系AORの代表作。歴史的名盤の1枚だろうな。デビッド・フォスターとジェイ・グレイドンのユニットで、前者は世界を制覇した名プロデューサー(キーボード奏者)、後者はドナルド・フェイゲンに認められたギタリスト。彼らを知らずして音楽を語る事なかれ。

 このうさんくさい"This is 80's!"みたいなジャケットからは想像もつかない音楽がつまっているのである。


lavel.jpgMaurice Ravel-The Piano Concertos
Krystian Zimerman, Piano
The Cleveland Orchestra
London Symphony Orchestra
Conducted by Pierre Boulez

1.ピアノ協奏曲ト長調
2.高雅にして感傷的なワルツ
3.左手のためのピアノ協奏曲ニ長調


debussywg.jpgDEBUSSY:PIANO WORKS
Walter GIESEKING

ベルガマスク組曲
版画
よろこびの島
映像第1集&第2集
子供の領分
レントより遅く

 「音楽は、色彩と律動づけられた時の流れによって構成されるのだ」(Claude DEBUSSY)

 春のうつろな夜はドビュッシーが似合う。・・・のかどうか知らないけど、最近寝る前に良く聴いている1枚。さすが印象主義と言われるだけあって、目を閉じると、何となくだけれど、色々な情景が浮かんでくる。
 あまり録音状態が良くないのが残念だが、ギーゼキングの年代を考えればしょうがない。多少ぼやけた感じはあるものの、それでも繊細さ、温かみが感じられるし、ベルガマスク組曲はどことなく純粋に官能的。なんかベッドに寝転がりながら、どうにもならないようなことをむにゃむにゃ考えながら聴くなんて申し訳ない限りのような気がしてくる(さらにそのまま眠りにつくこともしばしば…)。

 ギーゼキングのドビュッシーは何枚か出ていて、なぜこのCDを買ったのか今ひとつ思い出せないんだけど、アラベスクも聴きたい人はこちらの方がいいと思います。


leavinghome.jpgLEAVING HOME/J&B
J&B tributes to Kenji Omura

Guitar:梶原順、浅野祥之
Bass:松原秀樹
Drums:沼澤尚

 "Musician's musician"として多くのミュージシャン達に敬愛されてきた故大村憲司。そんな彼の未発表曲、"LEAVING HOME"と"TOKYO ROSE"を含む全5曲のミニアルバム。昨日なんとなくギターの調べが聴きたくなって、引っ張り出してみた。5曲目はいらない気がするけど、他の4曲はどれも素晴らしい。"LEAVING HOME"の最後ギターソロを息子の大村真司が弾いてるなんて、何とも涙を誘う。
 特筆すべきは、これだけ超一流のミュージシャン達が集まりながら、フュージョンにありがちなそれぞれのパートの個性を光らせるという演奏はほとんど見られず、4人揃って一つのグルーヴというか空間を作り出しているところ。"Proud of You"をエンドレスで流し、梶原順のギターはなんでこんなに気持ちいいんだろう、と思いながらそのまま眠りについた。

 大村憲司氏についてはこちらから。もうあれから6年半が経つんだね。


zilav.jpgRACHMANINOV
PIANO CONCERTOS NOS.1&2

KRYSTIAN ZIMERMAN
BOSTON SYMPHONY ORCHESTRA
SEIJI OZAWA

 話題としては小沢征爾指揮&ツィメルマンということの方が大きいのだろうが、僕としてはツィメルマンがラフマニノフを弾いてくれていることが凄く嬉しい。彼はもう僕の中で絶対的なポジションを築いてて、きっとこんな演奏になるはず!と勝手に予想したら、その予想通りの演奏を聴かせてくれると思いこんでいる。正確無比で、かつ温かみのある奥深い音色。これはホロヴィッツにもアシュケナージにも出せないのである。

 ラフマニノフは2番・3番が有名らしいけど(よく知らない)、1番も凄くいいです。でもやっぱり2番の方がいいです。それよりも僕は絶対的に3番が好きです。ということで、僕の大好きな3番も出してくれないかな…。


jack.jpgIn Between Dreams/Jack Johnson

 <Sitting, Waiting, Wishing>がメディアにかなり取りあげられているので、日本での知名度も上がってきたかな。僕は"Thicker Than Water"で彼の存在を知った(DVD欲しい)。これらのタイトルからも分かるとおり、全てのサーファー達に捧げられた音楽。目を閉じればそこはハワイ!ビッグウェーブ!・・・とは感じられないかもしれないが、南の島には行ける。

 アコギ、ベース、パーカッションというシンプルな構成にゆるいボーカル。完全に今の時代に逆行するような、原始的な音楽がひどく心地良くて、疲れているときに聴くとめちゃくちゃ気持ちいい。実際のところはどうなのか知らないけど、波を待っている間にちょっとレコーディングしてみました、みたいな雰囲気がある。
 焦らず、のんびりと、まったりと、ゆっくりと。そんなに急いだって仕方ないよ。いくら待っても波が来ないときは来ないし、来るときは来る。大切なのは良い波が来たときに、それに乗れるよう待っていることさ。


lalala.jpgLA・LA・LA LOVE THANG/久保田利伸

 どんな企業でも必ず求められるのが、コミュニケーション能力だという。僕はかなりこのコミュニケーション能力に問題があると自負しているので、こりゃ就職活動厳しいよなあ・・・などとお風呂の中で考えてたら、「I and I 止まらない 胸を合わせてコミュニケーション」なんて歌が頭に浮かんできた。久保田利伸の"BODY-CATION"。PVが棒人間だった気がする。


gemini.jpgGEMINI/Brian McKnight

 昨年末から今年にかけてモータウンやブルーアイドソウルなんかに少し手を出してたが、ついにR&Bまできてしまった。昔はR&Bなんて・・・と結構馬鹿にしてたんだけど、実際ちゃんと聴いてみるとなかなかいい。やっぱり食わず嫌いは良くないね。

 まあでもこう言ってはなんだけど、BGM音楽かなとも思う。何かが足りないのか、何かが余計なのか。いずれにしろ「綺麗な音楽」の域を出ない。それで必要十分なのかもしれないけど。お洒落な音楽というのも悪くないでしょ。


unp1997.jpgMTV Unplugged NYC 1997/BABYFACE

 これほど偶然買って良かったと思えるアルバムはない。高1の冬に買ってから7年、依然全く色あせることなく輝き続けている。初めて聴いたとき、あまりの完成度の高さにしばらく興奮が冷めなかった。僕の全然知らなかった世界を、完全な形で見せてくれた。そして時が経てば経つほど、聴く回数が増えてきている。もし自分のコレクションから5枚選べと言われれば、間違いなくその中の1枚はこれだろうと思う。


pisland.jpgPerfect Island Nights/Bobby Caldwell

 2月1日発売のボビー・コールドウェルの新作が届いた。こう書くと誰かが送ってくれたみたいだけど、Amazon.co.jpで注文したということです。彼はこの数年ジャズっぽくなってしまったが、今回の新作はこのタイトルからしてまたAORへ戻ってくれたのではないかと思い期待していた。

Aja


aja.jpgAja(彩)/Steely Dan

 AORを語るときに絶対はずせないのがこの1枚。女優の山口小夜子さんを起用したこのジャケットはなんだかうさんくさいけど、はっきり言って音楽史上最高傑作だと思う。
 先日ビーチボーイズの『ペット・サウンズ』は伝説的名盤と書いたが、これは他の人達、音楽界に多大な影響を与えたというのが理由の1つにある。でもスティーリー・ダンの場合、おそらく音楽界への影響なんて皆無に等しい。唯一無二としてあまりにも高いところに行ってしまったのである。誰も近寄れない、いわば神の領域へ。


petsounds.jpgPet Sounds/The Beach Boys

 今朝起きた時、誰かに「ブライアン・ウィルソンはもういないわよ」と言われたような記憶があった。夢でも見てたのかもしれない。ブライアン・ウィルソンはもういない?たしかにそうかもしれない。
 あまりに伝説、伝説と言われ、もはやその言葉だけが一人歩きしてしまっているだけのような感もあるこの『ペット・サウンズ』。しかし、誰が何と言おうと、時代がどれだけ消耗させようと、これは伝説的名盤なのである。


rodstewart.jpgStory So Far:The Very Best Of/Rod Stewart

 いいねー、ロッド・スチュワート。一発でイギリス人だとわかるこの顔立ち。こう言っては失礼だけど、メロディも歌詞も全くひねりなし!全てはこの歌声で魅了!きっと彼の歌声だけで恋に落ちた女性は世界中に数え切れないほどいたんだろうなと思う。


newyork.jpgThe New York Rock And Soul Revue - Live at the Beacon

 "And now, it's my pleasure to present Donald Fagen!! "
 冒頭のDJ、もうこれだけでたまらない。ドナルド・フェイゲン、ボズ・スキャッグス、マイケル・マクドナルド、フィービー・スノウ・・・こんなメンバーが集まるなんて夢のまた夢である。そして、それが普通に集まる街(なのかどうかは知らないけど)、それがニューヨーク!


motown2.jpgmotown two/Michael McDonald

 引き続きマイケル・マクドナルド。前作motownよりも、こっちの2作目の方が取っつきやすい気がする。あとほとんど大差はないと思うんだけど、音の作りがこっちの方が僕の好み。積極的に生ドラムを使ってるのが嬉しい。ヴィニー・カリウタが"What's Goin' On"を叩くなんて、誰が想像しただろう。


motown1.jpgmotown/Michael McDonald

 まずこのジャケット!この優しそうな瞳!これだけでどんな歌声なんだろうとワクワクしてしまう。で、彼は僕の期待に存分に応えてくれる。マイケル・マクドナルドというと、僕としてはSteely Danのバックボーカルという印象が強かったんだけど、メインでも抜群にうまかった。
 このアルバムではスティーヴィー・ワンダー、マーヴィン・ゲイ、ダイアナ・ロス、テンプテーションズ等の名曲をカバー。マイケル・マクドナルドのルーツ自体が実はモータウンにあるとのことで、単なる企画物のカバー集というわけではない。


manhattan.jpgMecca For Moderns/The Manhattan Transfar

 今までは基本的に他の人にも聴いて欲しいと思うCDを紹介してきたんだけど、今回に限って思い出話。作品自体としてはあまり好きになれないものの、特別な思い入れがあるので取りあげたい。


brandnew.jpgBRAND NEW DAY/STING

 "Englishman In New York"はめちゃくちゃ格好いいし、知名度としてはポリスの"Every Breath You Take"が一番だろうが、アルバムのまとまりとしてはこの『Brand New Day』がとてもいい。買った当時は(高3の時だったと思う)、ヴィニー・カリウタがドラムで参加しているからなんていうめちゃくちゃな理由だったんだけど。


kenny.jpgAt Last... The Duets Album/Kenny G

 ソプラノサックス奏者ケニー・Gが、様々なアーティストと“デュエット”。選曲も参加アーティストも素晴らしい。昨年発売されたCDの中で一番のお気に入り。もし僕に権利があるのならば、2004年のグラミー賞をあげたい。


Introduction

 僕と角松敏生との出会いは、16歳の夏。当時バイト中に聴いていた、FMから流れてきた伸びのある歌声に僕は一気に魅せられた。最初の印象はやたら賑やかなバック、伝わってくる強いメッセージ。そして、その時ちょうど行われていたツアー(“He is back for the future”)を偶然見にいくことができたことが、その後の運命を決定づけた。
 以来、僕は音楽のほとんどを角松を中心に学んできた。彼の言おうとしていること、音楽を、必死に理解しようとし、時には全面的に無条件で受け入れ、時には真っ正面から対立した。そのことが現在どのような結果に繋がっているのか、それがポジティブなものなのか、ネガティブなものなのかはわからないけれど、音楽を心から愛することができるようになったというのは、彼によるところが大きいと思っている。
 今の角松は、あくまでも自分がリアルタイムで生きることにこだわっている。それは彼の作品を聴けば一目瞭然だ。そしてそのような姿勢は、たまに己の過去の作品を否定しているようにも感じる。だがしかし、いいものというのは、何年経ってもいい。そのことを胸に、彼の最高傑作の3枚を紹介していこうと思う。角松はこの3枚を作り上げ、音楽活動を凍結させた。全てを捨てた。言い換えれば、この3枚に角松の全てがつまっている。


chopin1.jpg
CHOPIN:4BALLADEN/BARCAROLLE/FANTASIE
KRYSTIAN ZIMERMAN

 今さら解説不要のツィメルマンのショパン、4つのバラード・舟歌・幻想曲。HMVで偶然安売りされているのを発見した(CD2枚で1枚1690円のセール対象になってた)ので思わず購入。
 演奏の方はさすがと言うべきか、1番の最初の旋律から圧倒された。本当はエフゲニー・キーシンとの比較を書こうと思っていたんだけど、そんなのは太陽の輝きの前で小さな星の煌めきを持ち出す行為のような気がしたのでやめました。
 まるで精巧なガラス細工を作り上げているかのような、寸分のふるえも許さぬ完璧な演奏。そして正確無比な音は、ショパンの想いをまざまざと浮き彫りにする。やってることは単純明快、しかしあまりにも凄すぎて一気に全く手の届かない世界へと飛び立ってしまう。
 僕たちはその完全な世界を、ただただ呆然と眺めるしかないのか。


emptypage.jpg
empty page/上田まり

くもった日曜の昼下がりに

 別に歌がうまいわけでもないし、メロディーがいいわけでもない。編曲で何とか仕上げたという感じが否めない。でもしかし、切り出した歌詞のフレーズが耳に残る。彼女は一人でいる強さを、一人でいることの苦しさを洗いざらい歌い出す。そしてその歌声は、そっとやさしく僕の心の痛みに触れる。

 ときどき、二度と君に会えないんじゃないかと思うときがある。この世から消えてしまうのではないか、遠い世界に行ってしまうんじゃないかと不安になる。もしくは元々君の世界に僕はいなくて、僕が背伸びをした瞬間、少しだけ君の姿を見ることができていただけなのかもしれないと。

例えば色つきの夢のように
あの日が遠くなるとしても
古い本のすえた匂いに思い出す
始まらない恋だったこと


 個人的には、槇原の復帰第一作。例の事件から復帰後、これまで色々と作品を発表し続けてきたけど、どうも自分にはしっくりとこなかった。どの作品もマッキーであることには変わらないんだけど、どうも聴いてて疲れてしまう作品が多かった。もちろん、それが悪いといっているわけではないし、“太陽”や“桃”など素晴らしい曲もある。でも、なんというか、「Cicada」から続いた流れを浄化する過程のような曲が続いてきた。そして今作は、そこから「再生」できた作品だと思う。僕が中学生のとき初めてマッキーに触れた「PHARMACY」、そして「UNDERWARE」、「Such A Lovely Place」、その続きがこの「EXPLORER」。まさに僕が求めてたマッキーである。

 相変わらず歌はめちゃくちゃうまいし、そのセンスには驚かされる。さすが教授が認めたことだけはある。あと、今回はシングル曲が結構収められてるけど、曲順もいい。1つ1つが、それぞれ与えられた*曲目という役割をしっかりと果たしている。“世界に一つだけの花”は、SMAPに提供したことが非常に悔やまれる。たしか初めからそのつもりで書かれた曲なので、何とも言えないけど、もし仮にこのアルバムの10曲目で耳にしてたら、僕はとてつもない感動と興奮を味わっていたことだろう。

 ジャケットの帯で隠れている部分に書いてある01?12までの数字、11がイコールのように見える。1曲目から10曲目=12曲目と解釈してもいいのかもしれない。多分、その12曲目の“僕が一番欲しかったもの”が、マッキーが今一番言いたいことだと思う。

explorer.jpgExplorer(限定盤)/槇原敬之

関係ないけど、HMVのページに言ったらたまたま見つけた文章
タワーレコード/HMVジャパン 「著作権法の一部を改正する法律案」の成立に関する共同声明
とりあえず一安心かな?


voicesuw.jpgvoices under the water/in the halll (角松敏生)

 昨日関東地方もついに入梅してしまい、とにもかくにも蒸し暑い。不快指数とはよく言ったもので、ジメジメして本当に気持ち悪い。こんなときは、音楽に助けてもらうしかない。
 このアルバムはTIME TUNNELツアーのライブ録音と、海がテーマのインストとの融合がコンセプトとか。正直言って融合はしてないし、別々に出せばいいんじゃないかと思うけど、これが結構聴いていて気持ちいい。基本的に僕は打ち込みの音が好きではないんだけど、これだけは別。目を閉じると、そのまま自分が海の底まで沈んでいった気分になる。映画グラン・ブルーの世界だ。

 ちなみに僕は元ダイバーだから、本当に海の底まで沈んでいったことがあるけど、そのときは頭の中に音楽なんて流れなかった。自分が呼吸している音しか聞こえない。気持ちよかったけどね。

Profile

take(take@blue-jam.com)
1981年12月23日生まれ
横浜市の端に在住
音楽と夏と海をこよなく愛してます。
強く、やさしく、フェアに

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