Moviesの最近のブログ記事


 川崎チネチッタで『オーケストラ!(原題:Le Concert)』を観てきました。監督はラデュ・ミヘイレアニュ、そして注目すべき若手女優のメラニー・ロランが美しい。全体がフランス映画らしいコメディに包まれつつ、最後のシーンはあまりにも感動的。いい映画でした。

 主人公の指揮者は、政治的事情により30年前に職を失い、清掃係として楽団に残る日々を過ごす。ある日、事務所に届いた1枚のFAXはパリからの公演依頼で、彼は当時追放されたメンバーを集めてこのコンサートを行ってしまおうと画策する。物語はこれだけではなくて、もう1つ。それらの謎が明かされつつ、話は進行する。無理やり感も間延び間もあったが、それはフランス映画のご愛嬌。

 笑いがあって、怒号があって、ときおりシリアスがある。音楽映画というよりは、人の"ハーモニー"に焦点があてられ、あとは共産主義やユダヤ人にまつわる史実も散りばめられており、受け止め方は色々とあるだろう。

 そして、最後のチャイコフスキー・ヴァイオリン協奏曲の美しいこと美しいこと。泣かされました。感動的な映画は数々観てきてきたけれど、ここまで美しいシーンはなかったかな。いつまでも心に残ると思う。


 公開日初日、TOHOシネマズ ららぽーと横浜で『マイ・ブルーベリー・ナイツ』を観てきました。この映画の公開を心から待ち望んでいたというわけではなくて、たまたま久々に映画でも観たいなあと思ったタイミングと重なったのです。

 ウォン・カーウァイ監督にノラ・ジョーンズ主演。この映画は否が応でもこれだけが一人歩きする。なぜノラ・ジョーンズが女優業をやろうと思ったのかはさっぱりわからないのだけど、僕はこれはこれでありなんじゃないかと思いました。第2,第3の主演作品が今後あるのかどうかはわからないけど。

 ストーリーは、ノラ演じる主人公が遠回りをするお話。良くも悪くもそれだけ。登場人物はかなり少ないし、たいした展開もない。でも不思議なことに、NYがなんて懐かしい場所なんだろうと思った。

 あとはやっぱり映像かな。この人の作品は、この映像美抜きでは語れない。これまで『恋する惑星』、『天使の涙』、『花様年華』を観たことがあるけど、強調されているのはとにかく何かを表層に持ってくる映像美であり、音楽(今回は弱かった)。ちょっとしつこく感じることもあるけど、これがウォン・カーウァイ。もう陳腐化されてしまった言葉だし、これはキューブリック監督のためにある言葉なのかもしれないけど、映画を観ている間この言葉を意識せざるを得なかった。「あらゆるシーンが絵はがきになる」。

 ウォン・カーウァイの世界が好きな人なら楽しめると思います。


 昨日テレビ東京で放送された「SHOW BIZ COUNTDOWN」という番組で、アメリカの映画年間(興行?)ランキングをやってた。それを見ながらふと、『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールドエンド』なんて全然見たくなかったんだよなあ、なんて思った。そう、こんな映画見たくなかったんだよ、全然。美容師さんとの会話ネタぐらいにしかならない(それはそれでいい気がするけど)。じゃあなんで観たのかと言われれば、「付き合いでしょうがなく」というのが正直なところだが、それ以上に、シネコンに囲まれているからという気がしてならない。

 去年は多分年間で5,6本ぐらいしか映画を観てないのだけど、その全てがシネコンで見たもの。というか僕の行動範囲内に通常の映画館がない。だからまあ必然的に大味な映画ばかりになってしまう、というのはこじつけかもしれないけど、でも『オーシャンズ13』を見たからね(こんな映画に出演することを決意したアル・パチーノに敬意を表して見た)。川崎にシネコンが3つもなかったら間違いなく見なかっただろうと思う。

 それでまあ、家から車で30分ぐらいのところにTOHOシネマズができたので、最近は行くとしたら専らそこなのだけど、これぐらいの距離にあるとすごく助かる。理想は関西生活をしていたときのような、徒歩で映画館だけど、それはどう足掻いても無理そうなので、せめて車で気軽にいける(一般道でいける)場所に欲しかった。それまではどうしても横浜か川崎に出ないとダメだったのが、おかげで「映画でも見に行こうか?」とすごく気軽に行けるようになった。もしこのシネコンができてなかったら、映画を観る頻度は半減していただろうと思う。

 そういえば忘れかけてたけど、ウッディ・アレンの『タロットカード殺人事件』をこのシネコンで観ました。スクリーンが10以上あるおかげで、これまで東京でしかやらなかったような映画もやってくれる。これは嬉しい。前作『マッチポイント』とは打って変わってコメディ要素が復活してくれ、僕としては嬉しかったけど、映画そのものとしては『マッチポイント』の方が良かったかな。

 ちなみに去年観た映画で一番面白かったのはぶっちぎりで『世界最速のインディアン』。今年は何本映画を観られるかわからないけど、忘れずにここに記していきたいと思います。


カポーティ

「何よりも君の死を恐れ、誰よりも君の死を望む」

 映画館で観たいと思っていた作品。チャンスがなくて見られず終いだったので、DVDで見ました。重い重い。でもその重さの分だけ、この映画の意味が存在している。久々に感動した映画だったと言っていいと思う。感動というのは必ずしも喜びや涙に満ちたものではない。

 作家トゥルーマン・カポーティが、『冷血』を完成させるまでの話。おそらくほぼノンフィクションなのだろう。アメリカの地方で起こった一家惨殺事件に異様なまでに興味を持ったトゥルーマンが、犯人達と接触するなどして、事件に徹底的に関わっていく。最初の動機がきちんと描かれていないので、どうして彼がここまで固執するのかはわからなかったけれど、やがて加害者と関わるようになったトゥルーマンは、彼らに親しみを感じ、おそらくは共感を覚え、友人でありたいと願い、そして、愛に似たような感情すら抱く。

 そのような行為が彼の作品を完成させていくと同時に、確実に、彼の精神を蝕み始める。破滅と絶望へ続く道。トゥルーマンはそのことをわかってて、あえてその道を進んだのだろう。進むという選択肢以外なかったのかもしれない。そして1冊の本だけが残った。彼の最期の作品。残りの人生全てを捨てる覚悟で書いたのだろう。

 アカデミー賞を獲ったフィリップ・シーモア・ホフマンの演技力が、ただただ素晴らしい。


 みなとみらいのワーナーマイカルで『ドリームガールズ』を観てきました。すごく面白かった。ここ最近は良作に巡り会えている気がします。これも、映画としての深みとか、そういう難しいことは置き去りにする、ご機嫌な映画でした。

 おそらく映画全体の8割ぐらいが音楽と共に進行する、ほとんどミュージカルのような映画。どの楽曲も、圧倒的な歌唱力に魅了されました。ときにはファッショナブルに、スタイリッシュに、ときには魂をゆさぶるような(あるいは魂に訴えかける)ソウルが流れまくる。もう鳥肌立ちっぱなし。壮大なプロモーションビデオを2時間観ているような気がしないでもない。

 ストーリーはたいしたことないです(背景となる時代のアメリカを知ってればさらに楽しめる気がするけど、そんな人はほとんどいないように思う)。でも、とにかく音楽が素晴らしすぎます。この映画を観た後はしばらく何も音楽を耳にしたくなかった。音楽好きの、映画好きな方にはオススメできるかな。多分バート・バカラックよりは、クインシー・ジョーンズ。


 109シネマズ川崎で、『世界最速のインディアン』を観てきました。とても良い映画でした。

 紛らわしいタイトルなのだけど、"インディアン"というのはバイクの名前。このタイトルを口にすると、まず間違いなくアメリカ先住民のインディアンと勘違いされる。挙げ句の果てには、世界最速の"エイリアン"と間違われたこともある。それどんな映画だよというか、なんでエイリアンなのに世界が基準なのかがわからないというか、逆にすごく興味あるのだけど、それはともかく、『世界最速のインディアン』というのは、主人公バート・マンローがこのインディアンというバイクで世界最速記録を打ち出そうとする映画なのです。ちなみに実話。

 まずはニュージーランドから、スピード記録の計測大会が行われるアメリカのボンヌウィルにはるばる行くまで。そして、もちろん着いてからも試練の連続。とにかく彼の頑なな決心と、そして誰もをやさしい気持ちにさせる笑顔から、皆が彼のことを応援し、そしてリスペクトする。彼の存在を迷惑に思いつつも実は大切に思ってる隣人と彼を慕ってる子供、彼を応援する郵便局員の女性、老いぼれだとバカにする若者バイク軍団、ハリウッドで出会うニューハーフに、スペイン語訛りの中古車販売マン。そしてこの後もまだまだ色々な人と出会う。その誰もがとてもいいキャラで、心が温かくなります。共通しているのは、皆彼のことを愛おしく思っている。

 一生に勝る5分があるらしいよ。夢は諦めてはいけないらしいよ。誰もが不可能だと思うことだって、信じて、そして動けば、それがかなうこともあるらしいよ。

 久々に誰かに勧めたいと思える映画です。オススメです。


 『日本以外全部沈没』を観ました。筒井康隆の同タイトル小説の映画化。言うまでもなく、『日本沈没』のパロディ映画です。僕は"本物"の方を観たことがないので、内容がどこまでパロディなのかはわからないけど、とりあえず日本以外が全部沈みます。それだけ。

 えー、くだらないです。どう考えても時間の無駄です。とは言え、そういう無駄が多分パロディものの醍醐味でもあり、決して見終わった後に「いい映画だった」なんて感想を抱くことはないけれど、「よくこんな映画作るよなあ・・・」なんて思いながらも途中あまりのバカバカしさに笑えればそれでいいのでしょう。そういう意味では、ちゃんとバカバカしさがある映画でした。

 たまにはこういう時間の無駄をして、心に余裕を持つことが大切なのかもしれません。内容としては何もなかったけれど、そういうことを考えさせてくれただけでも、この映画の存在意義はあったような気がしなくもないです(僕にとっては)。

 人に勧められるかと言われれば絶対に勧められません。


 ワーナー・マイカル・シネマズみなとみらいで『プラダを着た悪魔』を観てきました。頭を空っぽにして見る映画として非情に良かったです。

 ニューヨーク、パリ、セレブリティ、一流ブランドの数々、煌びやかな世界がそこには広がる。おそらくだけど、女性なら誰でも憧れるし、男の僕でも憧れる。ファッションな生き方、とでも言うのかな。そんなの自分には関係ないよと思っていても、望む望まないは別として、"向こう"の世界と"こっち"の世界を隔てているものって、些細なことだったりするのかもしれない。でもきっとそれが全てではないから、ベースとなるものがしっかりとあって、スタイルとして"着る"、ぐらいのことができればいいのかもしれない。そんな映画でした。多分。

 今年はどういうわけか映画を(自分としては)映画館で観てます。目標だった年間10本は既に達成済み。1日の終わりに、車を走らせて映画を観にいくなんていうのもいいものです。レイトショーなので1200円だし。


 109シネマズMM横浜で、『7月24日通りのクリスマス』を観てきました。

 なんでこんな映画を観たのかというと、理由はすごく単純で、原作者の吉田修一が好きだから。過去の経験では、本や漫画の「映画化」「ドラマ化」で良い思いをしたことはほとんどなかったのだけど、さてこれはどうなのかなと。ドラマ化された『東京湾景』は全然違うストーリーになってしまったから、吉田修一の作品でちゃんとした映像化は多分これが初。原作は『7月24日通り』と、タイトルが違ってる時点で不安なところもあるのだけれど…。

 割と大々的に宣伝されているのでストーリーは省くとして、一言で言えば主演の中谷美紀の一人舞台。彼女一人で引っ張っていった映画。クリスマスの演出を入れたことで話はベタベタな感じになってしまったけれど、映画そのものはラストを除けば良かったと思う。特に何度も出てくる自分の街とポルトガルを重ねるシーンが良かった。これは映画ならではだろう。

 まあ単純な思考回路でいけば、「全ての女性たちの恋を応援します」みたいな映画だけれど、そんなことは頭の片隅に追いやって、ほんわかした雰囲気を楽しむのも一つの手です。


愛に負けるか。欲に勝か。
それでも人生は、運が決める??


 先日、梅田ガーデンシネマでウッディ・アレン監督の『マッチポイント』を観てきました。まさか関西で彼の作品を観ることになるとはね。

 テニスのネット上にボールがのったとき、それがどちらのコートに落ちるかは、時に運が左右することもあり、そしてその運がゲームを決めることもある。人生においても「運」の要素が非常に大きいのではないかとのこと。引退したテニスプレイヤーの主人公はテニススクールの先生になるのだけど、そこで出会った生徒との偶然の出会いから、一気にサクセスストーリーが始まる。でも愛欲に溺れて事態はあらぬ方向へと向かい・・・そして結末は「運」が決める。

 ここ最近の彼の作品と比べて、まず一番の違いは撮影場所がお決まりのNYではなくてロンドンということだけど、何より笑いが最初の1シーンしかなかったのには困惑させられた(観客は誰も笑わなかったけど・・・)。非常にシリアス。前作の『僕のニューヨークライフ』でも暴力的なシーンが気になったが、やっぱりNYテロを引きずっているのかな?と思わずにはいられない。

 誤解を恐れずに言ってしまえば、あのテロで命を落とした犠牲者たちは、「運」が悪かった。あのとき、たまたま展望台に上がっていた観光客、たまたま出張に出ていたワールドトレーディングセンターに勤めているビジネスマン。人の命を「運」の一言で片付けてしまうのはあまりにも軽率な気もするけど、この両者の違いは「運」としか言いようがない。僕らは、人生に「運」が味方してくれることを、ただただ待つしかない。

 いい作品だったと思います。ストーリー自体は単純なんだけど、実はかなり深いんじゃないかと。たしか次回作の舞台も、"空がいつも灰色"のロンドン。次は関西で見ることはないだろう・・・。


 109シネマズみなとみらい横浜で、『ハチミツとクローバー』を観てきました。

honeyclover.jpg 認めます、自分がどうかしているということを。認めます、"らしくない"ということを。二度と戻ってこない学生時代を懐かしんでいるし、様々な愛の形を提示してもらいたいと思っている。純愛とはかくあるべし、みたいなことではなくて、こうあっていいし、こんなのがあってもいい。例えば、そういうこと。

 映画自体はなんてことなかったです。つまらなくはないけど、面白くもない。限られた時間にあらゆる設定、色んな話を詰め込もうとしているから、それで何?という感じの連続で終わる。原作の漫画はきっとこの設定の続きで延々と物語が進んだり戻ったりしていくのだろうな(読んだことないのでわからないけど)。だから壮大なプロローグと捉えれば、それはそれで悪くないと思う。1つの映画としては、これといって何かがあるわけではない。

 しかしね、どんな恋の話であっても、それはその人(ともしかしたら周り)に大きな影響を与えるものだし、あとで振り返って「あの時は?」なんてしみじみと振り返れるもの。たいていの場合それは人を変えるし、もしかしたら強くする。人のことを好きになるって結構良いことなのかもしれない。と、本当にどうかしている今日この頃。


 先週の土曜、川崎のTOHOシネマズでグッドナイト&グッドラックを観てきました。すごく面白かったです。今まで観た映画の中でトップ3を争うと言ってもいいかもしれない。

 舞台は1950年代のアメリカ。共産主義に対する不当な弾劾・圧力、いわゆる「赤狩り」が横行する中、"自由"と"権利"を守ろうと戦い続けたキャスターおよびそのグループの事実に基づく物語。最初は時間帯が時間帯なだけに(23時半上映開始)、モノクロだし台詞多いしこれまた眠そうなのを選んでしまったなあと思ったのだけど、中盤以降、一貫性を追求する姿に惹かれ続けた。

 こういう映画がアメリカで、もっと言えばメディアで受け入れられたっていうのはすごく意味があることだと思います。しばらく映画を観たくないかも。本当にいい映画でした。


brokenflw.jpg 川崎のチネチッタで、『ブロークン・フラワーズ』を観てきました。ジム・ジャームッシュ監督、2005年カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作。『コーヒー&シガレッツ』で気になってた監督でした。

 ある日突然、主人公ドンのところに元恋人からだと思われる差出人不明の手紙が送られてくる。その手紙には、実は彼には19歳になる息子がいるという旨が書かれており、手がかりを探すためかつての恋人たちを尋ねていく・・・というロードムービーなのだけど、そう単純な話でもない。20年ぶりに現れた元恋人を歓迎してくれる人なんていなくて当然なわけで、現実と過去の奇妙なギャップが気持ち悪くも温かく二人を包んでいく。

 時折見られた映像の美しさに(それは主人公の夢として登場する)、この監督の神髄がある気がした。音楽もいい。映画作品通して「これを伝えたい」というようなイメージやテーマがあるわけではなくて、全体をもって1つの作品に仕上げている印象。だから何が言いたいのかはさっぱりわからなかったけれど、きっとそういう映画なのだろう。


 みなとみらいのワーナー・マイカルで『キャッチ ア ウェーブ』を観てきました。

 いいネ!若いネ!ちょっと湘南の海にしては青すぎる気もしたけど、青い空!青い海!そして青い夏!

 ストーリーは、高校生3人が夏休みを湘南で過ごし、サーフィンを通じて様々なことを経験したり学んでいくという、まあ、ありがちといえばありがちな青春もの。中盤以降はコテコテになってしまったが、本当に音楽が気持ちのいい映画だった。特に良かったのがエンディングロール。僕としてはそれだけで満足。主題歌を歌ったDef Techの方が表に出ているが、全編に渡ってDEPAPEPEが大活躍してます。なんでアコギの音が夏を連想させるのだろうね。

 純粋なサーフィン映画(フィルム)であれば、映画にも出てきた有名な『エンドレスサマー』や、最近ではジャック・ジョンソンの『Thicker Than Water』(あるいは『September Session』)の方が良いだろうが、これはこれで悪くないのかなと。いつまでも忘れてはいけないものが、ここにはあった。

 もうすぐ僕の一番好きな季節がやってくる。今年の夏は、僕は何を思って海に潜ったのか、そして何を感じたのか、今一度見つめ直すことができたらなと思います。

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モディリアーニ 真実の愛  本当の君が見えたら、その瞳を書こう。

 2ヶ月ぐらい前、つまり修論執筆中にDVDを借りて観ました。

 画家モディリアーニの生涯が描かれた作品で、半分フィクションで半分ノンフィクション。半分というのは50%という意味ではなく、正確に言うなら大まかな事実に基づいたフィクション、という感じになるのかな。とは言え、モディリアーニの生涯なんて全然知らなかったので、僕は何の予備知識もなくこの映画を観て、あとで映画のオフィシャルページの年譜から知りました。

 ストーリーには成功した画家としてピカソがしばしば登場し、実際にこれほどまで絡んでいたかどうかは別として、いい味を出してる。最後、久々にぶわーっと、心の中に広がるような感情みたいなのを感じた。ピカソの登場もそうだけど、全体的に"陰"と"陽"の対比が強調されているというのが印象的。相乗具合がうまい具合に出ていて、一人の画家の半生を描いた作品としては(たとえフィクションが混じっていたとしても)すごく良かったと思う。

 全然関係ないけど、中学のときに美術の宿題で資料集から1枚好きな絵を選んで模写するというのがあって、モディリアーニの『黄色いセーターを着たジャンヌ・エビュテルヌ』が書きやすいとかで大人気だったことを覚えてます。美術の授業も、ただ絵を見せるだけじゃなくて、この画家はこういう人間だったんだよなんてことを教えてくれれば、より理解が深まるというか興味を持てて良かったと思うんだけどね。


 DVDで『ふたりの5つの分かれ路』を観ました。

 タイトルに"5つの分かれ路"とあるぐらいだから、分岐点となるエピソードが5つあるのだけど、離婚・いさかい(告白?)・出産・結婚・出会いという感じで、ストーリー(時系列)が通常とは逆に進行していく。ちょっと斬新だけれど、前から見ようが後ろから見ようが、そう大差はないのではないかなとも思う。ただしこの方法だと、間の展開は視聴者に委ねられている、というかいちいち描く必要がないので、そういう意味では、秀逸のような気もするな。普通に進めたら(逆順ではなく)何てことない話でも、こういう風に少しひねって見せると、それは1つの映画になるということ。この1発ネタのような感じもあるので、それが気に入るかどうかだと思います。

 因果応報と言う言葉があるが、あらゆる結果には何かしら起因となったものが存在している。過去を振り返ったとき、そういう起因や分岐点が見えるものの(いつ見えるようになるかはわからないけど)、当然その当時ではそんなこと全然気づかない。まあ起因はどうしようもない?これは偶発的かつ運命的のように思える?にしても、せめて分岐点については「これがそうなんだ」と少しでも感じられる時がくるのかな。案外そういうものではないのかもしれないけど。失った後悔を取り戻したい。


 『大いなる休暇』をDVDで観ました。小さな島の人たちが、あの手この手を使って何とか医者を島に住ませようとするお話。

 人口が少なく、産業もなく、島の住人達は生活保護を受けて暮らしている。この状況を打開するため、島としては工場を誘致して仕事を作りたいのだけど、工場が建設されるには医者がいることが条件。しかし島には15年も医者がいなくて、必死に島に来てくれる医者探しを始めたところ、偶然とある理由で医者が1ヶ月限定で来ることになった。というわけで島の人々が一丸となって、この医者に「この島にもっと住みたい」と思わせようとするのです。

 なんかベタな話かなと思ったけど、いい話でした。随所に心温まる笑いが鏤められてて、思わず笑顔になってくる。特に"ATM"と呼ばれることを極度に嫌う銀行員のキャラがすごく良かった(島にはお金の受け渡しぐらいしか業務がないため)。

 映画を観て一言。今さらだけど「真実」ってすごく大切だと思いました。どんな結果が待ち受けていようとも、それが真実であるならば(真実である限り)、受け容れていくことができる気がする。もしかしたらひどく失望するかもしれないが、少なくともフェアではあるからね。これは映画とは直接関係なくて、個人的な話です。


リンダリンダリンダ

 この映画は映画館に観にいこうと思っていたのだけど、例によってタイミングを逃したというか思い出した時には公開が終了。そんなわけでDVDを借りて観ました。

 女子高生4人が文化祭でブルーハーツを演奏するという、あり得そうでおそらくあり得ないような話。ちょっとしたところまで気が配られていて面白かったです。 テンポ良く小さな笑いも収められていて、"映画作品"としての出来も良かったと思う。

 活き活きと動いている彼女たちは、すごくかっこよかった。思わず「うん、それでいいんだよ」なんてつぶやいてみたり。高校時代に誰もが感じていた"もどかしさ"みたいなのがうまく描かれている気がしたな。二度と戻ってこない、ひたむきに生きていたあの時間。当時はそんなのに気づくはずもないのだけど、今ならその先にあるものが少し見える。

 ブルーハーツは僕が小学生の時に少し流行ったぐらいだから、彼らを今の若い人たちが知っているのかどうかは知らない(フジテレビのドラマで聴いたことがある人は多いかな?)。まあこう言ってはなんだけれど、ひっどい歌だよなあと思う。でもきちんと伝わるものが、たしかにあるんだよね。そういうのを受け容れられるスペースがまだ僕の心の片隅にもあるんだという喜びを感じさせてくれた、いい映画でした。


 ウディ・アレンの『さよなら、さよならハリウッド』を観ました。僕の記憶が正しいなら、日本では去年のGW前後に公開された作品で、映画館に観にいこうと思っていたものの、タイミングを逃してしまい(しかも2回)結局DVDレンタルで。

 かつては名映画監督だった主人公(ウディ・アレン)が、復帰をかけて映画撮影にのぞむものの、目が見えなくなってしまい、それでも撮影は続いていくという話。よくよく考えてみれば映画業界に対する皮肉など、色々なエッセンスが盛り込まれているような気がするのだけど、頭を空っぽにして見てたらすごく面白かったです。2時間弱、全然飽きることなくスクリーン(テレビ)に釘付け。最近見た彼の3作品の中で、映画そのものとしては一番良かったかも。

 ただ何となく気になったのが、この前『僕のニューヨークライフ』を観たときも少し感じていたのだけど、彼の(最近の)作品って映画館で上映されるのが相応しいのかなということ。映画としてレベルがどうこうとか、そんなことを言うつもりは全くないが、映画館の大きなスクリーンよりも、個人が持つプライベートなディスプレイ(テレビ)の方が合っているのではないかな、と。空間とスケールの違いとでも言うのかな。

 とは言え、また新作が公開されたらノコノコと映画館に観にいってしまうのだろうけどね(チャンスがあったら)。

中途半端なオフィシャルページ


 何となく、こてこてのラブストーリーが観たいなと思い、エターナル・サンシャインを借りて観ました。チャーリー・カウフマン脚本。たしかにそういう類の映画ではあったのだけど、ちょっとまとまらなかったかなという印象。

 "記憶"を題材にしたところは面白いと思うが、もう少しいい見せ方があったのではないかと思う。話の途中でわけがわからなくなり、最後はきちんとつじつまが合うのだけど、そういうサスペンス的な要素は果たして必要だったのかなあと。テーマがだんだんはぐれ出し、題材だけが一人歩きしていくような感じ。とは言え、こういうのはきっと恋愛観などが複雑に絡んでくるので、大絶賛する人もいるような気がします。

 恋人と悲しい結末を向かえてしまったとき、それまでの思い出・記憶をなかったことにするのと、ずっと引きずっていくのとでは、果たしてどちらがいいのだろう。ただ、片方だけが綺麗さっぱり忘れているっていうのは、あらゆる意味で残酷なような気も。・・・そんな話です。


 卒論発表を終えた4年生を見送った後、つまり今週の月曜の夜に、渋谷で『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』を観てきました。絶対一度じゃ覚えられないタイトル…。「神よ、何ゆえに我を見捨てたもうや」という意味らしいです。日経新聞で絶賛されていたのと、青山真治監督の映画を一度観てみたかったので。

 しかし、これが非常に・・・うーん、何とも言えない。設定は近未来で、"レミング病"という感染すると自らの命を絶ってしまう病気が流行ってる。これを救えるのは浅野忠信と中原昌也が演奏する音楽のみで・・・、と、なんだかこれだけだと極めてシンプルな話に聞こえるし、実際映画自体もシンプルなのだけど、全然それだけじゃない。じゃあ何があるのかと言われると、これがどうしても説明できない。

 浅野忠信と中原昌也は、ずっと"音"を探し続けている。ノイズと言ってもいいようなそれらの音は、"生"に対する希望というよりは、むしろ生きることに足掻いているような印象。それがどうして"自殺病"から救えるのかもわからないし、実際それで救われたのかどうかもわからない。ただ、全てがなくなっても、音だけはあった。そこに何かがあるのかもしれない。

 音と映像がほぼ同列に並んでる、そんな映画でした。


anythingelse.jpg 今週の日曜、恵比寿ガーデンシネマで『僕のニューヨークライフ』を観てきました。修論終わったら観ようと思っていたのだけど、やることがなかったので学校帰りに。こんな風に、学校帰りに映画を観るなんていうのも、もうできないんだよな…。

 いつも通りのウディ・アレン節、とまとめていいのかどうかはわからないけど、全体的に安心して観られた。オープニングの音楽や、語り口調の進行、どれも、「あー、これだよ、これ」なんて感じでね。ちょっとシリアスで、ちょっとシニカル。ちょっと面白おかしくて、ちょっとハッピー。

 原題の"anything else"の方がこの映画はいいかな。Life is like "anything else".どうだろうね。


 Believe it or not.かつてテレビに文字通りかじりついていたような、テレビっ子だった僕ですが、最近めっきりテレビを見なくなった。どうでもいい、くだらない番組が多すぎで、時間の無駄としか思えない。そこに何か心境の変化があったのかどうかはわからないけど、とにかく番組の質が著しく低下したように感じる。
 そんなわけで近頃はDVDを借りたり、Gyaoの番組を見たりすることが多いものの、どうもなかなか"当たり"に巡り会えない。「これだ!」と思えるようなものがなくて、「まあこれでいいか」みたいな感じで選んでいるところに理由があるのかもしれないけど。

 ここで紹介する今月観た4本も、人に勧められるかと言われれば、あまり勧められない作品です。それでも一応、こんなのを見ましたという記録として。


 免許を更新した後、恵比寿ガーデンシネマで『ドア・イン・ザ・フロア』を観てきた。ジョン・アーヴィングと言われれば即座に『熊を放つ』が思い浮かんできてしまう村上春樹好きの僕ですが、そんなアーヴィングの『未亡人の一年』という小説を映画化した作品。久々に映画館で映画。

 それで内容なのだけど、これはもう非常に難解。今まで観た映画の中で、難解な作品ベスト3に入る作品と言っていいだろう。ということで感想を述べるのは非常に難しいし、間違っても「これ面白いよ」と誰かに勧められるものではない。
 特色の一つは、ディテールの細かさ。「細部は具体的に」という作家テッドの言葉通り、あらゆるものごとに対してきめ細やかな説明がなされている。なるほどたしかに観ている僕らはそれが具体的であればあるほど、それを自分の中でイメージとして膨らませることに成功し、ストーリーが彩られていく。
 テーマは痛み、喪失、に近いようなものになるのかな。あれこれと考えるほど重くなってくる。長い人生において、ときに痛みに耐えなければいけない、喪失を乗り越えない場面も出てくるのだろう。きっとそのときにどういう行動に出るか、何を感じるかによって、人生というのは大きく変わってしまうのかもしれない。

 全体としては、小説の映画化ということもあってか、長編小説を読んでいくような感じだった。特に最後の方のストーリー展開とかね。普段は映画を観てそれが深く心の中に残るというのはあまりないのだけど、これはちょっと残るかもしれない。


legrandbleu.jpgLE GRAND BLEU VERSION LONGUE

 初めて買った映画のDVDが、このグランブルー。これは素潜りの話だけど、全ダイバーのバイブルである。もう何度観たかわからない。そして僕も、多くのダイバー同様、これを観て蒼の世界へ引き込まれていった・・・。


 『Lost In Translation』を観た。外国の人が映す東京はどんな感じなのだろうと思ってDVDを借りたのだけど、どうもいまいち…。雑多な街、異国の地での疎外感。日本人の僕だって東京に一人たたずんでいると寂しくなってくるし、資本主義をもろに反映した秩序のかけらすらないような街は、ちょっと外から見るとめちゃくちゃうさんくさい。まあ言いたいことはわかるのだが、何を思ってこの作品を作ったのかがよくわからなかったというのが正直なところ。

 ところどころに出てくる東京の風景は、何となくいいなと思ったけどね。僕は高校生の時からずっと東京の学校に通ってきたが、いよいよ今年度でお別れ。ちょっと前までそのことを凄く寂しく思っていたけど、今はそれほどでもない。どんな街でも生きていけるさ、きっとね。


 ストレイト・ストーリーを観た。デビッド・リンチ監督作品。病で倒れた兄に会うため、500kmの道のりをトラクター(!)に乗って会いに行くというロードムービー。思わずジョン・デンバーの曲でも歌いたくなるような、アメリカの田舎の風景が続く。途中それなりにハプニングや出会いがあって、そのどれもがそれほどたいしたものではないのだけど、なぜか心に残る。不思議。
 見終わったとき、小さな火種のようなものが僕の心の中に落ちた。それは時間が経てば経つほど温かさを増している。ほんわかと。耳に残る音楽、実は意味深い1つ1つの言葉、流れていった風景、人々の笑顔。味わい深い作品でした。

 人生の忘れ物を探す旅。

 僕らは否が応でも年をとるし、色々なこと全部抱えて年をとる。願わくば平和に包まれて生きていきたいな。置き去りにされた悲しみ。目をつぶっていた痛み。なかったことにされた嘘。そういう負の財産っていうのはきっといつしか己に降りかかってくるのだと思う。自分で自分の責任を取るしかないのだけどさ。

 ちなみに村上龍がこの映画を参考に本を書いてるらしい。なんか意外な感じがするけど、読んでみたい(ストレイト・ストーリー)。


 『SMOKE』を観た。なんとなくカポーティの話にでも出てきそうな、純文学的な作品だなと思ってたら、ポール・オースターという作家が自身の短編を脚色した話らしい。
 淡々と進められていくストーリーの中に、ほんの些細な心温まることが散りばめられている感じが良かった。話はそれなりに展開を見せるのだけど、深くは追わない。それはこの現実世界と同じで。全てのものごとに対して結論が出るわけではない。僕らはいつだって、何かしらの「過程」を目にしているだけだ。

 映画のシーンから1つ。
 煙の重さを知るにはどうしたらいいのか。まず煙草の重さを量り、落ちていく灰の重さを量り、最後吸い終えた煙草の重さを量る。最初の煙草の重さと、その灰と吸い終えた煙草の重さとの差。それが煙の重さになる。

 僕らはこの世に無垢な状態で産まれてくるとしよう。そこから色々なものを手に入れ、そして失っていく。じゃあ最後、人生を終えたとき。手に入れたものと失ったもの、どちらが多いのか。多分それほどの違いはなくて、きっと煙(smoke)程度の差なのだろう。
 Just like smoke.


 今朝は久しぶりに髭を剃り(1週間ぶりぐらい)、気分が良かったので、水色のロンTを着た。それにジーンズにスニーカーという格好。髪も短いし、自分で言うのもおかしいが、見た目は凄く爽やか!外見がそうだと不思議と心まで爽やかになる。
 そのせいかどうかはわからないけど、大学に向かう途中で無性に映画が観たくなったため恵比寿で途中下車。通学途中に横浜・川崎・恵比寿・渋谷・新宿があるのだから、どこかで降りたくなって当たり前なのである。

05-07-22.jpg 観たのはウッディ・アレン監督の『メリンダとメリンダ』。彼の作品を観るのはこれが3作目。映画館で観るのは初めて。前に『さよなら、さよならハリウッド』を観ようと思っていたのだけど、気づいたら終わっていたという悔しい思いをしたので今回は早めに。


deepblue.jpgDEEP BLUE Special Edition
製作7年、ロケ地200ヶ所、撮影フィルム7000時間
それは90分、人であることを忘れる壮大な海の物語

 今日、AmazonからDEEP BLUEが届いた(つまり買った)。映画のDVDを買うなんて、LE GRAND BLEU以来2枚目。これは映画館で観ようと思っていたものの、観るタイミングを逃してしまい、じゃあDVDが出たら買おうと決めてた。レンタルで済まさず購入したのは海が大好きだから。BBCが総力をあげて撮影した映像に、ベルリンフィルの音楽!買うしかないでしょう。


 昨日、海の夢を見た。自分は今までに見たこともない空港に降り立っていて、建物を抜けると、そこは真っ白な砂浜に透き通るようなブルーの海。水は完全に青一色のグラデーション。僕はその景色を目の前にして「僕が求めていたのはこの海なんだ」と思い、テラスみたいなところから飛び込もうとしてた。

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 海猿を観た。海上保安庁の潜水士のお話。


恋愛寫眞 - Collage of Our Life -

 恋愛寫眞を観た。日曜の深夜に時間を持て余しており、ちょうど手元にあったというのが理由。松田龍平と広末涼子で一時騒がれたけど、こんな色物映画タダじゃなきゃ観ないのである。

 まあこれは堤幸彦ワールド。ドラマでやってたケイゾクやトリックと何ら変わらない。純粋なラヴストーリーだと思ってたら全然違った。たしかにエンターテイメントとしては悪くないような気もするけど、やっぱりいまいち。ワンパターンすぎるというか、全てどこかで見たことのあるような表現手法で興ざめ。彼の世界観が好きな人にはいいのかもしれないけど。
 話の途中からニューヨークに行ってほとんど英語になるんだけど、なぜか字幕がなく、録音レベルが良くなかったみたいで音量が上がらず結構大変だった。松田龍平の棒読み英語は聞き取りやすかったけど…。
 救いは山下達郎のエンディングかな。最後この曲と共に流れるスタッフロールの場面が一番良かった。

僕の想い何ひとつ
伝えるすべもないのに
二千トンの雨がふれば
今日も僕はひとり
(二千トンの雨/山下達郎)


neverland2.jpgネバーランド
- Finding Neverland -

ピーター、君が捨てた夢に
僕が希望を吹き込もう。
それがこの永遠の物語になる??


 今日も何事もなく一日が終わるのかと思ってたら、突如映画の試写会に行こうというお誘い。持つべきものは映画好きの友人である。映画を見ること自体は好きなんだけど、どうも一人だとモチベーションが保てない。出来ればもう少しミニシアター系というか、いわゆる「サブカル系」(こんなくくり方はどうかと思うが)が好きだと言うことないんだけどな。彼はハリウッド俳優大好き!みたいな人なので、期待するだけ無駄なのかもしれないけど・・・。


vital.jpg

ずっと永遠に。
記憶をなくした医学生は、解剖実習にのめりこんでいく。
そして、闇は、開封された??

 今日は4ヶ月ぶりに社会人の友人と会うため渋谷へ。何だか知らないけど朝からご機嫌で、駅までの途中全力疾走。そのままジャンプしたら空まで突き抜けてしまいそうな気分だった。Alan Parsons Projectの"Eye in the Sky"を口ずさんだり。
 特にすることもなかったので、この塚本晋也の『ヴィタール』を見ることに。思えば、大学に入ってすぐ、同監督の『BULLET BALLET』を見にいったのも彼とだった。
 さてさて、映画の話。・・・と何かを語りたいところなんだけど、僕の乏しい表現力では言葉にできない。一つだけ言うとすれば、生と死、そして愛、こういった決して答えの出ないことについて、具体的な何かを提示されたような内容だった。この映画を見て深く考えさせられるということではないが、それは潜在的に僕らと常に隣り合わせなんだということを改めて認識させられた。
 人体解剖はかなりのインパクトがあったけど、最終的にはそれすらも霞んでしまう塚本ワールド。この映画は一人で見にいかなくて良かった。そして一緒に行く人を選びます。


花とアリス/岩井俊二

 見終わって、なんとも言えぬ寂しい気持ちで包まれている。うまく言葉に表すことはできないけれど、多分この作品に感動できない自分を寂しく感じている。4年前、18のときに見ていたらまた違ったと思う。でも僕は、それからあまりにも多くのものを失ってきてしまった。
 僕はもう、美しすぎる風景なんて存在しないことを知ってるし、そして「本物」であることの素晴らしさを知ってる。実際の風景が、情景が、どれだけ心に響くのかを、何よりもリアルな心の痛みを、温かさを。僕がそれを求め続けていることも。そういったことを全て知りすぎてしまっている。
 多分、二度と取り戻すことのない大きな何かが、いつの間にか僕の中から消えてしまったのだろう。


 この前深夜に「馬鹿でマヌケなアメリカ白人」がやってて、これのどこが面白いのだろうか?有名な「ボウリング・フォー・コロンバイン」や「華氏911」もこれと同じなのだろうか?と疑問に思ってた。言いたいことはわかるし、ある種の驚き・爽快感というようなものを感じられないことはないけど、しかし僕にとっては全体的にしつこすぎるし、わざとらしすぎる。全体的に新鮮さがなく、すぐに飽きてしまう。いかなるテーマを扱ったとしても、「ふーん」「ふーん」という感じで、延々と過ぎていくだけだ。で、今日テレビで「ボウリング・フォー・コロンバイン」がやってたので少し見てたけど、「馬鹿で?」と全く同じ調子で唖然とした…。この分だと「華氏911」も同じなんだろうな。
 もちろんこれは人それぞれだろう。多分僕にとっての許容範囲をオーバーしすぎてしまったということだけであり、これが非常に面白いと思う人がいるのかもしれない。パルムドールをとってるぐらいだから、少なくともある層から熱烈に支持をされているのは間違いない。でも正直な話、日本でのほほんと平和に暮らしている自分にとって、アメリカの政治がいかに腐敗していようが、周りにどんな危険が潜んでいようが、どうでもいいのである。そんな話、日本国内だけで十分だ。お隣りさん(?)の国を心配するほど、僕は心が広くない。僕がブッシュの実態を知って、例えば嫌悪感を抱いたところで、それが何になるというのだ。
 ただ、高橋秀実氏に言わせると、これはエンターテイメントなのだそうである。「華氏911」は、ただただブッシュを馬鹿にするという内容らしい(本日のR25コラムより)。その辺を割り切って楽しめない僕にも責任があるのかもしれない。あるいは単に、僕に教養がなさすぎるのかもしれない。内容についてどうこう言うのはここらへんでやめておこう(ほとんど見てないし)。
 でも今回一つだけ発見があった。それは吹き替えの声が、映画をさらにうんざりさせているということ。少なくとも僕にとっては、ということになるけど。マイケル・ムーアの(吹き替えの)声を聞いていると段々しょうもなく思えてくる。ならばと思い、英語で聞いてみたら、それなりに社会ドキュメンタリーに変わった気がする。内容ではなく、雰囲気だけではあるものの。
 多分これ、字幕じゃ文字数が多すぎて読むのに疲れてしまうだろう。かといって、英語だと僕なんかの英語力じゃおそらく細かな表現まではくみ取れてないはずだ(理解する分には差し支えないが、多分知らないところで微妙なニュアンスみたいなのが含まれているはずである)。そんなわけで、内容以前に吹き替え、字幕、英語、どれを選んだとしても、僕は楽しめない。この映画を楽しむためには、身も心もアメリカ人になる必要がある気がする。アメリカ人のための映画じゃないのだろうか、これは。
 おそらく、僕には「ディープ・ブルー」のような映画の方が性に合っているのだろう。?“動物は嘘をつかない”(井筒監督)。


是枝「誰も知らない」にカンヌ拍手5分間

 第57回カンヌ国際映画祭コンペティション部門作品「誰も知らない」(是枝裕和監督)の公式上映が、メーン会場の劇場ルミエールで行われた。今年は同部門に日本映画2作品がノミネート。その先陣を切っての上映だったが、5分間にもわたるスタンディングオベーションが起こるなど会場は絶賛。

 5分間も拍手を受けるなんて、一体どういう気分なのだろうか。是枝監督といえば「ワンダフルライフ」かな。高校生の時に本で読み、その後ビデオを借りて見た。

 マスコミは最近ことあるごとに賞がどうとか騒ぐけど、ものごとの本質はそんなところにはない。パルムドールがどうとか書くぐらいだったら、せめてなぜ海外で評価されているのか、そういう部分に少しスポットを当ててみてはどうだろうか。で、日本だとどうせミニシアターでしか上映されないんだよな。


 このタイトルを見たとき、すぐに江國香織の書いた本が原作だとわかった。文庫本のシンプルな表紙が頭に浮かんだ。なんとなく自分の本棚にあるような気がして、でも実際に探してみたらなくて。高校生のとき図書館で借りたのだろうか、それとも大学生になってから本屋で買ったのだろうか。それ以前に、僕はこの作品を読んだのだろうか。わからないし、全然思い出せない。
 それは映画を見ても同じだった。こんな内容の話を僕は読んだことがある気がするし、ない気もする。どこにでもある光景のような気もするし、全然そんなことはないような気もする。全てが不鮮明で、ぼやけてて、つかみきれてなくて、でも何か暖かいものに包まれていて。

 少しだけ、昔のことを思い出した。今となってはあのとき感じた幸せが本物だったのかどうかもわからない。

単行本
DVD


 なぜ卒業式のあと、学位記授与式に出席せず早々と大学をあとにしたのかというと、友人に殺人の追憶 MEMORIES OF MURDERの試写会に誘われてたからであって、決して授与式なんかやってられねぇと思ったからではないです。正直言って映画には全く興味がなかったんだけど、就活で忙しく最近全然会えなかった友人と久々に会うため新宿西口にある安田生命記念ホールへ。

Profile

take(take@blue-jam.com)
1981年12月23日生まれ
横浜市の端に在住
音楽と夏と海をこよなく愛してます。
強く、やさしく、フェアに

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